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狡宜の編集履歴

2015-09-10 19:53:12 バージョン

狡宜

こうぎの

オリジナルアニメ『PSYCHO-PASS』の登場人物、狡噛慎也×宜野座伸元のBLカップリング。

概要

PSYCHO-PASS』の狡噛慎也×宜野座伸元のBLカップリング。


「コウギノ」と読むのが主流であるが、「コウギ」と読むこともある。


潜在犯の息子として複数の男子生徒に絡まれ暴言・暴力を受けていた宜野座を狡噛が颯爽と助け手を差し伸べる、という少女漫画を地で行く出会いから仲良くなり、同級生として日東学院での学生時代を過ごし、(2100年4月~2104年3月)

教室で【狡宜妄想】

狡噛は宜野座に進路の影響を受け、共に厚生省公安局へ同期入局、同僚・相棒として二人で監視官を務めるも、(2104年4月~2110年2月)

MISSION

標本事件を機に狡噛が潜在犯堕ち、その後執行官となり、生きる世界を違えた上司と部下という間柄になり、その事実に宜野座も犯罪係数を少しずつ悪化させてゆき、(2110年4月~2113年2月)※アニメ1期:2112年4月~

クラクラポスター及び表紙

槙島事件を経て狡噛が公安局を去り行方不明の逃亡犯になったことで、最早会うことも困難・執行官となった宜野座は立場上は狡噛を問答無用で執行せねばならないという、(2113年2月~)※劇場版:2116年

恋愛係数=測定不能5

半生を共にしている無二の友人でありながら複雑な立場の変遷を経ている二人。

それぞれの時代で関係性や雰囲気の変化があり、味わい深くもシリアス・切なさ満載のCP。


万能型の狡噛と、不器用な宜野座。多くの時間を共にしながら、なにか何時もすれ違いが多く、互いに互いを心配しているのにきちんと疎通できていない様子ばかり見られる。クラスタ達は言葉にならないもどかしさや焦りを萌えに昇華している。


体格は宜野座の方が3cm背が高いが華奢で細く、狡噛の方がはるかにガタイがいい。


宜野座を「ギノ」と呼ぶのは狡噛ただ一人である。


以下、項目「アニメ」「WEBラジオ」において、狡宜クラスタが一喜一憂したシーンを紹介する。


注意

この記事には、Twitter等でよく見かけた内容を中心に記載していますが、一部主観も含まれます。

あくまで非公式カップリングであるので注意。


アニメ(1期)

  • 第3話「飼育の作法」

狡噛が初めて宜野座を「ギノ」と呼んだのがこの回。

これまで二人がまともな会話をしている描写が無かったため、クラスタに衝撃が走った。

  • 第5話「誰も知らないあなたの顔」

宜野座と常守朱の会話において、宜野座が「かつて俺は過ちを犯した相棒を失った」と発言しており、宜野座が朱に送った人事課のファイルから、狡噛が3年前の標本事件(正式名称未解決事件・公安局広域重要指定事件102)より以前は宜野座と共に監視官であったことが発覚。

一部のクラスタからは「5話ショック」とまで言われており、狡宜クラスタが一気に増えたのは、この宜野座の発言がきっかけとなっている。

  • 第6話「狂王子の帰還」

八王子のドローン製造工場での金原による殺人と、コミュフィールドのアバターの狂信者であった御堂による殺人、この2つの事件の裏側に、3年前の標本事件との共通点を見出し、自分の書斎へと足早に向かう狡噛のあとを、宜野座は舌打ちしつつも追いかけた。

  • 第7話「紫蘭の花言葉」

桜霜学園の生徒が遺体で発見された事件の捜査から外されてしまった狡噛が、自室での朱との会話の中で「あんまりギノを困らせてもな」と発言。

  • 第8話「あとは、沈黙。」

桜霜学園の監視カメラの映像を一緒に見ている姿からは、かつては共に監視官であり相棒でもあった頃の二人を想像させる。

  • 第9話「楽園の果実」

宜野座が狡噛を呼び出し、今まで「マキシマ(槙島聖護)」の存在を疑い、妄想だなどと酷評していたことを謝る。それに対し狡噛が、「マキシマ」の手がかりを掴むことが出来たことについて「俺は今 久しぶりにとてもいい気分だよ」と言い、その最後に野性的な笑みと声で「ギノ」と言うのを聞いたファンたちが、まだOP前だというのに発狂状態に陥った。

