解説
起承転結のある物語ではなく、戦後から現代に至り日本に存在したとされる「立喰師」に関する資料、伝承などをまとめ、その実態に迫らんとする研究書であるという設定で虚実を織り交ぜて描かれた一種のフェイクドキュメンタリーとなっている。
小説版は角川書店のライトノベル雑誌「ザ・スニーカー」にて、2000年12月号、及び2001年8月号から2003年6月号にかけて連載された。単行本は角川書店より2004年2月に出版。
2006年には押井自身の手で映画化された。
登場人物に扮する役者をデジタルカメラで撮影し、それを3DCGの人形に貼り付けて動かすという『ミニパト』でのノウハウを活かしたペープサート状アニメーションで制作するという手法が採られ、「スーパーライヴメーション」と命名されている。
メインの登場人物は、小説『立喰師列伝』でキャラクターのモデルとなっていたのと同じ人物が演じる形となっており、さらに役者の殆どが本職の俳優ではなく、押井の知人の業界関係者達である。これは、制作予算を抑えるのと同時に、押井曰く「今まで自分が仕事を通じて関わってきた人々を、この映画で記録として残したい。それに、知っている人間じゃないと、CGでいじくるときにつまらないから」とのこと。