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桃太郎電鉄の編集履歴

2018-11-03 22:37:27 バージョン

桃太郎電鉄

ももたろうでんてつ

『桃太郎電鉄』とは、ハドソンが発売したボードゲームシリーズの総称。

概要

不動産などの資産運用で競い合うアメリカ製のすごろくモノポリー』を基に、ゲームクリエイターさくまあきらが考案した国産デジタルボードゲームの1つ。通称は『桃鉄』(ももてつ)。


お伽話をモチーフとしたハドソンの純和風RPG作品桃太郎伝説』(以下、桃伝)シリーズに参加した土居孝幸関口和之サザンオールスターズ)といった往年の開発スタッフが長年に渡って深く関わった。


来歴

誕生前夜

開発以前から原案はすでに存在しており、さくまがマップからルールまで全て1人で自作し、ルーレットチップなど他のボードゲーム小道具も組み込んで複数人を相手に遊んでいたすごろく式ボードゲーム『日本一周トラブルトレイン』がそれであった。


ただし、このボードゲームには「扱う額面が大きいために各遊戯参加者に1人ずつ付く収支係の計算が徐々にゲームの進行に間に合わなくなる」という致命的な欠点があり、これをどうやって解消するかでを悩ませていた所、折良く以下の3つに出会って具体的な構想が纏まる。

  1. ゲームライター当時から交友を結ぶ堀井雄二が「お互いにボードゲームを1つ作ろうよ」と提案を持ち掛けた
  2. さくまの愛読書の筆者であった堤義明(当時の西武鉄道プリンスホテル兼任社長)が「国鉄鉄道が苗場スキー場まで届いておらず集客が悪いから自社で鉄道を作らせてくれ」と語った奇抜な経営論を知った
  3. 悩みのであった収支計算の解決策として桃伝で縁を築いたハドソンに実際にデジタルゲーム化してもらおうと閃いた

これらのアイデアをハドソンに持ち込んで開発が始まった。


順風満帆

いよいよβ版の開発が最終段階に差し掛かった頃、マスター版開発に当たってタイトルをどうするかとなった時に不意にさくまが提示した「桃太郎電鉄ってダメかな?」で満場一致し、全く新しい作品ではなく「桃伝の番外編」とする形で第1弾完成に漕ぎ着けた。これから僅か半年後には不備、不満点、操作性を中心に大幅な刷新を施した第2弾『スーパー桃太郎電鉄』をPCエンジン(Huカード)で開発し、この時点でゲームシステムの基礎を確立した。


以後、本家である桃伝シリーズの開発が休眠期間に入った事で正式な独立作品となり、様々なプラットフォームで続編を展開するも、さくま曰く「実力とが7:3程度の割合で、ゲームバランスは麻雀に近い」「ある日突然、落ちこぼれヒーローになる」としているように、たとえ初心者であっても熟練者に勝利し得る可能性がある痛快な逆転劇にこだわり続け、作品を重ねる毎に細分化された各地のが一層の親近感を演出し、性別や世代を問わず和気藹々と一喜一憂するパーティゲームの定番として人気を博し続けた。


また、この人気にあやかって名乗りを上げた登場駅近郊の市区町村で地元民、芸能人を巻き込んだ町おこしを企画するなど、地域活性化にも一役買う社会現象を引き起こした。


暗雲

デジタルボードゲームの一大シリーズとして他の追随を許さない人気を堅持していたが、2011年を境にその雲行きが怪しさを醸し始め、年末発売に向けて『桃太郎電鉄2012』の開発を進めていた同年3月11日に発生した大災害東日本大震災』の凄絶な被害を鑑みたさくまは、新作を心待ちにするユーザーと被災地域の惨状に対して悩み抜いた末に断腸の思いで開発中止を決定した。


翌2012年4月には盟友のハドソンが経営の行き詰まりからコナミデジタルエンタテインメントの完全子会社と化し、これに関連してハドソンの主要開発スタッフが大量離脱する事態となり、同年秋頃に出演したニコニコ生放送の中で「今度docomoで東海編を出すんですが、それを最後に新作はもう出ません」の発言を通じて桃鉄シリーズの開発停止を暗に示唆した。


その後も自身のtwitterを通じて「コナミに井村という男がいるかぎり桃鉄、桃伝はつくらないよ」と異例の開発拒否宣言を大々的に発し、今度は桃太郎シリーズの開発そのものを凍結する意志を明確に示す事でコナミに対する反感を露わにした。