  • 第10話「メトセラの遊戯」

槙島たちの罠に嵌まり、船原ゆきと共に60年前に廃線となった地下鉄銀座線周辺を逃げ回ることになった狡噛。これで狡噛が死ぬことになったらお前のせいだ、と朱に強くあたる宜野座だが、これはどう見ても、あまりに狡噛が心配で八つ当たりしているだけである。

ついに狡噛から連絡が入ったという場面で「ありったけのドローンを急行させろ!」「一台でもいいから到着させるんだ!」と必死の形相で叫んでいることからもわかるが、誰よりも狡噛からの連絡を待っていたのは、やはり宜野座なのだ。

標本事件で「戻れ」と叫んだのに、二度と"こちら側"に戻ってくることはなかった相棒が、また自分の前からいなくなってしまう。彼はそんな不安に駆られていたのだろう。

  • 第11話「聖者の晩餐」

征陸が去った後、腹を鮮血に染める狡噛を見て、宜野座が息を呑む音に注意したい。「しぶといもんだな、まったく」などと発言しているが、内心安堵していたに違いない。

また、ラストのシーンで狡噛が担架の上で意識を取り戻したとき、彼が最初に見たのは、狡噛を見つめる宜野座の姿であった。それは、宜野座がずっと狡噛を不安げに見つめていたであろうことを想起させる。

  • 第12話「Devil's crossroad」

ついに相棒同士であった頃の2人が登場。今では見ることは決して叶わぬ、2人してレイドジャケットを着ている姿や、頻繁に行動を共にする様子が描かれた。

標本事件さえなければ、2人はこの頃と同じように肩を並べ続けることができたのだ。

いつか、2人がまた相棒と呼び合える日は来るのだろうか。

  • 第17話「鉄の腸」

槙島の捜査権を剥奪されたことに激昂した狡噛に「監視官」と呼ばれ、宜野座は言葉を失う。

その一言は、二人の立場が変化してしまったという辛い現実を、改めて彼に突き付けるものだったのだろう。

  • 第18話「水に書いた約束」

宜野座が初めて「狡噛執行官」という言葉を口にした。

また、一係の部屋で征陸と二人きりになったとき、無意識なのかそうでないのかは定かでないが、宜野座自ら狡噛の席に座るという事態が起こる。狡宜クラスタが震撼したのは言うまでもない。

その後狡噛を二係に引き渡そうとしたところを局長に見つかり、狡噛の身柄を拘束せざるを得ない状況に追い込まれた宜野座は、意を決してドミネーターを狡噛に向けるも、局長の手によりそれはエリミネーターへと変形する。

見開かれた双眸、頬を伝う汗、震える右手。その時の彼の表情は、我々が未だかつて見たことのないものだった。それに対し狡噛は、寂しげな笑みを浮かべ、宜野座から目を逸らす。

朱が狡噛をパラライザーで撃つ直前、宜野座は何か決意したような鋭い目つきをする。それは局長に反旗を翻すことへの決意か、それとも狡噛を己の手で殺すことへの決意か。

そして何より衝撃的だったのは、狡噛から朱に向けられた置き手紙である。18話時点では、狡噛が宜野座に逃亡の旨を告げたのかどうかはわかっておらず、狡噛にとって宜野座はもう眼中に無い存在になってしまったのだろうかという疑念すら浮かぶ。

「あんまりギノを困らせてもな」「あとでギノに殺されるからな」―――、あれほど狡噛は、元相棒を気遣っていたというのに。彼はもう、執行官などではなく、ただの潜在犯なのだ。

その事実は、宜野座の心を深く抉ることになるのだろう。

  • 第19話「透明な影」

カウンセラーに潜在犯認定の可能性も否めないことを告げられた宜野座は、突然笑い出す。「相棒が昔、今と同じ状況になったことを思い出し」たからだ。狡噛のようになるまい、と徹してきたというのに、結局自分も彼と同じ道に差し掛かろうとしている。宜野座の笑みは、自嘲的であった。彼の口から「相棒」という言葉が発せられたのは、実にあの5話以来である。

宜野座は局長に掛け合い狡噛の捜索を一係が担当することを求めるが、狡噛を追う以上、彼と「命のやり取り」をせねばならないと征陸は言う。この時ほど、宜野座の激情が露わになったことはなかっただろう。

