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狂四郎2030

きょうしろう

徳弘正也がスーパージャンプで1997~2004年まで連載していたハードSF漫画。あおり文句は「近未来SF冒険SEXYバイオレンスラブロマンスせんずりコメディちんこ漫画」
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概要

2030


本作の特徴はそれまでの徳弘作品とは一線を画すハードな設定にある。これまでの少年誌から掲載の場を青年誌に移した為、描写もこれまでの少年誌では可能な限りに抑えていた暴力描写・性行為がより直接的に描かれており、作品のエッセンスとして果たされている。
優生学思想を基にした超管理社会、戦争と殺人の心理、民主主義の矛盾と危険性、安きに流れる人間の弱さ、「理想郷」の現実など人間の負の部分に切り込んだ骨太なストーリー展開が繰り広げられている。
その一方で徳弘作品特有のギャグも健在であり、暗く乾いた世界観を潤す清涼剤となっている。

ストーリー

第三次世界大戦後、日本は優生学思想を根本に宿したゲノム党による独裁政治が敷かれていた。
男女隔離政策を始めあらゆることが国家に監視される超管理国家となった日本で、一人の屈強な男が一人の女に会うために北海道を目指し旅立った。
彼の名は廻狂四郎。彼は旅先での出会いを通じ、この世界の根幹、人間の正と負に直面する・・・・・。

登場人物

廻狂四郎


本作の主人公。第三次大戦中は激戦地をくぐり抜け、要人暗殺や破壊工作で活躍した超人的な能力を持つ軍人であった。本来なら輝かしい地位にいて当然の功績を立てているのだが、M型遺伝子異常者(犯罪を起こしやすいとされる人種。いい加減な理屈なのだがゲノム党によって政治利用された)であったために大戦後は平巡査にしかなれなかった。
ある日仮想世界で出会った女性・志乃に惚れ込みインターネット上で祝言を挙げる。そして現実の志乃に会うために国家反逆罪に問われることを厭わず彼女のいる北海道を目指し旅に出た。
性格はスケベでお気楽だが、戦闘時には冷酷非情の殺人マシーンと化す。これは幼少期に受けた戦闘訓練と大戦中の殺人経験によるモノである。
自身が血に染まった過酷な過去と殺人マシーンの顔がいまだに顔を出す事に苦悩している。だが、それが彼自身が心を持った一人の人間である証明でもある。

バベンスキー

狂四郎の相棒である天才犬。実は人間の頭脳を移植された犬であり人の言葉を理解し喋る事やメカに強い一方で遺伝子工学の知識には疎い。また、ツッコミ役でもある。
育ての親である八角博士の影響もあってのことだが、その八角博士のクローン頭脳であった為度々自身のクローンを利用して生きながらえてきた博士に頭脳を奪われかけるも博士は脳内出血に倒れ帰らぬ人となった。
旅の途中で八角博士の生家にたどり着いた時、バベンスキーはそこにあった石碑に愕然とする。そう、博士は大半の国民を・狂四郎を苦しめてきた「ゲノム法」のきっかけとなったM型遺伝子の発見者であり提唱者であったのだった。

飛鳥

仮想世界で狂四郎に興味を持って以降、彼に様々な助言をする仮想世界の町人。実は主要人物の中では唯一現実の人間ではなく、その正体は北海道にある仮想世界を司る政府の大型スーパーコンピュータ・飛鳥である。
一応、政府側ではあるが狂四郎の頼もしい味方と言える。

小松ユリカ(志乃)

北海道にある政府の電算施設に勤務する女性。狂四郎が度々行くインターネットの仮想世界の江戸の街に登場する武家の娘・志乃その人である。
本作のヒロインであり、仮想世界で出会った狂四郎と恋仲になりやがてネット上で祝言を挙げるがこれが互いに現実の世界で逢いたい気持ちに繋がる。
非常に悩ましいナイスバディの持ち主で過去には性的暴行のはけ口にされた事は彼女にとってトラウマかつ狂四郎には知られたくない過去となっている。その為か彼女を愛人にしようとしたがる政府関係者も多い。彼女はコンピュータ関連では優秀な人材ではあるが、彼女もまたM型遺伝子異常者である為政府では下級の職員である。

M型遺伝子異常者

作中では犯罪者になりうる因子を持つ者として隔離され、狂四郎のように幼き時から日本を統治するゲノム党に管理されている者が多い。




ネタバレがあります













異常者と呼ばれる割には何故か常人よりも優れた能力を開花させる者が多い。
実はこのM型遺伝子とその異常者、それを利用したゲノム法には巧妙に張り巡らせた陰謀と隠された真実があった。

そもそもこのM型遺伝子異常とは、欠陥がある・劣っているの異常ではなく「異常なまでに優れた才能を持った人間になりうる可能性を秘めた」ものであった。つまり、超人的な人間となりやすいというわけである。なりやすいというのはあくまでも可能性であって、実際に開花しない人間も当然いる。

そして劇中の男女隔離政策は非M型遺伝子異常者をゆるやかに絶滅させていく恐るべきもので、さらにM型遺伝子異常者の管理はその超人的な能力で手駒にする一方、政府に対する反乱を防ぐ為であった。

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