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スペースビーストの編集履歴

2021-12-01 00:24:25 バージョン

スペースビースト

いせいじゅう

『ウルトラマンネクサス』に登場する怪獣…否、悪魔である。

概要

宇宙から飛来したとされる青い発光体「ビースト因子」が、他の生物に取り憑くことで誕生する謎の生物群。「異生獣」とも呼ばれる。


見た目は総じてグロテスクの一言に尽き、見た者の恐怖や嫌悪感をとにかく煽り立てる醜悪さが特徴。

これまでもこのような醜い外見の怪獣はある程度確認されているが、こいつらに比べれば可愛いものである。


人類はおろかそれ以外の生物との相互理解も共存も不可能とされる、シリーズ全体を見渡しても異例のカテゴリー。

『ネクサス』が新たなウルトラマン像を確立させるコンセプトのもとに作られたため、また前作との差別化との意味も込めて、共存不可能な絶対的な敵対者とされる。


ネーミングは「○○タイプビースト」という二つ名に5文字の名前で統一されている。また、同種の別個体や複数の形態を有するビーストなどは「グローラー」「ブルード」「クライン」など、特徴を表す単語が付け足され区別される。


生態

全ての個体が、身体からウルトラマンのものとは真逆の波長を持つ特殊な波動「ビースト振動波」を発する。

種族全体がこの振動波のネットワークで絶えず情報交換を行っているため、学習能力の発達や能力の進化が恐ろしく速い。

生命力も尋常ではなく、際限なく増殖する種や、粉々に爆砕されても復活する種も多い。おまけにそれぞれが固有の能力を持つことも多いため、ウルトラマンやナイトレイダーを苦しめる頻度も高く、種数こそ少ないものの色々な意味で強敵として印象深い。


肝心の成長の糧は捕食であり、特に人間などの高度な知性体を好む。

しかし、捕食の真の目的は肉体的な成長ではなく、知性体の恐怖の感情そのものを食らう事である。

ビーストへの恐怖は次々に新たなビーストを呼び、最終的にはビーストの大発生により人類滅亡──それがTLTが想定する最低最悪の終末シナリオである。


ダークザギを始めとするウルティノイドは、この肉の悪魔たちを使役する能力を有している。


来歴

その正体は、かつてM80さそり座球状星団からやって来た“来訪者”の星を滅ぼす要因となった宇宙生物であり、高度な知性を持った生命体に生じる恐怖がビースト振動波=Χ(カイ)ニュートリノと結合する事によって発生する「Χ獣(かいじゅう)」である。


正体や出自について判明していることはこれだけであり、ビーストがいつ、どこで、どのようにして誕生したのかについては一切が謎に包まれている(劇中では「天然のビースト」というものはほとんど登場しておらず、その点がより謎を深めている)。

上記のように、知的生命体の天敵とも呼べる特性を数多く有していることから、何者かが知的生命体を滅ぼすために作り上げた生体兵器なのではないかという説もある。


来訪者の母星はビーストの攻撃で危機に瀕したものの、伝説の光の巨人によって一度は救われた。しかし、来訪者がノアを基に生みだした対ビースト用決戦兵器「ウルティノイド・ザギ(後のダークザギ)」の存在に引き寄せられるかのようにビーストは再来。そしてあろうことか自我を得て暴走したザギがビーストを増殖・進化させる能力を獲得したせいで完全に手に負えなくなってしまい、最後の最後の手段である母星爆破を決行した。ビーストは母星諸共消滅したかに思われたが、ザギの手で光量子情報体「Χニュートリノ」となって生き延び、爆発の勢いに乗って宇宙中に拡散し、やがて地球へと飛来した。


『ネクサス』の前日譚である映画『ULTRAMAN』に登場したビースト・ザ・ワンは、地球で確認されたスペースビーストの第1号である。ザ・ワンは弱体化していたノア=ザ・ネクストに敗れたが、飛び散った細胞が全世界に拡散して地球上の様々な生物に取り憑いた事で、かなりの数のビーストが誕生して闇夜を跋扈するようになり、物語は5年後のTVシリーズ本編へと続いていく。


当初は来訪者が発生させたポテンシャルバリアによって、人の多い都市部に侵入する事はできなかったが、来訪者がポテンシャルバリアを維持するのが難しいほど大幅に衰弱してしまったことで、アンノウンハンドの力によって都市部にも出現するようになった。