どいつもこいつも・・・俺を置き去りにして、勝手に向こう側に行きやがって・・・

初めて、彼が本音を零した瞬間だった。自分にとって唯一の、かけがえのない相棒。その相棒に裏切られた彼の、癒えることのない深い傷が見て取れた。

狡噛のバカは必ずこの手で止める。誰が何と言おうとだ」という彼の言葉からは、狡噛が潜在犯に成り果て、本当の人殺しになろうとしている今でも尚、狡噛を殺したくない、失いたくないという強い想いが感じられる。

  • 第20話「正義の在処」

狡噛が残した音声データを聞いた宜野座は、眉を顰め「あいつ・・・!」と零す。

  • 第21話「血の褒賞」

「突っ走りすぎた監視官の末路なんて、俺ぁそう何度も見たかない」という征陸の言葉を聞き、潜在犯へと堕ちていった狡噛の様子を思い出してか、宜野座は顔を曇らせる。

瀕死の征陸の傍に座り込んだ宜野座が銃声と足音に顔を上げたとき、目の前にいたのは、他でもない、彼が追い続けた狡噛だった。

カメラワークから考えると、狡噛が最初に視界に捉えたのは宜野座だったと思われるが、狡噛は重傷を負った宜野座には何も言わずに走り去っていった。

これが、二人の再会であり、最後の対面であった。

  • 第22話「完璧な世界」

犯罪係数140前後となり、潜在犯となった宜野座は、執行官となる道を選んだ。かつて狡噛が、そうであったように。

朱との車中での会話で、彼は狡噛について次のように語った。

あれだけ獰猛な猟犬から首輪が外れたら、それはもう狼と変わらない。寧ろ野生に戻った分、のびのびとやってるかもしれん

執行官だった頃のあいつが、気楽にやってた訳でもないだろう。しぶとくて、狡猾で。諦めの悪い男だった

どんな過酷な状況だろうと、あいつはきっと切り抜ける

狡噛慎也という男から、目を逸らし続け、理解するまいとしてきた。

もう今は、そんな必要などないのだ。


WEBラジオ

音泉にて隔週配信のWEBラジオ「PSYCHO-PASSラジオ 公安局刑事課24時」では、各回の最初にオリジナルのショートドラマが撮りおろしで収録されており、そこでも安定の狡宜が繰り広げられている。

  • 第3回

(ショートドラマ)

狡噛が食べているカレーうどんの汁やネギが、宜野座の眼鏡に飛び散ったという。

しかしこれは、普通に食べていたのでは起こりえないことである。

このことから、二人がいったいどのような位置・体勢でいたのかというクラスタたちの妄想が広がっている。

  • 第5回

(ショートドラマ)

ホロクラッキングの犯罪者を相手に、征陸智己がアニメ第5話でやっていたのと同じように、狡噛が酒を使って対処しようとするが、ホロによる物理的と見せかけた攻撃から狡噛を宜野座が庇おうとしたため、間違って狡噛が酒を飲み込んでしまう。

この酒はアルコール度数96度のスピリタスであったため、狡噛ですら明瞭な意識を保てず、代わりに宜野座がやろうとするも、同じくホロの攻撃から狡噛に庇われ、酒を飲み込む。

人生で初めて本物の酒を飲んだ宜野座は呆気なくダウン、その場で眠り込んでしまい犯人を取り逃がしてしまった、という話である。

二人が互いを庇い合うとき、押し倒す勢いでないと避けきれないのではないかと考えられ、これは六合塚弥生の前で二人が押し倒し合っている様子しか想像できない、との声も。

またこの話で最大の問題となるのが、二人が明らかに間接キスをしていること。狡噛が口をつけた酒瓶から、宜野座は躊躇うことなく酒を口に含んだのである。

最後に眠り込んでしまった宜野座を運んだのは誰なのか、ということについては、高身長の宜野座を運べるのは六合塚でなくやはり狡噛であろう、と推測される。

  • 第6回

(ショートドラマ)

厚生省の最新型オートサーバーについての取材で、二人はコミッサちゃんの姿で鍋を披露することになった。宜野座は「お前と二人で鍋をつつき合うのは、俺だって気が進まん」などと文句を言っていたが、結局は狡噛に鍋料理を食べる際の注意を熱く語りすぎて撮影スタッフに怒られる始末である。

それをいいことに宜野座をからかう狡噛と、震え声で必死に演技しようとする宜野座も、なんとも可愛らしい。

(トーク)

