概要
へそ(おへそ)は、人を含め哺乳類に属する動物の腹部にある窪み、あるいは突起物。「ほぞ」「臍窩(さいか)」などとも呼ばれる。人体のほぼ中心に位置することから何かの中心部を差す際に「○○のへそ」と形容されることがある。
なお、人間以外の哺乳類ではそれほど顕著には見られず、形としても窪んでいるものより飛び出している場合が人間よりも多い。
大雑把に言うとへその奥にある少し飛び出た部分は「臍乳頭」と呼ばれることもある。
元は胎内で母体と胎児を繋ぐへその緒(臍帯)の連結部で、体内での胎児の栄養の受取口。胎児の時点ではへその緒を繋ぐ部分は「臍輪」と呼ばれ、これが後にへその縁の部分となる。
出産の際にへその緒から短く切り離され、後退することで凹んでいく(ちなみに、先天的なでべそはこの切断のときに緒を長めに切除した際に出来る…と誤解されがちだが、実際は皮下の瘢痕組織が大きすぎて成長の過程などで臍輪が閉じた影響でへそがはみ出してしまったり、逆に臍輪の閉じ方が緩くて腸がはみ出してしまったりすることが原因とされる。詳細は個別タグを参照)。
「へその穴」と称されることもあるが人間が生まれた後には基本的に無用の長物であり、人体の他の穴達と違い粘膜も生体機能もなく体内の何処にも繋がっていない為に、あくまで「穴」ではなく「窪み」に過ぎない。
ただし、「尿膜管遺残症」という病気のせいで出生・成長後もへそと膀胱が繋がったままになってしまい、手術が必要になる場合もある。
一般的にはへその位置は男女によって異なるとされ、女性のへそはくびれより下で、男性のへそはほぼくびれの高さに存在する。
故に、へその位置を見れば男の娘を見分けられるとも言われている(が、かなりごく稀な例だがへそが女性的な位置にある男性もおり、更には肋骨を排除するなどしてくびれや個人等を誤魔化す者もいる)。
へその形についても男女においてある程度の傾向が存在しており、大人の女性の場合は縦長で深く、成人男性の場合は横長で浅く、子供のへそは丸くて浅めであるとも言われることもある。
ただ、これらの傾向もあくまで一例に過ぎず、へその形は腹筋や脂肪・骨格・生まれ付きの腹圧の強さ…等によって左右されやすいのであり、必ずしもこの例全てに当てはまるものではない。上記の男女別の特徴も、「女性は筋肉の上に付く脂肪である皮下脂肪が多い為深くなりやすい」「男性は筋肉の下に付く脂肪である内臓脂肪が多い為浅くなりやすい」という体質によるものに過ぎず、実の所は個人によって多種多様な形が存在するのだ。
その為、例えDNAがほぼ完全に一致している一卵性双生児の双子であっても、へその形まで完全に一致することはほぼほぼないとされる。
形が後天的に変わることもそれなりにあり、その場合は成長による身体付きの変化は勿論、筋トレ・ダイエットなどによる影響、逆に上記のような脂肪の増加や肥満、妊娠によってお腹の皮膚が伸びてしまう…等が考えられる。
しかし、残念ながら生まれ付きの体質により「どれだけ体型を変えても縦へそなどの理想の形にはなれず、整形に頼るしかない」と言った場合も中にはある。特に、韓国等ではへその縦長整形は一般的である。
ただし二次元、特に版権作品においては個人によって形を描き分けられることはほとんどなく、上記のように『女性が縦型で男性は横型』として描かれていたり逆に性別で区別せず丸型や縦型、ただの縦線で統一されていることも多い。中には成長による体型の変化も気にせず幼女やロリなどの第二次性徴期前の幼いキャラでもへそが縦向きや縦線のように描かれていることも少なくない。
また、例え話として有名な物で、子供にお腹を出しておなかを冷やすことを諌めるために「おへそを出してると雷様におへそを取られるぞ」というのは、誰もが一度は聞くものである。
他にも日本の慣用句においては「へそ」を用いた物がいくつか存在する。
