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インコムの編集履歴

2018-12-17 20:13:29 バージョン

インコム

いんこむ

機動戦士ガンダムシリーズに登場する、遠隔操作式ビーム兵器。

インコムとは、機動戦士ガンダムシリーズに登場する架空の兵器である。

基本的に宇宙世紀作品内で使用される用語であるが、宇宙世紀外の作品では新機動戦記ガンダムWデュアルストーリーG-UNITで同様の用語が用いられている。しかし、こちらはゲーム『SDガンダム GGENERATION-F』のみでしか用いられておらず、ガンプラの組立説明書など各資料においてはインコムの用語が用いられたケースが存在しない為、当時の制作スタッフ側のミスである可能性も考えられる。


概要

有線式の準サイコミュ兵器(簡易サイコミュ兵器)の一種。

宇宙世紀においてはミノフスキー粒子の存在により電波通信による長距離の無線制御が封じられており、それに対する対抗手段(カウンターメイジャー)となったのが、精神感応波による遠隔通信技術・サイコミュである。とはいえ、基本的にビットファンネルなどのサイコミュ兵器は高い空間認識能力と精神感応能力を持つニュータイプ、もしくは投薬や心理操作によりニュータイプ能力を人工的に引き出された強化人間でないと扱えない特殊兵装であった。

しかし、グリプス戦役末期において、地球連邦軍の兵器開発部門であるニュータイプ研究所の成果として、これら特殊な才能を必要としない小型有線遠隔操作攻撃端末が開発された。これこそが本項で述べるインコムであり、これにより、本兵装搭載機は一般兵(オールドタイプ)でも全周囲からの複合攻撃であるオールレンジ攻撃が可能となっている。


一年戦争当時より、MSの制御には光コンピューター(光集積回路によって構成された高度な量子コンピューター)が用いられてきた。

インコムは、時代経過によって演算能力が向上した光コンピューターによって完全制御、あるいはパイロットの特定脳波を事前にサンプリング・マシン言語として登録する事で、有線を介した非手動操作によって疑似的にサイコミュ的な挙動を再現することが可能になっている。


低出力のビームガンを内蔵したインコム主端末の形状は、小型の円柱状が一般的である。この内部にワイヤーおよびリレーインコムが巻かれ、収納されている。

MS本体から射出されたインコムは、ワイヤーを繰り出しながら展開し、一定の長さまでワイヤーが身長した時点でリレーインコム(小型の変節点となるおもり)をリリース。このリレー部から、インコム本体が本体ベクトルを変えてさらに伸長する事で、敵機の死角まで展開し、ビームガンで攻撃を加える。

ワイヤーはあくまでインコムの位置変更・制御用のため、エネルギーサプライ機能は有しておらず、ビームの射撃用エネルギーはインコム主端末が有するエネルギーCAPによって賄われている(低威力のビームガンしか搭載できないのは、このエネルギーCAP容量限界も原因となっている)。このため、射撃を終える(3射程度が限界とされる)と、ワイヤーを巻き取る事でインコムを本体に拐取・収納し、エネルギーを再チャージする必要がある。


使い手を選ばないという点でファンネル最大の問題である『適応者の絶対的な不足』を解決しているが、有線である故にファンネルほど端末の自由度は高くなく、コンピューター制御の限界により機動は単純二次元的なものが限界である。また、ニュータイプ専用機程では無いにしても、やはり搭載MSは高コスト化を免れない。


インコムを初めて実戦で使用したMSは、同システムを研究した地球連邦軍北米オーガスタ研究所で開発されたガンダムMK-Ⅴとされている(その前身となるガンダムMk-Ⅳにも搭載はされていたとされ、また量産型サイコガンダムにも搭載のデータがあるが、実戦運用されたかどうかは不明)。

本機は、超高コスト機Sガンダムの量産型であるネロを数分で9機撃墜するなど、抜群な戦果を上げたが、制御系が極めて複雑なため、専用スタッフを擁していなかったニューディサイズおよび月面都市整備拠点では、連続出撃後のメンテナンスが不可能であり、Ex-Sガンダムとの決戦時には最早不調が限界に達してしまったなど、稼働率の維持が困難であるという欠点も見せた。

