概要
ハナバチの一種。
外見は黒っぽく太目のボディが特徴。しかし性格は非常におとなしく、叩き落とそうとでもしない限り攻撃してくることはない。また針に毒性があるのはメスだけである。
鈍重な体のため、「飛べるのが不思議でならない」とされてきていた。
桜の終わる春の中頃に姿を現し、おもに花粉や花の蜜を食して生活している。大変顎が頑丈で、普段は花の正面から潜り込んで蜜を摂取するが、ときに花の根本を食い破って直接蜜を採る“盗蜜”もおこなう。ことがある。
また植物側から花粉媒介者として好まれている側面もあり、特に藤はその代表とされる。
夏の初めに朽木や家屋の垂木に穴を開けて巣を作り、そこに花粉団子を立て並べて詰め、団子に卵を産みつけて成長させる。夏のうちに卵はほぼ成虫まで育つが、まだ飛ぶことができないため、親から蜜や花粉を貰って過ごし、その代わりに親が留守の間は巣の番を買って出る。
こうした親子関係は「亜社会性」と呼ばれ、ミツバチやスズメバチに見られる高度な社会性の前進段階と考えられている。
おとなしい性格ゆえにむやみに周辺者を排除することはなく、そのため同じ朽木に複数のクマバチの家族が巣を構えていることもある。
なお、クマンバチと呼ばれる蜂はスズメバチの別名であり、こいつとは一切関係ない。