データ
学名はラテン語で「恐ろしい鉤爪」と言う意味。その名の通り、足の第2指に鎌のような鋭く大きな爪が生えていた。全長2.5〜4メートル、体重50〜70キログラム前後。2足歩行で尾が細い腱に囲まれている。
恐竜の中では比較的大きな脳を持つ。また集団で発掘される機会が多い事から、少なくとも生涯のある程度の時間を群れを作り行動する動物だったと考えられている(但し、オオカミの群れのように良く統率された観れであったかどうかにはまだ議論の余地がある。マグロの群れのようにリーダーが存在せず本能的に行動する群れであった可能性も残されている)。
発達した第2指の鉤爪は、戦闘の際、獲物の肉に深く食い込ませる事が出来たと考えられるが、その物々しさの割に切れ味は鈍く、肉を切り裂くのは難しかったと思われる。
1964年に古生物学者ジョン・オストロムにより発見された。オストロム博士はデイノニクスの身体的構造を研究し、高い運動能力が想定される事を明らかにした上で「このような動物が(骨格に見合った)活発な動きをするには恐竜が温血動物ではないと無理だ」と結論するに至り、ひいてその仮説は「恐竜温血説」が誕生するきっかけとなった。
羽毛が生えた近縁の恐竜の発見に伴い、最近は羽毛を生やした復元が一般的となっている。
フィクションでは
有名な恐竜映画「ジュラシック・パーク」の”ラプトル”は、実際にはこのデイノニクス(または近縁種のユタラプトル)がモデルであると言われている。