コナミとの決裂状態

半年後、さくまの思いを汲んだアナログボードゲーム『桃太郎電鉄ボードゲーム 大どんでん返しの巻』制作の際には全面的賛同を申し出たタカラトミーアーツに協力した一方、一度は興味を示したソーシャルゲーム化を執拗に打診するコナミの要請には断固拒否の姿勢を崩さず、それでも新作を待ち望むファンのためにあらゆる可能性を考えて奔走したものの、約1年後の2015年6月2日にtwitter上で「コナミから何の連絡もない。こんな調子でずっとほったらかされた。ここに桃太郎電鉄は、正式に終了します。すべてコナミの石川が握り潰しました。」の衝撃的な一文を記すに至った。


シリーズ化されたゲームタイトルに対する黒いが絶えないコナミを糾弾する大多数の擁護と激励を受けた2日後、決してコナミへの認識と対応が間違ったものではなかった事実に安堵したように「今回の一件は、「もっとコナミはひどい」のツイートがたくさん来たし「桃鉄は弊社が長年かけて育てたコンテンツ…」と、ゲームファンなら、誰もと気づくようなことを平気で言える会社だと、みんなにわかってもらえて気がすんだ。さよなら、桃鉄。」と謝意を述べ、ファンの感謝と無念に見送られながら自らので桃鉄24年の歴史を引いた・・・と思われていた。(後述)


その後、2015年8月3日に日本経済新聞が【任天堂と桃太郎電鉄の最新作を開発し、2016年に発売する予定】とする内容の記事を掲載したが、開発終了宣言を発したさくま本人がこれについて一切の発言をしておらず、信憑性は極めて薄い状態が続いていた。


実はSFCでの最終作「桃太郎電鉄HAPPY」が当初は桃太郎電鉄シリーズの完結作の予定だったという。初代から今作までのシリーズマップ曲の収録(マップ曲として設定が可能)、タイトルがHAPPYなのは「HAPPY END」の意味合いがあった為である。言ってみれば先述の騒動とは逆にHAPPYでは円満終了の予定だったともいえる。

しかし、今回の桃鉄終了発言はあまりにもショッキングな形で広まったのだった。


再び桃太郎電鉄の車輪は動き出す。

2016年9月1日のニンテンドー3DSダイレクトにおいて「桃太郎電鉄2017 立ち上がれ日本!」がニンテンドー3DSでリリースされる事が発表された。

発売元は先述の日経記事通りに任天堂から発売される。(クレジットにはコナミデジタルエンタテインメントも含まれている)

実は先述の騒動の際に既に震災復興編としてニンテンドー3DSで製作する事が決まっていたらしい(ほぼ完成だったとの説あり)。

発表以前では「アメトーーク」での「桃鉄芸人」の回で桃太郎電鉄シリーズのファンである芸人達による桃鉄の魅力や楽しさをフィーチャーした回が放送されていた事もあった。

さくま氏はダイレクトに向けてコメントを寄稿しており、「天岩戸を再び開ける時が来た」「待ちわびていた多くのファンにやっと報いる事ができる」といったコメントをしている。

やはり桃鉄新作にあたり気がかりだったのは「東日本大震災」ならびに「平成28年熊本地震」に心を痛めていた事もあり、桃鉄としてどう応援すべきかの考えもあったという。

任天堂発売には元ハドソンスタッフが多い任天堂の子会社「エヌディーキューブ」の存在があるからかと有力視されていたが、実際はヴァルハラゲームスタジオが製作に携わっている(こちらも元ハドソンのスタッフが関わっている)。


特徴

堀井が手掛けた『いただきストリート』がプレイヤー同士で破産を目論むモノポリーの匂いを強く残す反面、さくまが手掛けた桃鉄は純粋にゲーム終了時点の総資産額を競うハイスコアゲームを追求しており、破産による脱落の概念を持っていない。


さらに、「必ずしも大資産家が左団扇でゴールできるとは限らない」という不文律を示し、どれだけ優位に立っていてもふとしたきっかけで絶望を叩き付けられる、あるいはどれだけ劣勢に立たされても戦況を一気に覆す一発逆転の機会が用意されているなど、ゲームが終わるその時まで「天国の愉悦」と「地獄の辛苦」に終始する運の要素を多分に含む。


運による禍福の変動や大逆転の賭け要素などは『人生ゲーム』から、鉄道経営のベーススタイルは『A列車で行こう』から着想を得ている。


目的

ライバルひしめく電気鉄道会社の社長の1人として日本全国(作品によっては国内の特定地域や世界各地)を駆け巡り、各地の産業物件を掌握して徐々に事業を拡大しつつ日本随一の大会社への成長を目指す。


しかし、自社の栄達のためには他社を蹴落とす必要があり、プレイヤーは様々な妨害工作を駆使し、時には災害イベントなどで突発的に生じた相手の隙を逃さずに資産増額に邁進する。