- へそ曲がり
ひねくれた人間やその様子を表す。ひん曲がった性格を「本来中心にあるはずのへそがズレている」と表現したのが由来。
おかしくてたまらず、大笑いすること。江戸時代ではへそを出す服装が一般的ではなかった為へそが見えるてる様子を茶化す→へそを茶化す→へそで茶を沸かすに変化した説や、笑いすぎてお腹の皮がよじれた時の様子が茶釜の湯が沸騰して湧き上がってくる様子に似ていることが由来とされる。
- 臍(ほぞ)を噛む
自分では自分自身の臍は噛めないように悔しがること。本来の意味としては「後になってになってどんなに悔やんでもしょうがない」と言うものである。
- 臍(ほぞ)を固める
固く決心して覚悟を決めること。人が決心する時、腹に力を入れ臍を固くするということが由来。
これらに加えて「誰にも言わずに貯蔵してあるお金」を指した「へそくり」と言う単語もあるが、これは正しくは「綜麻繰り金」と書く為本来は人体の「臍」とは関わりがない。誤用によって臍と結び付けられてしまった物の一つ。この「綜麻」とは、紡いだ麻糸を環状に幾重にも巻きつけた糸巻きのことで、「苧環(おだまき)」ともいう。
その綜麻を繰って貯めたお金を「綜麻繰り金」と言うのがこの単語の由来である。間違ってもへそをクリクリすることではない。
なお、その特殊な成り立ちや「合法的に見られる人体の窪み」という特異性からか、マニアックな性的嗜好(或いは特殊性癖・異常性癖)であるへそフェチ(及び一部の腹フェチ)も一定数存在するとされる。
ファッション
へそを露出するファッションとしてへそ出し(「へそ出しルック」とも言う)が存在する。
通常、現代にファッションにおいてへそ出しは女性が行う物とされることが多い。
(まぁ二次元においては現代日本人男性のキャラクターである『獣戦士ガルキーバ』の主人公・神城桃矢などの例もあるが。へそ出しとはやや異なるが現実でも男性が半裸等の露出の多い格好で結果的にへそが見えるファッションになることもある。)
フィクションにおいてもへそ出しはキャラ付けとして取り入れやすい為か、該当のファッションのキャラクターは数え切れない程存在する。へそ出しの詳しい概要については当該記事を参照。へそ出しキャラクターの一覧はヘソ出しを参照。
他にもへそを見せる気はないが事の流れ(ジャンプをした時、背伸びをした時スポーツをしている時等)で見えてしまうへそチラが存在する。このような状況に出会った場合、へそフェチでなくとも目が釘打けになる者は少なくないようだ。またそれと同時にへそを見られてしまった者がその視線に気付き、恥じらいを感じてしまうこともある。
更にはピッチリとした服装(黒インナーや競泳水着等)や濡れ透け、シースルー等でへそが透けて見える透けへそというシチュも存在する。こちらの場合はへそ出しのように意図的に見せてる場合もあれば、へそチラのように意図せず見えてしまうこともある。
また、(肝心なへそは見えなくなってしまう場合もあるが)へその上部もしくは下部にピアスをするへそピアスもある。こちらの場合はへそ出しをした上でピアスも見せつけるパターンと、普段はへそを隠しておき特定の状況と相手だけに見せる…と言ったパターンがある。
なお、女子の場合ローライズのジーンズではまず考えられないが、パンティストッキング着用の場合に、へそが隠れるまで摺りあげるかが、へそを基準とする女性が大半である。
女子生徒の制服についても同じく、スカートをへそより上を基準に履くことが多い為セーラー服の状態でへそが見えることはほとんどない。
衛生面について
へそに溜まる垢や汚れは『ごま』(もしくはへそのゴマ)と称される。
