学院時代からの決まりでね。
私を傷んだ赤色と呼んだ者は、例外なくブチ殺している
プロフィール
身長 | 165cm |
---|---|
体重 | 52kg |
誕生日 | 8月8日 |
好きなもの | 創るひと |
嫌いなもの | 壊すひと |
決戦の日 | 雪の旧校舎 |
魔術系統 | ルーン、人体工学、建築魔術全般 |
魔術回路 | 質:EX / 量:B+ / 構成:正常 |
CV | 本田貴子(劇場版) / 井上喜久子(ドラマCD) |
概要
『空の境界』に登場する人形師の魔術師。魔法使い蒼崎青子の姉。
建築デザイン事務所『伽藍の堂』社長。人形作家としての顔も持つ。
『空の境界』における世界観、用語の説明などは主に彼女の口から語られる。物語の案内人にして部外者。
メインキャラとして作品に直接登場するのは『空の境界』『魔法使いの夜』だけだが、『月姫』や他の『Fateシリーズ』でも彼女の存在は語られている。
妹同様に導き手としての魔術師として色々な作品に名が語られている存在。実は皆勤賞…?
性格
眼鏡による視界の有無によって性格を切り替えている。
『眼鏡をかけている』時は主観的で人情家。『眼鏡を外している』時は客観的で冷酷。
どちらが作為的でない蒼崎橙子か自分でも分からない。しかしどちらに置いても、根はロマンチストである。
美少年を囲っていたらしいが、本気の恋慕はしたことが無いらしい。
お気に入りの魔眼殺しを強奪された腹いせに、妹名義で魔術協会から金を引き出して買い物にいそしんでいたり、新しいもの好きで興味があるものをいじりまわしてはしゃいだりするという子供らしさを残した大人の女性。曰く、『オトナになるんだ橙子っ』(月姫読本より)
昔はやんちゃで、盗んだバイクをルーンで爆破していたらしい。スピード狂。ヘビースモーカー。
『傷んだ赤色』と呼ばれるのを嫌い、呼んだ奴は例外なくブチ殺しているらしい。
自分の名前が嫌いなわりに、必ず一つは橙色の装飾品を身につける習性がある。
容姿
妹に比べ、くすんだ赤色のセミロングのポニーテールに琥珀の瞳。スーツを着込んでいることが多いらしい。
劇場版アニメではどう見てもくすんだ赤色であるが、黒壇の髪を腰より下まで伸ばし…と小説では描写されていた。しばしば小説中では美少女であった、美女であるということが強調されている。
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿では橙色の髪をしている。
ちなみに明るい青いショートカットのキャラクターデザインも存在する。
その際の胸は小振り。講談社ノベルス版『空の境界』に付いていたしおりのイラストや『Fate/EXTRA』にて、この見た目でキャラクターデザインがされている。
ちなみに『Fate/EXTRA』には青子も一緒にゲスト登場している。
姉妹仲
悪いを通り越して最悪。本人曰く、殺し合いほどの姉妹喧嘩を繰り広げるらしい。
だが、『魔法使いの夜』開始前の時点では凄く妹思いの姉だったようだ。
(空の境界でも自分の許した相手に対してはかなり甘い節がある。)
『Fate/EXTRA』では文字通り顔を付き合わせているのに何故か喧嘩に発展していない。
奈須きのこ描き下ろし小説『2015年の時計塔』でも殺し合いはせず。
後継者争い等のいざこざが決裂の発端とのことだが、本来は共に仲の良い姉妹だったのだろうか?
姉妹そろって焼肉屋の大食い記録を打ち立てている。
能力
『自分と何一つ変わらない人形』を製作したことで、最高位の人形師として封印指定を受けた魔術師(ロード・エルメロイⅡ世の事件簿では封印指定が解除されている)。また、衰退した魔術基盤であるルーンを復刻したのも彼女である。
魔術師としての腕前はトップランク。妹とは正反対に攻撃面以外の魔術は一流といった秀才。
その実力を認めた魔術協会から最高位の魔術師の称号として歴史的にも殆ど存在しない『冠位(グランド)』の座を授けられている。同時に送られる色の称号は『青』を希望していたものの、青どころか三原色の『赤』にも届かず、それに近い『橙』を得たが、それを皮肉られてつけられた渾名の『傷んだ赤色(スカー・レッド)』を異常に嫌っており、彼女の眼前でそう呼んだ者は例外なく殺されている。
『魔術師が最強である必要はなく、最強のものを作り出せばよい』というアトラスの錬金術師と同一な考えを持つ為、本人自体の戦闘能力は低い。純粋な戦闘能力は鮮花以下らしい。
基本的にはルーンによる魔術と使い魔の使役によって攻撃を行う。
が、直接的な魔力を纏う魔術師には間接的な魔力の働きが阻害されるため、遠隔でルーンを刻む方法は見込めない。結果として戦闘では敵魔術師以外の場所に刻んで起爆させる、魔術工房に迎撃術式として組み込むなどの使い方になる。