最終話にて首魁であったダークザギが倒された事に加え、ビーストの記憶を吸収するレーテを失った人間たちが、恐怖を消すのではなく真っ向から恐怖に立ち向かう方向へとシフトした事で、勢力は大幅な減衰を見る事となったが、出現自体は続いているようで、世間一般に認知され、強化されたTLTによって引き続き駆除が行われている。


その他

先述の通り、劇中で登場したスペースビーストはネクストによって倒されたザ・ワンの細胞から生まれたものだが、親同様に倒しても細胞一つでも残っていると増殖・再生して復活、ないし別のビーストとして新生する場合があり、完全に殺すのは困難を極める。

故にネクサスは身を削ってメタフィールドを展開したり、エネルギーを大幅に消耗するオーバーレイ・シュトローム等の必殺技で細胞を分子レベルで完全消滅させることを強いられ、TLTも戦闘後に専門の部署がビースト細胞を全て回収し、出現地を念入りに消毒するなどの対処を行っている。

ただし、劇中にて自力で再生したのは再生器官を持っていたノスフェルのみであり、基本的にはウルティノイドの働きかけによって復活する。そのため、シュトロームソードで抹殺されたはずのガルベロスがイズマエルの素体になるなど、これらも効果的な方法であるとは言い難い。

さらに言えば、後年の作品では基本的に復活しないことが多い。


メモリーポリスがビーストを目撃した人々の記憶を消すのにはビーストの大量発生を防止する意味合いもある。そのうえポテンシャルバリアの影響で都市部に出現できなかった事もあり、ビーストの存在は公には知られていなかった(ただしメモリーポリスの存在と混ざった『怪物バンニップ』の都市伝説としてひそやかに語られてはいた)。

しかし、記憶を消すという方法はビーストたちの出現率を減らすには有効な手段ではあるが、上記のように人々が恐怖を自覚し、闇に立ち向かう勇気を得て恐怖を乗り越える事ができれば、記憶を消さなくともビーストの発生を抑制することが可能であるらしく、後にスタッフのインタビューにて、その事実が最ビーストおよびTLTの存在を公表する切っ掛けになった事が明かされている。


一方、レーテの内部にはビースト因子を対消滅させる「抗体」とも呼べる因子が偶発的に発生しており、レーテに人々の恐怖心を溜め込んでいたのは、この「抗体」の発生メカニズムを解明する為でもあった。

しかし、その研究が完成する前にレーテは崩壊し、来訪者も全滅してしまったため、「抗体」に関しては完全なロストテクノロジーになってしまった模様。


他作品への客演

ギャラクシークライシスダークスパークウォーズエックス謎の発光生命体の戦いの末に発生したウルトラフレア等の要因によって生じた時空の歪みを通して、本来存在していたネクサスの舞台となる次元から、M78スペースや『ギンガ』、『X』の世界などの別次元にも飛ばされた個体が何体か登場しており、文字通りの侵略的外来種として現在も移動先の次元に被害をもたらし続けている。あまりに凶悪な性質故か、その悪名は並行世界にも広く知れ渡っているらしく、別次元の戦士であるエックスもその存在を認知していた。

ただし『大怪獣バトル』ではレイオニクスに手懐けられていた個体がいたり、『ギンガ』の世界では固有の意思を持たないスパークドールズになって登場しているため、怪獣を使役する能力を介することでウルティノイド以外の知的生命体がビーストを味方にする事もできるようである。


小林泰三の小説『ウルトラマンF』では、イデ隊員がザ・ワンの細胞を調査し、「他の生物の細胞を取り込み、分解するとともにコピーを生産し、必要な部分だけを遺伝子に取り込む」生体的システムを持つと分析している。また、この特性故にビースト細胞そのものの実態は不明だったため、イデはこの細胞に「影」という仮称をつけようとしていた。その特性と仮称は、同作者のオリジナル作品に登場する敵対勢力と酷似しているのだが……?


ビースト一覧

ゼロ

ビースト・ザ・ワン


ペドレオン(ブロブタイプ/形のはっきりしないもの=ナメクジなどの軟体生物)

ビーセクタ(インセクトタイプ/昆虫イナゴのような羽虫)

バグバズン(インセクトタイプ/昆虫=コガネムシのような甲虫

ガルベロス(フィンディッシュタイプ/悪魔的なもの=などの動物の複合体)

ダークガルベロス(フィンディッシュタイプ/悪魔的なもの ガルベロスの亜種

ラフレイア(ブルームタイプ/

ノスフェル(フィンディッシュタイプ/悪魔的なもの=ネズミといったげっ歯類のような動物)

ビーストヒューマン

アラクネア(インセクティボラタイプ/食虫動物=モグラトガリネズミのような動物)