このゴマが生まれる理由の一つには細菌による影響があるのだが、2012年時点での調査によるとへその中には2368種類の細菌が存在し、そのうち2188種類は10%以下の人のおへそにしか存在せず、更に1458種は新種の可能性がある細菌である、というデータがある。
また、上記のゴマに生息している菌の数は約120万個でありトイレの水に存在する細菌と比較すると約290個の4100倍もの差がある(幸いトイレの水の有害細菌とは違って菌自体はほとんど無害のものであるが)。
このように若干不衛生なイメージのあるへそであるが、実はへそそのものは腋とは異なり汗を分泌しない箇所と言われている(別の場所でかいた汗が流れて溜まることはあるが)。
勿論粘膜が存在せず排泄を行う穴でもない為、へそから発せられる独特の臭いは大体がゴマによるものであることが多い。また、中にはそれに関連して「汗や汚れ、ゴマを貯めることが『人間が生まれた後に与えられたへその役割』である」という変わった説も存在する。
とはいえ、やはり汚れをそのままにしておくのは不衛生であるし、炎症等の病気の原因にもなる。上記のへそ出しや水着などで見せる機会もある為に定期的にケアしておきたいものである。しかし、へその内側は「腹膜」と言い神経が張り巡らせた場所があるため、へそのゴマを取り除きたい場合はむやみに指や耳かき等でほじらずガーゼや綿棒を使うと良い。
タグとして
「おへそ」(またはその表記揺れや類似タグ)がタグとしてイラストに登録される場合、上記のへそ出しファッションやへそチラ・透けへそと言ったシチュエーションに限らず、おへそが見えている物であれば全般的に使われる。また、タグ枠に余裕がある場合は絞り込み機能等を想定してか上記の物と併用されることも。
中には水着姿や下着姿、果ては半裸・全裸と言った衣服を着用していない姿に使われることもある。
イラストの作風においても特に縛られることはなく、決めポーズや戦闘中を描いたかっこいいイラストや等身の高めなかわいいイラスト、逆にデフォルメされたイラスト等から、少し色気のあるセクシーなイラスト、時にはR-18・R-18Gのイラストにまで多岐に渡って使用される。
このような特性がある為に当然ながら登録数はかなり多いのだが、表記揺れで尚且つ使いやすそうなへそよりも登録数が何倍以上にも増えた理由は不明。「お」が付く方がより丁寧で可愛らしい印象があるからであろうか。
余談
英語ではnavelまたはbellybuttonとされ、医学的な用語としてはumbilici・umbilicusと表記される(詳しくはbellybuttonの記事を参照)。
また、へそ出し丈のシャツがmidriffと称されることもある。
関連イラスト
表記揺れ
関連リンク
関連タグ
へそ掃除 へそ責め…へそに対する行為についてはこちらの関連タグを参照
指を突っ込みたいへそ/クリクリしたくなるおへそ…へそに対する称賛系・感想系タグのまとめについてはこちら
へそが見える服装及びシチュエーション
へそに関する人物・用語等
「世界のへそ」と称される。また、ドラゴンクエストIIIにおいてこちらがモチーフとされる「地球のへそ」というダンジョンが存在する。
ポケモン世界にあるナナシマという諸島の中心に存在する島。
森の奥にまるで"ヘソ"のようにぽっかりと空いた洞窟のステージ。
挨拶が「へそ」。
上記の「navel」の名を冠した柑橘類。でべそのような穴が存在する。「ファジーネーブル」というカクテルの原料にもなる。
語源の由来がへその緒。
訳あってゲームクリアまでは、「マルタのへそ」というアイテムの代わりに穴に埋まっている。また、同ゲーム内には自身のへそについて言及する女性NPCも存在する。
「へそ」からレーザービームを出すことができる斬新なキャラ。ただし、使いすぎるとお腹を壊してしまう。
自身のへその形について悩みを抱えていたキャラクター。前者はでべそ、後者は向きが横であることを気にしていた。