徘徊性のクモとしては、ハエトリグモと並んで最も人が目にするタイプのクモである。
また、日本に生息するクモのなかで最大級の種でもある。
主にゴキブリやハエといった、家屋内に発生する害虫を捕食することで知られている。
概要
糸で巣を作らないタイプのクモ。糸は命綱の要領で利用する程度である。
また、日本に生息するクモの中で最大級であり、その最もたる所以は、その名前の由来にもなっている脚の長さである。
実に体長の2、3倍あるほどの長さを誇る歩脚を4対8本備え、大きいもので10cmを超えるものもあり、発見した時のインパクトの強さは絶大。
体色は薄茶に近いもので、しばしば黒い紋様やストライプが見られる。
元々は外来種のクモであり、海外貿易が盛んになった室町時代後期~江戸時代に貨物にまぎれて日本に渡来し、今ではすっかり日本の風土に馴染んでいる。
食性は肉食で、主に昆虫を捕食するが、大きいものでは小動物を捕食することも稀にある。
タランチュラなどと比べると体格的に強靭ではないため、あまり大きい獲物を捕らえることは少ない。
特徴として、獲物を捕獲した際、別の獲物を発見すると、捕食途中であっても捕獲しようとする。
顎は日本に棲むクモとしては比較的強力であり、大きいものに噛まれると皮膚を貫通することもしばしばある。
このように、本来であれば殺虫剤などの健康面で危険なものを利用せずして、害虫駆除を行える優れた生物(捕食対象が居なくなればアシダカグモ自身も家屋内から消えるため、最終的にこのクモを見ることもなくなる)なのだが、その大きさと外見の強烈さ故、勝手に害虫のレッテルを貼られ、他の家屋内に発生する虫たち同様に殺されている と、理不尽な現実である。
イラストにおけるアシダカグモ
ゴキブリなどの家屋内に発生する虫の代表の一角として挙げられるであろう存在のため、伴ってイラストにおこされる機会も多い。
しかし、ゴキブリと同じように、外見のインパクトが非常に強いため、概ね美少女化されたギャップの強いイメージで描かれることがほとんどである。
ゴキブリの項目でも触れているが、こういった浸透した一般的イメージから、概して偏りの大きいものが生み出され続ける。
こちらも同様に、それがメリットでもあり、またデメリットでもある。