概要
古来より日本では死んだ者はあの世へ逝くか、転生、またはこの世に留まると考えられてきた。
その中で、生前に相当の強烈な恨みや怒り、憎しみなどを抱いたり、非業の最期を遂げた者は、生きている者達に祟りや災いももたらすと恐れられてきた。
祟りを成すのは死んだ者の死霊だけではなく、生きている人間から魂が抜け出した「生霊」もいる。
人々はそのような存在を恐れ、単に調伏するのではなく、その怒りを鎮めんと祀り、中世には有名な人物の怨霊を「御霊」と呼んで、多くの人が「神」として信仰した。
そして、必ずしも実在人物の怨霊だけではなく、『東海道四谷怪談』のお岩さんや『リング』の山村貞子など、架空の怨霊も人々は恐れるようになった。
紫式部の長編古典『源氏物語』にも怨霊となった六条御息所が現れ、生きた女性達を祟り、光源氏を慄かせている。
また、体から抜け出した魂ではなく、強い思念や怨念が形となったものとも言われており、 いずれも他者に憑くとされ、怨念に憑かれたものは基本、憑かれていることに気づかず苦しめられるとされる(怨みを買った人物がより苦しむように、本人ではなくその親戚や、親しい人物などが憑かれることもある)
代表的怨霊
聖徳太子 蘇我入鹿 蘇我蝦夷 藤原広嗣 吉備真備 長屋王 早良親王 菅原道真 平将門 藤原頼長 崇徳上皇 源義経 安徳天皇 後鳥羽上皇 後醍醐天皇 西郷隆盛
創作の怨霊
ウルトラシリーズ
女神転生シリーズ
特定の個人が悪霊化したD-C属性のボス専用悪魔。
同様の境遇の霊団と一体化し自我が無くなった悪霊とは違い、歪んでしまっているが生前の自我と姿を保持している。
真・女神転生デビルサマナー
- 怨霊イヌイ・ブタイヘイ:南方で戦死し彼の地に眠っていた日本兵の乾の霊が、自身の土地にマンション「カーサ乾」が建てられたことに怒り、部下の部隊兵とともに「イヌイ小隊」として故郷に戻り祟りをなす。
- 怨霊カシヤマ:「かさぎ荘」で周囲に理解されずに自ら命を絶った芸術志向の写真家。生前使用していたカメラに憑りつき、地獄のエンクを伴いアパートを異界化させる。外見の元ネタは松本人志のコントキャラで、名前の由来はカメラのシャッター音「カシャ」。
- 怨霊ユリア・ミキヤ・スピーディー:過食によって肥満した姿を見てショック死したという元アイドル・ユリア、メンバーとの音楽性の違いで孤立し自殺したモーロックのキーボーディスト・ミキヤ、オーバードーズで死亡した天才的な速弾きギタリスト・スピーディーの霊が集結し、東亜TVに怪異を起こす。
- 古妃イナルナ:正確な種族は”古妃”。かつてこの地に栄えていた悪魔を使役したという魔術に長ける民族の女王で、大和王朝による裏切りによって謀殺され、大怨霊と化したが舞台の平坂市の古墳に封印されていた。