概要
漫画を元にしたコラージュ・パロディ素材のひとつ。どこかの食堂らしき建物で、少年たちがカレーライスを食べているシーンが描かれる。元ネタは徳弘正也『狂四郎2030』(1997-2004年集英社スーパージャンプ連載)39話「シティからの罠でござる」(コミックス5巻収録)の1シーン。
最後のコマで泣くほど喜びながら山盛りのカレーを頬張っている短髪の少年は宇治田といい、その両脇で微笑ましく見ている2人は宇治田の友人で、奥が主人公の廻狂四郎(少年時代)、手前の白ヌキ髪は白鳥みつるという。
パロディに使われるシーンだけを見ると、カレーを食べているだけで何が面白いのかよく分からないが、原作でこの直後に待ち構えている悲惨な結末(後述)を知っているとネタとして成立する。みんなのトラウマのひとつであり、しばしば「おいやめろ」「おいばかやめろ」タグが併用される。
「おかわりもいいぞ!」では引っかからない作品もあるので、検索の際は「狂四郎2030」なども併用のこと。
原作セリフ
少年たち「えっ 今日は全員カレーライス食っていいのか!!」
教官A「ああ…しっかり食え」
(もぐ もぐ もぐ)
教官B「おかわりもいいぞ!」
宇治田「………」(信じられないといった表情ながら、こわごわとカレー皿を差し出す)
教官C「遠慮するな 今までの分食え…」
宇治田「うめ うめ うめ」
状況説明
これは、主人公の廻狂四郎が9歳の頃を思い出している回想シーン。
狂四郎たち遺伝子異常とみなされた子どもたちが入所させられる「関東厚生病院」は、児童福祉・障害者福祉を隠れ蓑に、過酷な訓練で少年兵を養成する施設だった。ここでは訓練の成績が全てであり、食事においても優秀な少年にはふんだんな食事、訓練についていけない少年にはとても身体を養うことができないようなわずかな食事しか与えられなかった。
狂四郎はこの訓練施設で極めて優秀な成績を挙げており、また白鳥みつるは狂四郎とトップを競うライバルにして親友だった。一方宇治田はいちばんの落ちこぼれであり、いつも粗末な食事に腹を空かせていたが、見かねた狂四郎と白鳥は教官の目を盗んで宇治田に食事を分け与え、3人は友情を育むようになる。
そんなある日の食事時間、成績に関係なくおかわり自由でカレーライスを食べてよいという指示が出された。普段では考えられないうまい食事を遠慮無く食べられる機会に、涙しながら大盛りのカレーライスを頬張る宇治田だったが……。
以下ネタバレ
少年たちが存分にカレーを食べ終えた頃、おもむろにガスマスクを装着する教官たち。
「ただ今より毒ガス訓練を開始する!!」
そう、この食事も非人道的な訓練の一環に過ぎなかったのだ。
たちまち天井の空調から嘔吐をもよおす毒ガスが食堂に散布され、途端に悶え苦しみ食べたばかりのカレーを吐き出す少年たち。
「この感覚を体で覚えろ!今散布しているのは31%の嘔吐ガスだ 心配するな計算上死ぬ事はない!!」「ただし…いやしく腹いっぱい食った奴ほど苦痛は続く!!」
そして訓練が終了し、食堂から毒ガスが換気されたとき…
並の少年たちより体力が劣り、また人一倍たくさんのカレーを食べていた宇治田は食堂の床で息絶えていた。
「まさか死ぬとはな…」「計算以下の体力の落ちこぼれだ いずれ消えていく運命だ…」
宇治田の死を一顧だにしない教官たち。
わずか9歳で、ひもじい思いをし続けて死んだ宇治田の手には、最期までカレースプーンが握られたままだった…。
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