赤字でもゲームを単純に続行できること・そしてすごろく面では路線の移動ルートを自由に決められることから、プレイヤーの性格が直接現れやすくなっている。一般的なセオリーに則った攻略法以外のテクニックで勝利を収める例も決して少数ではない。


基本ルール

  1. サイコロで振り出した目の数だけ進み、止まったマス、または突発的に発生する各種イベントに遭遇しながら指定された目的地への一番乗りを目指す。
  2. 目的地に一番乗りしたプレイヤーには多額の援助金が、目的地から最も離れたプレイヤーには貧乏神が与えられる。
  3. 毎年3月に迎える決算では、所有する物件のパーセンテージに従った収入が一括して支払われる。
  4. 所持金が0を割る赤字になった場合、補填のために所有物件を手放さなければならず、売却できる物件がない場合は赤字損失が計上される。赤字の状態が続くことによるペナルティなどはない。

物件

工業、農林業、水産業、食品産業、地場産業、アミューズメントなどに大別される各地の産業物件を購入し、決算で得た収入を元手に更なる事業拡大に努める。岡山駅の販売物件『桃太郎ランド』を作中最高額物件とする伝統があり、この物件の購入がプレイヤーの最終目標に位置付けられている。


各物件には収入パーセンテージが設定されており、ひとつの物件駅の物件買い占めに成功すると決算時の収益が2倍・損益が半減になる「独占ボーナス」が付与されるが、大部分は億単位の高額物件を1件は含んでいるため、各駅の1億円以下の低額物件を買い漁る、もしくは低額物件のみ扱う駅を優先的に独占することが増収を目指す第一歩となる。また、資産に余裕が出て本格的な買い取り競争が始まる中盤辺りからは先述の独占ボーナスが明暗を分けるとなる事もあり、相手の独占を防ぐ意味でも各駅の最低額物件の入手が重要となる。


莫大な臨時収入の可能性がある「金山」や桃伝シリーズ恒例の女湯覗きを楽しめる「温泉」など、限定イベントのフラグとなる特殊物件も存在する一方、収入パーセンテージがマイナスから始まる扱いの難しい物件もある上、物件そのものが災害や貧乏神関連の突発イベントに遭遇すると経営に大打撃を与える危険を抱えている。


なお、温泉覗きの条件は各作品によって様々であり、難解な条件を満たして表示されるご褒美グラフィックだけは土井のみの担当に留まらず、さくまが携わった雑誌の常連投稿者複数名の協力を得たものである。


センシティブな作品

おおっ!こ・・・ これは!


貧乏神

桃鉄を象徴する忌々しいペナルティキャラクター。


誰かが目的地に到着した時点で最も遠方にいるプレイヤーには、桃伝シリーズの定番キャラクター『ボンビーえのん』こと貧乏神が取り憑き、大小様々な意地悪でプレイヤーを苦しめ続ける。他のプレイヤーがいるマスに停まったり通過することでボンビーをなすりつけることが出来るため、一刻も早くボンビーとおさらばする立ち回りが求められる。

シリーズを重ねる毎にその悪行に拍車が掛かり、遂には並の資産家であればたった数ターンで破滅に追い込む最悪の貧乏神『キングボンビー』が登場することとなった。


所持金にのみ微細な不幸をもたらす『ミニボンビー』や、所有物件を一度に大量処分する『ハリケーンボンビー』にキングボンビーを加えた定番の他に、単発・複数作で様々な亜種が存在する。


カード

進行系と便利系で構成されるカードを使い、ゲームの展開を巧みに操作する。しかし、中には『デビルカード』を始めとする損害系カードも含まれており、全てのカードが所有者に対して必ず有利に働くとは限らない。

  • 進行系カード:サイコロの数を増やしたり特定の目だけ進めるようになる他、特定条件のワープをするサポートカード。
  • 便利系カード:資産増額から進行妨害に至るまで幅広い種類があるが、運によっては不幸に働く場合もあるヘルプカード。
  • 損害系カード:便利系カード枠に居座り、効果が切れるまで所有者だけに災難を振り撒くアンラッキーカード。

