概要
同田貫とは肥後(現在の熊本県)の地名。正国とは刀工の祖の名前である。同田貫正国とは彼が打った刀の総称で、特定の一振りを指す名ではない。
胴田貫または胴太貫と表記されることもあるが、これは後世の創作であるとされる。
多くは反りが浅く重ねの厚い造りで、装飾は全く無いと言っていいほど質素。
現代では高価だが美術品としての評価は低いとされている。しかし、明治に行われた試し斬りの試合『天覧兜割り』で、直心陰流の榊原鍵吉がこの刀剣を用いる。十二間筋の兜に、切り口三寸五分、深さ五分の傷をつけて見事成功させた。この時兜割りを成功させたのは榊原だけであり、榊原も本番に挑む前にさまざまな刀で試していたが、結局同田貫以外では成功しなかったといわれている。
この刀の実用度の高さを広く知らしめ、語り継がれている逸話である。
兜割りに唯一成功した剛刀。そのイメージから有名になり、フィクションの世界でもよく登場する刀である。『子連れ狼』『三匹が斬る!』などの時代劇では主人公の愛刀として使われたり、ゲーム『風来のシレン』では「どうたぬき」という武器アイテムが登場する。『刀剣乱舞』では、その荒々しく質朴な性質をフィーチャリングした擬人化姿で登場する。詳細は後述。
『刀剣乱舞』での同田貫正国
「見栄えとかどうでもいいだろ……武器は強いかどうかだよ」
「さあ、さっさと戦場に行こうぜ。」
概要
大きな傷が顔の眉間と左頬に走る、眼光鋭い青年姿の刀剣男士。
通常立ち姿では兜割りに使ったのであろう割れた兜を抱えている。
性格はぶっきらぼうかつ好戦的で、先陣切って自ら戦う事を好んでいる。
反面、戦闘以外には苦手意識を持っているらしく、隊長に任命された時や内番で手合せ以外の仕事を与えると渋るところも。刀を戦いの道具以外に使う傾向に批判的である。
性能としては、レア度「上」の中ではドロップ時から高い打撃力を持つ。序盤から仲間にできれば心強い味方になるだろう。
なお、余談だが同田貫の声を担当した櫻井トオル氏は自身のTwitterにて「実は母方の先祖が実際に同田貫の刀匠だった」と発言。作っていた刀を演じる事になるとは、なんとも不思議な縁である。
ファンからの愛称は「たぬき」。