概説
アシダカ軍曹とは、益虫であるアシダカグモの敬称である。アニメキャラではない。
アシダカグモはグロテスクな外見とは裏腹にとても綺麗好きで、自分の消化液で身体中を殺菌し常に自分の体を清潔に保ちつつ不潔な害虫であるゴキブリを好んで捕食する。
この際も殺菌作用のある消化液をかけながら食すため、とても清潔。さらに捕食行動より殺傷を優先するため、ゴキブリを発見し狩った直後別のゴキブリを発見すると、そちらを優先的に狩り、その場合一匹程度なら咥えたまま二匹目を追跡し、それ以上となると殺害したゴキブリを放置して次を狩ろうとするためゴキブリの死骸だけが残る(後にその死骸を再発見した際に食す、ハンターは鮮度には拘らないのだ)。
またこの手の存在にありがちな「満腹だと好物であっても無視する」という行動がなく、満腹でもゴキブリを発見すると狩る為、彼が動き回るだけで生きたゴキブリの数を減少させていく、この特性により一般的な家屋ではゴキブリの繁殖力を加味しても半年もあれば、数匹で家中のありとあらゆる場所のゴキブリを抹消できる。
また、軍曹が家のゴキブリを処理し終わったあとは次のゴキブリを求めてひっそりと家を去るため、餌場と認識し味を占めて居座るような事はない、彼等は流浪のハンターなのである。
つまり、彼等が居るということは家の何処かにゴキブリのコロニーがあるということなので、軍曹に任せるか、バルサンでも焚いて軍曹ごと駆除するかは各々に任せられる(時間は掛かるが死体も卵も残さない軍曹処理がおすすめ、その間に家を掃除して新しいゴキブリの発生を断とう)
このように益虫としてはかなり有用なのだが、ゴキブリを超える気持ち悪い外見から害虫として駆除される事も珍しくなく、そのような状況にもめげずに今日もゴキブリどもを殺し回るハンターっぷりから何時しか軍曹として敬愛されるに至った。
ちなみに軍曹は自分から人間(というより自分より大きいもの)に襲いかかる事はなく人間を認識するとその場を立ち去るが、捕獲しようとすればゴキブリの装甲を簡単に抜ける程鋭く大きい牙で反撃してくる。優秀な軍曹ではあるものの彼等とて命の危機に陥れば、自衛のために相手を攻撃するしかない。見掛けたらそっとしておくか、長い棒などでつまんで安全に野外に出すと良い。殺すなどもってのほかである(上記の通り彼等がまだ家に居るという事はゴキブリも当然居る)
実はゴキブリを駆除するだけなら別にアシダカ軍曹でなくともいいのだが
・他の蜘蛛の場合タランチュラ等一部の獰猛な種以外は上記の「自分より大きいものは襲わない」が適用されるため、体格上ゴキブリの幼体には襲いかかっても生体は放置してしまう
・ネズミやヤモリは軍曹の見た目のデメリットは解消しているものの捕食以外ではゴキブリを襲わない為殲滅には向かない、更にネズミはそれ自体が不潔害獣であるため別の被害が拡大してしまう
・ゲジゲジもある程度は狩ってくれるが軍曹以上にキモく戦果も頼りない(乾燥で殲滅する前に死ぬ等)為、下位互換でしか無い
・ムカデは見た目も気持ち悪い上に、毒があり更に人を刺す為完全に害虫である。論外
・ネコは見た目は当然良く、好奇心で狩る為目の前で動く限り殺し続けてくれるが、サイズの関係で巣を殲滅できない、また、いつ何時であろうと戦果を報告する為に持ってくるのもデメリット。さらに個体によってはビビって逃げたり、猫故に気分によって捕まえなかったりなど安定性にも欠ける
このようにアシダカ軍曹以外のゴキブリハンターは毒を持っていたり、餌場と認識して居座ったり、満腹だと放置したり、捕らえたゴキブリに逃げられたりと厄介な性質を併せ持ってしまっている為、結局のところ、完璧といっていい特徴しか持たない生粋のゴキブリハンターであるアシダカ軍曹以外には任せられないのだ。
また、彼は当然「蜘蛛」である、卵を運んでいる軍曹を見掛けたら尚更触れる事のないよう注意されたし、下手に蜘蛛の子を散らすような惨劇は起こしてはならない、放置しておけば軍曹は子育てのためにより一層狩りに精を出す事だろう、母は強いのである。
pixivにおけるアシダカ軍曹
やはりと言うか擬人化された軍人のようなアシダカ軍曹や、グロテスクを通り越してカッコいいアシダカ軍曹のイラストなどにつけられている。