「───要塞なら……… また立て直せばいい……… しかし…ここは世界のほぼ中心に位置する島 マリンフォード」
「悪党共の横行を恐れる世界中の人々にとっては ここに我々がいる事に意味があるのだ!!!」
「仁義という名の”正義”は滅びん!!! 軽々しくここを沈めるなどと口にするな 青二才がァ!!!!」
「“正義”は価値観… 世代は越えられない…」
プロフィール
本名 | センゴク |
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CV | 石森達幸(151話 ‐ 512話)→大川透(703話 ‐ ) |
肩書き | 海軍本部元帥(27〜22年前は海軍本部大将)→海軍本部大目付 |
異名 | 仏のセンゴク、智将 |
出身地 | 南の海 |
年齢 | 77歳→79歳 |
誕生日 | 5月9日(セン、5←ゴ、9←ク) |
身長 | 278cm |
星座 | おうし座 |
血液型 | F型 |
好物 | 海軍おかき |
掲げる正義 | 君臨する正義 |
悪魔の実 | ヒトヒトの実 モデル"大仏"(動物系幻獣種) |
覇気 | 覇王色、武装色、見聞色 |
主な部下 | ドンキホーテ・ロシナンテ |
概要
本作の海上治安維持組織「海軍」に所属する軍人で、通称「仏のセンゴク」(この他「智将」)。
海軍本部中将モンキー・D・ガープとつるは同期の間柄で、立場上部下であるガープとも相棒とも呼べる存在だったりした。
本編当初は、全兵を統べる最上級の階級「元帥」であったが、マリンフォード頂上戦争後に一線を退き、以降はかつての上官である世界政府全軍総帥コングの要望もあり「大目付」として籍を残し、新世代の新兵の育成にあたっている。
容姿
巨大なアフロヘアーに三つ編みにした長い顎髭、黒縁の丸眼鏡が特徴の老齢の男性。
本編当初は黒髪であったが、二年後の再登場時にはすべて白髪となっている。
衣装は、元帥であった第1部『超新星篇』では、頭頂部に大きなカモメのオブジェの付いた海軍制帽を被り、白いハイネックジャケットを着用。胸には数々の勲章と大綬をあしらっている。
元帥を退任した第2部『新世界篇』では、制帽を外し、衣装も礼装から半袖のYシャツに短パン、裸足革靴という、まるでバカンスにでも行くようなラフな出で立ちとなっている(それでも背中には海軍の「正義」のコートは変わらず羽織っている)。
性格
一人称は「私(わたし)」(若い頃や感情が高ぶった際は「おれ」)。
任務には私情を一切持ち込まない謹厳実直な性格。
「智将」と異名される通り、海軍の職務においては的確な指示で海兵たちを動かし、間接的ながらも麦わらの一味も幾度となく危機に追いやっている。マリンフォード頂上戦争でも海軍本部の総大将として各部隊に指示を出し、白ひげの進撃とエースの奪還を阻止しようとした。
平和を重んじ、自分たちが絶対的な脅威として存在することで海賊はじめ悪党たちを畏怖させ人々を守る「君臨する正義」を掲げている。
大将だった22年前にはオハラ殲滅に関わっており、そのことに疑問を持ったハグワール・D・サウロが「現場で人の命を取るのはワシらだで、ならばせめてオハラの学者たちが完全な悪だという証拠をくれ!!」と訴えるも「政府を疑う気か……黙って従え!!」と一蹴するなど政府の考え・正義に間違いは無いと考えているかのような言動もあった。
しかし、心の内では「仁義という名の正義」という熱い信念を秘め、頂上戦争の最終盤には黒ひげに対して「仁義という名の”正義”は滅びん!!! 軽々しくここを沈めるなどと口にするな 青二才がァ!!!!」と一喝した場面も。
一方、海軍のトップとして様々な物事を眺めてきたためか、「”正義”は価値観… 世代は越えられない…」と語ることもあった。
市井の人々の安全を第一に考え、一般市民にとって害を及ぼすような指示には例え政府からの命令であっても怒りを露わにする事もある。
ちなみに現在の海軍本部元帥はサカズキ(赤犬)だが、退任直前のセンゴク本人が次期元帥に推薦したのはクザン、つまり青キジだった。
あまりにも苛烈すぎるサカズキに対し、クザンは中将時代から既に「正義なんてのは立場によって形を変える」と述べており、「正義は価値観」と語るセンゴクの価値観との相性が良かった点も少なからず影響しているのだろう。
頭脳だけでなく直接戦闘でも高い実力を誇り、ガープと共に大海賊時代の幕開けより前から海の平和に大きく貢献していた。立場上前線に出る事はほとんど無くなったが、現在でも招集会議で王下七武海と直接相対しても全く動じず、むしろその目の前で「よく来たな 海のクズ共」と言い放つ胆力を持つ。