また、伽藍の洞では死体に憑依した霊を焼却しきれなかった。これは使用したルーンがケイナズ(炎)ではなくアンサズ(神秘)であり、神秘を焼く炎では実体を持つ相手には火力不足だったためと思われる。
(事件簿によると、アンサズは術者が認識する神によって変容する性質を持つ。雷の神を意識すると雷が発生し、炎の神を浮かべると炎となる。あえてケイナズではなくアンサズを使うのは、神秘を尊ぶ場合である)
既存のルーンを復刻するだけでなく、魔力に反応して形を取り戻す『形状記憶ルーン』のような魔術協会にも特許申請をしていない未知の技術や、作成を意味するルーンにルーン文字を創らせる技術も有している。挙句の果てに、原初のルーンも復刻している。
使役する使い魔は基本的に彼女のお手製。『影絵の魔物』と呼ばれる使い魔は本体が射影機であり、そこから映し出される猫の影は本体を潰さない限り何度でも復活する。高速で疾走するそれは単純な戦闘速度だけでもグレイに匹敵するか上回り、アッドをして「本当に現代の魔術師の作品か」と言わしめるほど。
また空の境界以降、コルネリウス・アルバを捕食した『匣の魔物』は荒耶宗蓮に不意打ちを食らった反省から鞄だけではなく橙子本人の身体からも飛び出すようになり、致命傷を与えた相手に対するカウンターとして使われる。
この怪物には名前がなく正体を突き止めたものもおらず、橙子自身も真実を把握していないのかもしれない代物。判明しているのは、最果てにて輝ける槍に匹敵するのではと思わせる程の、絶望的なまでに壮絶な魔力を纏っていることのみ。
その他、人体模造の魔術が衰退した17世紀以降の時代において唯一、魔術戦に耐えられるオートマタの作成が可能。
理由は不明だが『魔法使いの夜』より、二小節以上の魔術を修得出来ないことが明かされている。
『創る者』にして『使う者』。実は結構何でも作る。月姫やFateシリーズに出てくる『魔眼殺し』は主に彼女の作品。
また彼女の着用しているコートはあらゆる魔術系統の回路を遮断する効果を持つ。ロケット弾の直撃すら跳ね返す防護の障壁を溶解してきた蒼崎青子の魔弾の掃射や、荒耶宗蓮の空間圧縮で即死しなかったのもこれによるもの。
意外だが、魔術回路は並の魔術師の平均の少なめから同程度という辺り。
ただし、魔術回路の質が飛び抜けて高く、『芸術』とまで称されるほど美しい魔術回路の持ち主らしい。
こいつより少ないのに秀才とはさすがというべきか。
先天的な魅了の魔眼持ちであるが、橙子自身によって改造が施されたそれは積重魔眼と称される。しかし、その描写は作品ごとに微妙に異なる。
魔法使いの夜では、魔眼の中に魔眼を造ることによって合わせ鏡の要領で効果を無限に増幅するものとして描写される。魔眼は短銃であり、大砲である詠唱術式には火力で敵わないという定石を力ずくで破壊しており、「小銃が弱いのなら、数を用意する。9ミリの弾丸では要塞を壊せないのなら、壊せるだけの数を叩きつけてご覧にいれよう」とあるように、机上の空論とはいえ理屈の上では「無限」であり、魔力量では決して上回れない以上、魔力で抵抗することは無意味である。
一度囚われてしまえば、相手は橙子が眼を閉じるまで動けず、概念が力を持つ魔術世界においては完璧な兵器であるとされる。
作中では主に久遠寺有珠との戦いで使用。純粋な魔力量と魔眼の質で上回る彼女を追い詰めるほどの猛威を振るった。
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿では、あるサーヴァントとの戦いで使用。こちらでは魔眼の内部に20枚以上のレンズを仮想構築することで、カメラやプロジェクターのように魔眼の精度を飛躍的に高めている。
ノウブルカラーにあたる「強制の魔眼」を圧倒する力を見せたが、マスターに向けられた呪いを固有スキルによって引き寄せられ、そのマスターによって解呪されることで無効化されてしまった。
本人は魔術刻印を継承していない(蒼崎の魔法を継いだのは青子であるため)が、その稀有な能力を狙って襲いかかってきた魔術師を最初は降りかかってきた火の粉を振り払う目的で倒し、その魔術刻印を奪って「所有」している。次第にその収集は趣味となってしまい、身体には刻んでいない(魔術刻印は基本的にその血統にある人間にしか継承できないため)が、使用時には自分の背後に蝶の羽のように展開させて使用する。
本来の担い手ほどの魔術行使はできないが、本来魔術刻印にある発動時の痛みなどのデメリットがないため、普通に有効。なお、刻印を奪った相手は殺さずに自身の時計塔の研究室にある『慰安施設』なるものに軟禁している。この中では食事も娯楽も提供され、中には「死ぬまでここで暮らしたい」というものもいるとか。しかし維持費がばかにならないらしく、いっそ企業でも興すか思い切っていくらかクビにするか悩んでいるらしい。(まほよ時点での話であり、そうして作られた会社が後の伽藍の堂であると思われる)
