概要
「山高帽」は、フェルトを堅く加工したクラウンの丸い帽子、あるいは、頭頂部の高い帽子の総称。
堅く加工したフェルトを用いて、ブリムの端を外に反らし、頭頂上を丸くした主に男性用の帽子である。クラウンの高さやブリムの反り具合は、時代ごとに流行があり、色は黒色やグレーや茶色がポピュラーである。
18世紀半ばにイタリアのフィレンツェに、次いで1810年頃にはイギリスで乗馬用に同型の帽子が考案されたといわれている。
ロンドンでは帽子屋のウィリアム・ボーラーの名にちなんで「ボーラー」(bowler)と呼ばれている。19世紀半ばのアメリカではダービーステークスの創設者のひとりである第12代ダービー伯爵エドワード・スミス・スタンリーにちなんで「ダービー」(derby)と名付けられた。ドイツやフランスでは半球型のクラウンの形状にちなんで「メロン」(melon)と称された。
それから紳士たちに愛用され、19世紀末には黒が一般の礼装用となっていったのである。