第五福竜丸の事ではないのですが、原子力船むつで起こったのは「放射線」漏れであって「放射能」漏れではありません。原子炉の設計の不備から高速中性子が遮蔽体の間隙を伝わって漏れ出る「ストリーミング」と呼ばれる現象によって、 放射線漏れとなり、警報ブザーが鳴ったものです。 線量も極僅かであり、影響度は非常に低いものだったのですが、マスコミがこの事態を「放射「能」漏れ」と実しやかに書き叩いたため、地元住民の反対からむつは母港に帰れなくなり、永い漂流の時代を過ごすことになってしまいました。 彼女もまた、原子力という悪夢に翻弄された船です。しかし、今は通常動力船「みらい」として生まれ変わる事が出来ているので、第五福竜丸よりもはるかに幸せであるといえるでしょう