CV:花江夏樹
「別にさ、怖いもの知らずってわけじゃないよ――助けられると思ったんだ」
人物像
地球の新芦原高校に通う高校生。姉からは「なお君」と呼ばれている。
ヘブンズ・フォールで両親を亡くして以来、姉のユキと二人で暮らしており、普段はだらしない姉に世話を焼きながらも炊事などで彼女を支えている。
博識かつ冷静な性格の持ち主で成績も優秀だが、決してそれをひけらかすような事はせず、普段は極端なまでにマイペース。有事の際にも決して慌てず物事を見極め、状況に応じて最適な行動を導き出す。
異常事態になったとしても顔色はおろか声色すら変えない程に感情の起伏が乏しく、見る者によってはドライで冷徹にも捉えられるが、ユキから見ればけっこう喜怒哀楽は出ているらしい。命の危機に瀕した仲間を助ける為に尽力し、友人の死に静かに怒りを滾らせるなど、感情そのものは人並みに持ち合わせ、しばしば無茶もする。
実戦経験こそ無いものの、戦闘では非凡な戦術眼を発揮し、交戦中でも敵の特性を分析し続け、機会が来れば即座に有効と思われる手段を実行に移す機敏さを持つ。
火星の独立国家ヴァース帝国の第一皇女アセイラムを狙った暗殺テロの現場に居合わせ、その事件に端を発した二度目の惑星間戦争に巻き込まれる。街から避難する中で、殺された筈のアセイラムを名乗る少女と出会い、行動を共にする事になる。
複雑に絡み合う状況の中で敵に追撃される現状を打破すべく、仲間と共に軍事教練の教官・鞠戸の指示に従い、他の民間人の避難が完了するまで囮として訓練用カタフラクト・スレイプニールを持ち出し、地球のそれとは隔絶したスペックを有する火星カタフラクト・ニロケラスに戦いを挑む。
実戦経験もなく、戦力も限られる状況でニロケラスを撃破し、更に追撃してきたアルギュレの撃退にも成功したことから、親友の韻子、カームらと共に地球連合軍へと編入され、正式にパイロットとなる。
その際、スレイプニールの後継機であるアレイオンを充てがわれるが、その機体が実戦直前にシステムエラーで動かなかった事と、自身がスレイプニールという機体に慣れている等の要因が重なり、以降も訓練機であるスレイプニールを乗機として選択。その事もあり、スレイプニールの訓練機を表す「オレンジ色」が、ヴァース帝国側からはエースパイロットのパーソナルカラー的に扱われている。
自らの正体を明かしてまで停戦を望むアセイラムの意向を汲み、苦難の果てに地球連合軍本部・ロシア基地へと到達するが、暗殺事件の黒幕であるザーツバルムが揚陸城で基地を強襲。城と、彼が保有するアルドノアを無力化すべく、アセイラムと共にザーツバルム城への突入作戦を立て、先陣を切って降着。ザーツバルムの駆るディオスクリアと対峙し、とどめを刺す寸前のところでスレインが乗ったタルシスに邪魔をされ、乗機は大破。ザーツバルムに撃たれたアセイラムに近寄ったところをスレインに止められ、互いに銃を向け合った後に撃たれたが、その直後に駆け付けた仲間の応急処置でなんとか一命を取り留めた。その前にアセイラムに行った人工呼吸と顔についた彼女の返り血を姉の涙によって口に入ったため、地球連合の兵士で唯一、アルドノアの起動因子を持つこととなった。それから19ヶ月後、療養を終えて再び戦線へ舞い戻り、かつての仲間と共にデューカリオンで宇宙へ上がった。なお、地球人に対する殲滅の意思の演説をしたアセイラムが偽物だと気付いている。
前半ラストでスレインに撃たれた左目は義眼になっている。