概要
FGM-148ジャベリン対戦車ミサイルを補完する目的で開発された、簡便な対戦車兵器である。
近距離用と割り切った大胆かつ特異な設計思想により、
ジャベリンより軽く、ロケットランチャーより威力と命中率が高いというニッチを占め、
アメリカ海兵隊で採用されている。また、対陣地派生型が陸軍でも使用される。
発射手順
プレデーターはミサイルの弾体と使い捨ての発射チューブから構成される。
発射チューブには標的をロックオンするためのセンサーが備わっており、これで3秒間標的を追尾し続けることで、標的の進路情報をミサイルに記録する。
ミサイルを発射すると、ミサイルは予想された敵の進路の上空を横切るように飛行する。
標的の上空に到達したことを、弾頭部の赤外線センサーと磁気センサーで探知し、弾頭を炸裂させる。
弾頭部には下向きの成型炸薬が設置され、これで戦車の弱点である上面を攻撃する。
ジャベリンとの相違点
発射機全体の重量が軽い。
これは、ジャベリンの有効射程が2kmにも及ぶのに対し、
プレデーターは200m(一応、対静止目標なら600mまで狙える)であるため、
照準器が小型で済んだり、推進薬が少量で済むことによる。
最短交戦距離が短い
ジャベリンは戦車に対して上から飛び込む機動を取ることで、戦車の弱点である上面を攻撃する。
しかしこれは「山なりに飛ばなくてはならない」という短所でもあり、このためジャベリンの最短交戦距離は67mである。
これに対しプレデーターは弾頭部が下を向いているため、ミサイル自体は山なりに飛ぶ必要がなく、最短交戦距離は17mまで短縮できている。
ロックオンまでが短い
ジャベリンはロックオンするのに30秒もかかるのに対し、プレデーターは3秒で済む。
弾頭部にシーカーをもたない
発射手順で述べた通り、プレデーターは「敵戦車の予測進路上に飛び込む」ミサイルであり、射程が短い=飛行時間も短いことから、ミサイルが戦車の位置を確認して進路修正する必要がない。
これに伴い、シーカーが捉えた画像を戦車だと認識する高度なコンピュータも不要である。
さらに、ジャベリンには鹵獲されるのを防ぐための高度な自爆装置が必要(特にコンピュータは軍事機密であるため、絶対に自爆処理が必要)だが、
プレデーターはミサイル部を鹵獲されても軍機の漏えいの心配がない。
発射筒には敵の進路を予測するためのコンピュータが搭載されているはずだが、こちらは発射筒から外して再利用できる構造であると思われる。
安価である
弾頭部にコンピュータを持たないことから安上がりである。
陸軍の派生品
弾頭部を成形炸薬から通常の榴弾に変更したものが、対陣地ミサイルとして陸軍で採用されている。
ゲームでは
なぜか誘導方法がセミアクティブレーザー誘導であるように扱われることが多い。