なお、この行為にはあまり意味がなく、橙子ほどの人形師ならば刻印を下地にして本来の持ち主以上に強力な人形を作れる上、その方が効率が良い。なのに自分用に加工して背後の空間に固定するなどという手間のかかることをしているのは、橙子がこれと決めたらそれしか目に入らない『過程より結果』の人だからである。
自分の人形にガンド撃ちで目に見える傷跡を出せる機能を付けたいという理由で、同じ効果ならゲマトリア一節分の詠唱で出せるところをあくまで呪術にこだわるのもその表れ。
最も魔術に冴えがあったのは公園にソウェル(太陽)のルーンを敷き詰め、ひとつの土地から夜という属性そのものを奪い取ったころであり、ロード・エルメロイⅡ世の事件簿の頃にはいささか磨き直したとはいえ、何人かの旧友が生きていれば「堕落したな」と嘆息するだろうとされる。
超能力といった魔術とは異なる異能にも知識があり医学など様々な学問に精通している。
時計塔に学生として在籍してた頃はイノライ・バリュエレータ・アトロホルムに師事していた。
関連人物
身内
自分を差し置いて「青」を継承した不肖の妹。先述のように仲は最悪。
空の境界
退魔の血を継ぐ根源接続者にして魔眼保有者。外見・性格共にお気に入りの少女。
とある事件で左腕を失った際には霊体を掴める義手を提供した。
事務所の助手。魔術師としての弟子ではないが身内認定。
人形展で彼女の作品を気に入り、人避けの結界があるにも関わらず伽藍の堂を探し当て就職した。
部分的な魔術の弟子。黒桐幹也の妹ではあるが、初対面では気がつかなかった。
かつての学友。
かつての学友。彼からは羨望と嫉妬がない交ぜになった劣等感と殺意を向けられていた。
しかし、橙子本人はそれに気づいていて自分が生きている証しとしていた。
最後には傷んだ赤色と発言したことで引導を渡した。
魔法使いの夜
対青子&有珠対策として髪を代償に契約した最古の人狼。
青子以上の知己でありお気に入りの魔女。仲は悪くないが本気で殺しあえる関係。
Fateシリーズ
時計塔におけるロードのひとり。かつての師。封印指定に推薦した張本人だが、互いに当然のことと受け止め、恨みも悪びれもしていない。
直接的な登場はないが、とあるルートのエンディングにて士郎は彼女の中古人形と思しきシロモノを使用している。
腕を失った彼のために義手を提供した。
アニメ版「Fate/Apocrypha」にて、愛飲している煙草の銘柄が燈子と同じことが判明。
名前に言及しているわけではないが、屍山血河舞台下総国のストーリー内にて「眼鏡を掛けた人形師さんに聞いた話」という台詞がある。
直接的な関係はないが、現界における「楔」の代用や第二部におけるスペアボディの技術など、橙子の人形を彷彿とさせる描写がいくつかある。
イゼルマの一件で遭遇した時計塔のロード。才能も実力も大したことがないが発想力や知識、考え方は橙子も認めるものがあった。
イゼルマの事件で戦ったエルメロイ教室の問題児コンビ。橙子も手を焼く実力をもっていた。
特にフラットは異端の天才ともいうべき彼女から見ても鬼才というべき才覚の持ち主だった。
武蔵ちゃんと同じく名前に言及しているわけではないが、徳川廻天迷宮 大奥のストーリー内にて「自らと寸分違わぬ人形を創れる冠位の人形師がいる、というお話も聞いたことがあります」と言っている。余談だが、シェヘラザードのCVはドラマCD版と同じ、井上喜久子である。
彼女の前で「傷んだ赤色」と口にした一人。何度も殺した挙句、自分も人形の体を壊された。文字通りの殺し合いをした末に妹の仲裁もあり(その際フランチェスカは妹の方ともひと揉め合った模様)、「二度とその魔術回路を見せるな」と絶縁。現状(判明してる内で)唯一彼女本人の前で例の異名を口にし生きている存在。
現代魔術科の元学部長であり、現代魔術科の本拠地スラーの地下で遭遇した魔術師。学生時代は現代魔術科との接触がほとんどなかったことが今になって悔やまれる、と語った。ハートレスの方も双貌塔イゼルマでの出来事を監視していたらしく、冠位魔術師の冴えを見られたのはまたとない光栄でした、と語っている。
ハートレスのサーヴァント。現代のそれとは次元違いの神代の魔術を操りながら、「術式の巧みさで言えば私よりよほど上」「お前は我が王に推挙していいほどの魔術師」と最大級の賛辞を送っている。
戦いはハートレスと彼女が撤退することで幕を下ろしたが、新たな隠し玉を出し切られる前に離脱できて幸運だったと語るハートレスに「まだどれだけの手を隠し持っているかすら想像できん」「こちらの目的はあんなのを撃退することじゃない」と同意した。
関連イラスト
関連タグ
TYPE-MOON 空の境界 魔法使いの夜 Fate/EXTRA