欠番までの経緯
本放送及び数年間の再放送が行われた当時は特に取り沙汰されることはなかった。
しかし、1970年に学年誌の付録として怪獣決戦カードが付けられた際にこの回に登場する異星人・スペル星人の説明文に『ひばくせいじん』というストレートすぎる肩書きが付けられていた事をきっかけに一連の騒動が始まる。
これを見た女子中学生が原爆被害者団体協議会委員であった父親に相談し、父親は編集部に抗議文を送った。
『被爆者を怪獣にするなんて!』と解釈され、新聞など各報道によってこれが瞬く間に全国に広がり、広島・長崎の被爆者団体を経て抗議運動も全国的規模となった。
その結果、円谷プロは12話を封印せざるを得なくなった。
作品の評価
本作を非合法な手段で視聴した者からは本作は『良作』『駄作』と評価がまっぷたつに分かれており、賛否両論となっている。
なお、本作の監督である実相寺昭雄氏らは本作を原爆反対を訴えたものであると反論。
元広島平和記念資料館長・高橋昭博氏は本作を視聴した際に「31年前に見ても差別だとは感じなかったはずで、平和を願う気持ちが伝わる」というコメントを残している。
書籍等での扱い
近年の円谷プロ監修の書籍においては、欠番であることを断ったうえで放映リストにタイトルが記載されたり、スタッフやキャストが紹介されたりする程度であり、ストーリーや封印に至った経緯、本編の映像やスペル星人の写真等が掲載されることはまずない。
…しかし、漫画『ウルトラマン超闘士激伝』ではスペル星人がモブとして登場している。
さらに、2012年9月に講談社から発売された「ウルトラ怪獣DVDコレクション6 メトロン星人」において、「セブン」放送当時の雑誌記事の再録という形でひっそりとスペル星人が復活を果たしている。