新作開発の度に迫られる新旧カードの取捨選択は、以下の3つのルールに則ってさくま主導で行われ、マスター版完成直前まで採用、残留、停止、廃止を厳しく審査される。


ルール1「カードの名前

意味の有無に関わらず印象に残るフレーズを持つ名前を取り上げ、作品のシステムや世界観と照合しながらその名前が持つ意味を再考して使用目的と効果を決定する。


通常のゲーム制作からすると効能と命名について逆の順序を取っているが、直感的センスを第一とするさくまの信念「カードは名前ありき」によるものである。


ルール2「人気至上主義」

常に大多数のプレイヤーの声にを傾け、残留枠に留まったカードの引き継ぎを繰り返して徐々に必要不可欠なカードのみを洗練する。


変わった出自を持つものに進行系スペシャルカード『銀河鉄道カード』があり、本来は徳間書店発刊のゲーム情報誌『ファミリーコンピュータMagazine』の裏技コーナー名物ウソ技」であったものを採用、改良した「嘘から出た真」を体現したものであるが、発表当初こそ恵まれすぎた効果から批判が懸念されたものの思惑に反した好評を呼び、以降の作品では定着した。

この宇宙マップを実装する為に初出の「DX」では「Ⅲ」よりもROMの容量を増やした逸話もある。


ルール3「二軍システム」

どんなに出来の良い新カードであってもその作品に登場させるには物足りなさや出来過ぎ、矛盾を感じた場合、アイデアの練り直しや調整を前提に後発作品用に保留する。


余談

桃鉄システムをベースとしつつ桃伝テイストに回帰した異色作『桃太郎道中記』は、さくまが開発に一切関わっていない唯一の桃太郎作品であり、この事からさくま本人はこれを桃鉄シリーズとして認めていない。


その上、これまで両輪の関係で助け合ってきたハドソンが何の相談もせずに会社の独断で桃太郎作品を作り上げた顛末に烈火の如く怒り、原作者の権利を主張して「以後は自分の断りを得ずに桃太郎関連のゲーム開発を禁止する」という契約を認めさせた逸話も残されているため、ファンの声に出来る限り寛容に応えるさくまの姿勢には珍しく続編発表や移植開発が成されていない。


銀河鉄道カードでいける宇宙マップは終点まで全て青マス・終点はサイコロの出目が超過しててもたどり着くと目的地ゴール扱いになるのでいい事だらけ・・・と思いきや、落とし穴もいくつかある。一つはマス変化形に弱いこと。「レッドカード」を使われると道中のマスが赤マスになるし、『G』でピヨピーが付いてしまうと道中のマスがボンビラス駅へと変貌する地獄絵図に。また、「サミットカード」を使われると強制的に使用者の所へ飛ばされる為、そこで銀河鉄道は終了になってしまう。他にも「テレポートカード」で相乗りされる危険性があったり、他のプレイヤーが先に目的地へつくとボンビーが必ず自分の元に来たりするなどのリスクも抱える。


それだけでなく、物件価格(=決算収益)のインフレが進み始めた『X』あたりからは、いつまでも銀河鉄道にいると「物件を購入できないデメリット」のほうが強く影響してくるため、目的地に確実に到着できるカードという側面のほうが強くなってゆく。かつては切り札級のカードであったが、そうそう甘くない。


逆に酷い目にあうボンビラス星は初登場のHAPPYに限り、三つの出口の上にいるキングボンビーを虫眼鏡で調べると・・・それだけでスロットをまわされて所持金が奪われる。ちなみに調べる度に行われる始末。


初期はプレイヤーの列車の移動速度は遅かったのだが、それによってゲームのテンポが悪くなる為か『Ⅱ』以降に4段階(おそい・ふつう・はやい・ほんき)の移動速度が変更できるようになり、『DX』ではさらに「まっは」が加わり5段階(おそい・ふつう・はやい・ほんき・まっは)になった。その後「ほんき」が「本気」に、「まっは」が「マッハ」にそれぞれ表記が変更されている。ただし、「マッハ」の場合はサクサク進める事ができるが、操作ミスを起こしやすい。ハードの性能の都合か、GB版『Ⅱ』・GBA版『G』は3段階、『Jr.』は4段階まで。現在は「本気」が抜かれて4段階になっている。「マッハ」はどちらかと言うと対CPUで使うとテンポよく遊べる。


関連イラスト

  • 影の主役 貧乏神

【桃太郎電鉄】 貧乏神 ボンビー

ボンビーピスピスピス!!さぁ社長さん、今回もボクと一緒に(貧乏の)一番を目指すのねん!!


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あしゅらと愉快な仲間たち

うわぁぁぁぁぁぁん!!私の、私の築き上げた地位が!!資産が!!物件がぁぁぁ!!


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社長の皆さん、8月ですよ~。

(稚内到着後)次の目的地は…、ハワイに決定しました!!頑張って下さーい!!


関連タグ

鉄道 ハドソン ボードゲーム すごろく

モノポリー いただきストリート 人生ゲーム A列車で行こう

桃太郎伝説 さくまあきら 関口和之 えのん

キングボンビー ミニボンビー ハリケーンボンビー

スリの銀次 ペペペマン 夜叉姫 あしゅら

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