フログロス(アンフィビアタイプ/両生類カエルのような動物)

ゴルゴレム(インビジブルタイプ/目に見えない)

クトゥーラ(フィンディッシュタイプ/悪魔的なもの)

グランテラ(クラスティシアンタイプ/甲殻類サソリのような

バンピーラ(アースロポッドタイプ/節足動物蜘蛛

リザリアス(レプタイルタイプ/爬虫類トカゲに似た動物)

メガフラシ(ノーチラスタイプ/オウムガイ

イズマエル(フィンディッシュタイプ/悪魔的な=今までの全てのビーストの姿)

バグバズングローラー

バグバズンブルード


これら以外にもEpisode12、16で登場した人間に憑りつき、宿主の怒りや憎しみの感情を喰らい、幻覚を見せる不定形のスペースビーストが存在している。溝呂木の命でその一部を孤門に憑りつかせ、幻覚を見せて彼を闇に引きずり込もうとしたが、Episode12では姫矢のブラストショットで除去され、Episode16では孤門が闇を克服した際に発せられた光に呑み込まれて消滅した。


余談

前作『コスモス』や従来のシリーズに散見された一部のウルトラ怪獣とは対照的に、全てが相互理解不可能な存在で、すべからく排除べき対象である。一応感情のようなものも持っているようだが、『X』での客演時にガオディクションで解析された際は「攻撃」と「捕食」の感情しか検知できず、基本的に怪獣との共存を模索する同組織においても真っ先に駆除対象として殲滅が図られたほどである。

実際、『ネクサス』本編においても、黒幕の思惑もあるとはいえ人類側と歩み寄れるような進化を遂げた個体は一切おらず、仮に心があったとしても、その精神性は人類とは完全に相容れないものである可能性が極めて高い。

また、食料として知的生命体の恐怖を必要とする「知的生命体の天敵」とも言うべき本質は無視できるものではなく、この点においても他の怪獣とは一線を画した存在となっている。


こうしたコンセプトのため、どの個体も醜悪な怪物としてのデザインと悪役的キャラクター性が強調されているが、一部ではそのデザイン故に番組の寿命を縮めたとも言われている。


また、これまでにも『A』のヤプールや『ガイア』の根源的破滅招来体のように「シリーズを通しての敵」というものは存在してきたが、今作ではそれらとは無関係な怪獣(上記2者からそれぞれ例を挙げれば、前者は番組後半の超獣や宇宙人、後者は地球怪獣など)が一切登場せず、登場したのはダークザギ等の闇の巨人とスペースビーストのみである。

強いて言えば、『ウルトラマンレオ』の番組後半から登場した円盤生物は、シリーズを通して最終話まで登場し続け、ウルトラマンを精神的に追い詰める戦略を多用した点でスペースビーストに近い存在である。


『ULTRAMAN』制作時およびネクサス当初は、ザ・ワンとウルトラマンが対をなすという設定があったため、立ち位置や設定がもう少し異なる存在であった可能性がある。更に、ビーストの集大成としてイズマエルの代わりにダークルシフェルというキャラクターが存在する予定だった模様。


ちなみに、全ての生態系の敵という事実が強調されているビーストだが、皮肉なことにそのスーツの改造元はウルトラマンコスモスに登場した怪獣だったりする。


『ネクサス』は全編低予算で制作されており、様々な経費を節約して経理の正常化を目指したものの、このスペースビーストの着ぐるみ製作には従来の倍以上の予算をつぎ込んだことで結局大赤字になってしまったという本末転倒なエピソードがある。


関連タグ

ウルトラマン ウルトラマンネクサス ULTRAMAN(映画)

エイリアン

円盤生物…昭和ウルトラシリーズにおける似たようなもの

ヤプール裏設定では、彼ら亡き後に登場する超獣は一部を除いてヤプールの細胞辺から誕生した個体らしい。

ウーラー…醜悪なデザインのウルトラ怪獣繋がり。

シャドウ(怪獣娘)…人類との共存が不可能な敵対勢力であり、「ビースト」と呼ばれる個体群がいることが共通している。

グロンギ…こちらも人類とは相容れない存在

アマゾン…仮面ライダーシリーズにおける同等の存在。ただしこちらは人食いを望まない者もいる。

キメラアント 邪神イリス アパロイド…こちらも他の生物を取り込んで成長する。

宇宙怪獣(トップをねらえ)…ある意味同族と言える。

ペニーワイズ…こちらもある意味で同類ともいえる。

新条アカネ…劇中の言動が原因でネット上でスペースビーストの擬人化と渾名を付けられた。

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