概要
第一次世界大戦における戦後処理を行うために開かれた、パリ講和会議(平和会議とも)において、日本の代表である牧野伸顕大使が議題に出した提案である。国際会議において人種差別撤廃を明確に主張した最初の議案とされる。
解説
アメリカの日本人移民が、排日政策によって迫害されていたことに胸を痛めていた日本は、慎重かつ穏便に問題を解決するために、この議案を提出した。
その後、会議に参加した多くの国の代表がこの提案に賛成したが、アメリカ・イギリスなどの植民地を数多く持っていた国は猛反発し、特にアメリカには、白人を中心とした世界秩序を混乱させる「危険思想」であり、日本の陰謀であると受け取られ、各国からは正当な主張とされながらも、アメリカのウィルソン議長によってほぼ強制的に否決されてしまった。
この一件から日本を敵視するようになったアメリカは、日英同盟を崩しにかかっていく。