(後に明らかになったエピソードと、この時にいた面子を考慮すると、この言葉は挑発やジョークでなく、少なからずの本音が含まれていたと思われる。)
元帥時代は、世界的な事件が起こるたびに頭を抱え、深刻な表情を浮かべている事が多かったが、新世界編では重責から解放された反動で、張りつめていた神経が緩んで髪は真っ白(あるいは現役時代は染めていた?)、非常に大らかな性格になり、よく笑うようになった。上述のラフな出で立ちもさることながら、些細なことで笑い転げたり、一般の海兵たちとくだらないことで競り合ったりなどなど、ガープに敗けず劣らぬ奔放な性格となっており、これが彼の本来の性格ということなのかもしれない。
また、ドレスローザでのドンキホーテ・ドフラミンゴの護送においては、サカズキと仲違いを起こし海軍基地の出入り禁止を命じられたイッショウに「一言謝ってみたらどうだ?」と仲直りを促したり(結局意地を張って断られたが)、ルフィはじめ海賊たちの動向に振り回されるサカズキ“元帥”を茶化しに現れたりと、コミカルな立ち回りが目立つようになった。
おかきが好物らしく、2年前は空気を読まずにおかきを勧めるガープを怒鳴りつける事もあったが、新世界編では小脇にかかえた袋からおかきを取り出し、それを食べながら他の海兵と話しているなど、以前のガープを彷彿とさせる姿を見せた。つるからは「おかきオヤジ」などとも呼ばれている。
交友関係
海軍本部中将のモンキー・D・ガープとつるは同期であり、同じく中将だった頃はゴール・D・ロジャーやシキはじめ多くの有名海賊を相手に共闘してきた旧来からの戦友でもある。
ガープとは気質がまるで逆であり、現役時代は事あるごとに自由気ままにふるまうガープを怒鳴りちらす苦労人というある種のお約束的ポジションでもあった。
革命家ドラゴン、海賊麦わらのルフィらを親族とすることから、両名が何かしらで世間を騒がすと「またお前の一族か!」と叱責しているが、大概は笑い飛ばされてしまっていた。
しかし、退任後のセンゴクはむしろガープに寄った性格となっており、ドレスローザで同行したつるからは「大目付は気軽でいい」と半ば呆れられている。因みにセンゴクは元帥時代は彼女を普通に「つる」と呼んでいたが、2年後の再登場時にはガープと同じく「おつるちゃん」と呼んでいる。
また、世界政府軍総帥であるコングはセンゴク以前の時代に海軍元帥を務めた人物であり、彼が元帥退任を決めた際には労いの言葉を送り、司令室にてしばし海軍時代を振り返りながら穏やかな談話を交わしていた。
家族構成は不明ながらドンキホーテ・ロシナンテを息子のように思っており、30年前に彼を引き取って海兵として育て上げた。13年前、ロシナンテが命を落としたことを知った際には一人涙を流した。
その他、動物を連れていることが多く元帥時代は仔ヤギを飼っており、大事な会議の場においても引き連れてきたことすらあった。ドレスローザではゴリラを連れており、一緒におかきを食べたり、背中にまたがったりしている。
戦闘能力
名前 | ヒトヒトの実 モデル“大仏” |
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解説 | 大仏に変身する |
種類 | ゾオン(動物)系幻獣種 |
ヒトヒトの実の幻獣種・大仏に変身できる「大仏人間」。「仏のセンゴク」という異名は何も「仏のように優しい」とかそういう意味ではなく、センゴク本人が本物の「仏」になるのである。
他の動物系と異なり顔立ち自体の変身はさほどないが、体は金色に輝き巨人並の巨体へと膨らみ、全体的に恰幅の良い体型になる。また、アフロヘアーは螺髪のような細かい粒子状に変わっている。アニメ版では更に後光を背負っている描写も。
まだまだ描写が少なく、これ以上の能力の全容は不明。
元帥という役職上しばらく戦闘からは遠ざかっていたため、マリンフォード頂上戦争で初めて変身した姿を見た者も多いという。
基礎戦闘力
戦闘描写が非常に少ないこともあり詳細は不明だが、その巨体を活かした肉弾戦や、掌から発する強力な衝撃波を主たる武器とする様子。
全盛期にはゴール・D・ロジャーや白ひげらと渡り合っていたことからかなりの基礎戦闘力の持ち主であると思われる。
覇気
概要でも紹介した通り、海軍中将以上に位置していたため、当然ながら基本的な2種類の覇気(武装色・見聞色)を修得しているが、他にも覇王色の覇気を会得していたことが『VIVRE CARD~ONEPIECE図鑑~ STARTER SET vol.2』で判明。
覇王色を扱えることが明らかになったキャラは海軍史上初である。