また当然であるが、小型端末ゆえに物理的耐久性は皆無であり、上述の二次元的挙動は熟練パイロットにとっては見切るのも難しい事ではないため、Ex-SガンダムのインコムはガンダムMK-Ⅴが放った散弾によって簡単に撃墜・使用不可とされてしまっている。


ネオ・ジオン軍においては、非ニュータイプが操る有線式のサイコミュ兵器という設計思想においての歴史は古く、ノイエ・ジールゾディ・アックといった大型モビルアーマーに有線クローアームが装備されていた。しかし、MSサイズにその技術を落とし込むのには苦心したようで、ハンマ・ハンマに同様のコンセプトでの有線ビーム砲が装備された(こちらは旧ジオン軍におけるジオングの有線式メガ粒子砲の技術を発展させたものだった)ものの、OSの機能が不十分だったため開発は中断されていた。

しかし、連邦軍からガンダムMk-Ⅴと共にインコム関連の技術がもたらされた結果、同機体を基にした量産型重攻撃MSドーベン・ウルフが完成。ネオ・ジオン軍でもインコムの技術が実用化され、(グレミー・トトの叛乱によって皮肉にも同軍に対して)大きな戦果を上げている。

更に後年には、ハンマ・ハンマの設計思想を受け継いだローゼン・ズールに、同機で難渋していた有線ビーム砲の技術をインコム・システムに置き換えて搭載した結果、サイコジャマーによって敵サイコミュ兵装を無効化した宙域内で、自機のみはオールレンジ攻撃を可能とするなど、非常に高い有効性を発揮した。これにより、ラプラス事変でローゼン・ズールはゼネラル・レビルからの攻撃部隊をインコム主体の戦法で一掃するなど、非常に大きな戦果を挙げている。こうして、連邦由来のインコム・システムは、皮肉にもネオ・ジオンの研究によって完成をみることとなったのである。


しかし連邦軍においても、量産型νガンダムは一般兵用機にインコムを採用。また、ドーベン・ウルフの連邦軍接収機であるシルヴァ・バレトにはインコムの他に、有線式のファンネルも追加されるなど、当該技術は連邦とジオンの間を行き来しながら熟成されていった様子が窺える。


しかしながらファンネル同様、MSの装甲・機動力が大幅に向上した第二期モビルスーツが戦場に投入されて以降、ビーム出力や機動性が敵機の性能に追い付かなくなったことで、インコムは急速に戦場から消えていった。

ニュータイプの幻影を引きずるように開発されたインコムが、ニュータイプの概念が曖昧になった時代には無用の長物と化していたというのは、何とも皮肉な話である。


リフレクターインコム

Ex-Sガンダムの膝部に搭載されている特殊なインコム。

通常のインコムと違い、ビーム砲ではなく小型のIフィールド発生器による反射デバイスを搭載している。このデバイスを有線で制御し、母機から撃ち込まれたビームを反射することでオールレンジ攻撃を行っている。

通常のインコムと異なり、MS本体のビーム兵器(この場合、Ex-Sガンダムが全身に装備した高出力メガ粒子砲)を反射して攻撃するため、絶大な出力のメガ粒子砲によるオールレンジ攻撃を可能とした

ただし、射出したインコムと母機、敵機の位置を把握するのみならず、ビーム反射が適正な角度となるよう同時計算する必要があり、搭載機のコンピューターに極めて高度な演算能力を要求するため、Ex-Sガンダム以外のMSに搭載されることはなかった。

同攻撃システムは、後にビットの一種・リフレクタービットに発展し、大型ニュータイプ専用MSサイコガンダムMk-Ⅱや、サイコフレーム搭載大型MAシャンブロが運用した。


関連項目

ビット ファンネル


アナザーガンダム

特別な才能を必要としない小型攻撃端末

ドラグーン・システム(第二世代) GNファング

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