フィロウイルス科エボラウイルス属のウイルスが病原体の感染症。
1976年にアフリカのスーダンで確認され、1990年代にエボラウイルスが数種類発見された。
アフリカ中央部、西部で多く確認されており、原因は不明な点も多いがコウモリを食用にしたことからではないかとの説が有力。
ウイルスが体細胞の構成要素であるタンパク質を分解することで、消化器や呼吸器から出血などを起こし死に至る病気で、死亡率は50〜90%とかなり高い。また、治癒しても、失明などの重篤な後遺症が残ることがある。有効な治療法は無く、脱水などの症状にたいして点滴を行う等の対症療法のみである。
空気感染はせず患者の体液に触れることで感染する。このため衛生状態をよくすること、患者を隔離し、患者に触れた物を次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品による消毒や5分以上の煮沸消毒を行うことが予防の基本である。西アフリカ地方では衛生状態が元々悪い事や現地の風習などもあり感染が拡大した。2014年夏にはシエラレオネ・リベリア・ナイジェリアで政府が非常事態宣言を出すに至っている。
日本では感染症法に基づき、診断した医師はただちに届け出る必要がある「一類感染症」に指定されている。