なお衝撃波の正体が何なのかについては今のところ不明だが、仮に能力によるものでないのなら武装色の上位技術の発展型か、覇王色と能力との併せ技といったところなのだろう。
活躍
大海賊時代前、大将時代は海賊王となる前のロジャーを筆頭とする大海賊達を相手に活躍し、ガープと共に大海の平和を守っていた。
24年前のロジャー出頭後には、本部に単独で襲来した金獅子のシキをガープと共に海軍本部を半壊させながらも捕らえることに成功し、彼をインペルダウンに投獄した。
22年前にはオハラ殲滅のためのバスターコールにも関わっているなど、世界政府の闇にも精通している。
また、ドフラミンゴの実弟ロシナンテを拾って海兵として育て上げ、ロシナンテの言葉もあって、彼をドフラミンゴ率いるドンキホーテ海賊団にスパイとして送り込んだ。
マリンフォード頂上戦争では海軍側の最高司令官として指揮を執った。終盤ではマリンフォードを沈めようとする黒ひげと激突。仲裁に現れたシャンクスの停戦の申し出を受け取り、戦争を終結させた。
終戦後は、エドワード・ニューゲートの死や、海賊の増加に対して正義に徹底的な姿勢を求める将校が増えたことなどを通じて世代の交代を感じたのか、元帥の職を辞し、ガープと共に後身の指導をすることになった。
2年後編では元帥の座をサカズキに譲り退役し大目付に就任した事が判明している。また原作に先駆け、2012年12月15日公開の劇場版"Z"に登場し、そこで総白髪になった2年後の姿が始めて明かされた(責務から解放されたため一気に老けたらしいが、元気ではある)。
ドンキホーテ・ドフラミンゴがルフィに倒された後、ドレスローザに同期のつるともにドフラミンゴ捕縛の為に向かう。イッショウとサカズキのやり取りやその後のイッショウの対応を聞いた時は大爆笑。ついでに「私が元帥じゃなくてよかった」とかこぼしている。
この時、ロシナンテを語り合える唯一の人物トラファルガー・ローとわずかな時間を共にする。
ロシナンテの最期の行動の理由と事件の真相を確かめたほか、自分がDの一族であると明かした上でロシナンテが望むDの生き方が分からず思い悩み、Dの真相について追及してきたローに対し、Dについては言及を避けながらもロシナンテの愛はローがDの一族であることに関係ないと語り「受けた愛に理由などつけるな!!!」と一喝した。その上でローを捕まえようとはせず、二人の間でロシナンテのことを忘れないでいることを誓った。
麦わらの一味がドレスローザを出航した後はドフラミンゴの護送に従事する。その道中、イッショウから「麦わらとローの首を獲るまで基地に入れないから護送後は旅に出る」と聞き、その頑固さに難色を示しながらも「一言謝ればサカズキも面子が立つだろう」と助言したが「自分にも面子がある」ときっぱり拒否され、呆れ果てた。
その後、ドフラミンゴ奪還のために襲撃してきた百獣海賊団のジャックをイッショウ、つると共に迎撃し、軍艦2隻を沈められたものの返り討ちにした。
現役を退いた後も実力は健在の様子で、敵の船員からも(イッショウ、つるの存在も含め)「メンツがやば過ぎる。国でも滅ぼしに行くのか?」と評されていた。
世界会議編でも登場。言う事を聞かない部下や融通が利かない部下に悩まされるサカズキに「大変だろう?『元帥』…」と言うなど、苦労がなくなったことで生き生きしている。
そして、それに対してブチ切れたサカズキが「黙っときんさいや!!半隠居人がァ!!!」と激甚しながらツッコんでいる様は、現役時代のセンゴクとガープを思わせるやり取りとなっている。
余談
- 山口勝平氏
ウソップ役の山口勝平氏はセンゴクの事がお気に入りの様子。
- 家族
頂上戦争でガープが家族への情から後れを取り、ルフィに殴り倒される様子を見た際に「お前"も"人の親だ」と呆れとも同情ともとれる言葉を述べていたが、ロシナンテの存在によってセンゴクもまた「人の親」であったことが明らかになった。そして本来であれば海兵の責務として取り締まらなければならないはずのローを、息子であるロシナンテの心情を思いやって見逃したあたり、本質的な部分でガープとは似た者同士であると言える。
また、世界最悪クラスの犯罪者の息子であるエースとルフィ、元天竜人のロシナンテという、作中世界の一般人にとっては忌避の対象となる出自を持つ子供の保護者になったという点もガープとは共通している。もっとも、センゴクはロシナンテを立派な海兵に育て上げたのに対し、ガープはエースとルフィに海兵になってほしいと望んだものの結局真逆の存在である海賊になられてしまったことを考えると、対照的とも言えるのだが……。