関智一(関)「執行官は一人じゃ外出できませんから~、宜野座さんとか朱ちゃんがいないと、みんなは買い物にもいけないという」

野島健児(野)「いちいち朱ちゃんを連れて行けるっていう特権があるんじゃないですか?ちょっと温泉行きたいからみたいな、一泊(笑)」

「お前監視官なんだから、同室で一緒に朝まで過ごす義務があるんじゃないのか?とかっていう同人誌が作られそう(笑)それが~、うん、同人誌だとそれは朱じゃなくて宜野座で~、そう、『俺は隣の部屋で寝る』みたいになるけど『待てよ』みたいな~」

「『俺の眼鏡は取らないでくれ・・・』」

「絶対そういうノリになりそうですよね(笑)そういうのも、まぁ、1回ぐらいやってもいいんじゃないですか?公式でそういうのやっちゃえばみんなも同人誌作りやすいでしょ

・・・※念のため記しておくが、これは公式のラジオである※・・・

  • 第8回

(ショートドラマ)

父親に会うため公安局を訪れた少女が、父親の特徴を「前髪(正しくは前上)」「眼鏡」と言ったことから、狡噛はこの少女を宜野座の隠し子であると勘違いしてしまう。

お父さんのことは好きかい、という問いに返された「大好き」という少女の答えを聞いた狡噛の反応は、どこか寂しげに聞こえる。

  • 第9回

(ショートドラマ)

愛犬家協会の会長に接触すべく、狡噛たちはドッグショーに参加する。狡宜クラスタからすれば、もはやデートも同然である。

最後に狡噛が「ダイム、お互い小煩い飼い主には苦労するな」と、ギノを「飼い主」と称した発言をしている。

  • 第10回

(ショートドラマ)

犯人の追跡中、深い森の中で道に迷った二人は、ホテルの廃墟で一晩明かすことになってしまう。そう、電波も届かない状況で、二人きりで、一夜を共にするのだ。

狡噛の怪談に怯えた宜野座が突然の物音に驚いてあげた悲鳴や、それを笑い一連の話が作り話であることを明かした狡噛の「嘘だよ(イケボ)」、用を足しに行った宜野座への「気をつけてな」など、とにかく公式有難うと叫ばざるを得ない回であった。

本編18話でショックを受けたファン達の心の支えとなった。

  • 第12回

(ショートドラマ)

この回のドラマは、小説「PSYCHO-PASS(下)」の発売に先駆けて、そのボーナストラックとして収録されている狡噛と宜野座の学生時代のエピソードを、ラジオ用に部分的に調整したものである。

これはどこのBLCD、いや少女漫画だと言わんばかりの馴れ初めだったことが判明しただけでなく、狡噛は宜野座の「監視官になる」という言葉を聞いて監視官になることを決めたというのだ。

また、これを聞いたPSYCHO-PASS関係者の感想ツイートをいくつか記載する(敬称略)。


高羽彩 ”学生時代の狡噛と宜野座が仲良しすぎて、口から桜吹雪出た。”

foca ”@高羽 宜野座曰く、学生時代→狡噛と過ごした日々って、どんだけベッタリだったのかと!(>_<)”

高羽彩 ”@foca ほんとですよ…。それを考えると、公安局を去った狡噛ってほんとに……。恐ろしいヤロウですね!!”

古林美里 ”ちょっと待って なんで本編で狡噛と宜野座の高校生時代やらなかったの 描きたいマジ描きたいうわあぁかわいい!!”

古林美里 ”@ゆーぽん 高校生回想アニメ化…して欲しいです…監督…(´;ω;`)”

ゆーぽん ”@複数人 こんだけ仲良しだったのだから、同じ監視官だったこうがみさんが執行官になった時の気持ちを考えると!ぎのさあん!!高校生編もっと!”


劇場版PSYCHO-PASS

劇中二人が会う前、それぞれが互いに向けたアクションとして、

宜野座は「奴(狡噛)と再会できたら、俺の代わりに一発ぶん殴っておいてくれ」と常守に頼み、

狡噛は本編唯一と言っていい世間話として、開口一番「…ギノは元気か…」と常守に尋ねている。

「あのあと執行官ですよ」という返しに、わずかの後「そうか…」と声のトーンを落とす狡噛。

言葉少なながら、互いへの強い思いが見て取れる。


それはつまり、俺の判断であいつを処理していいんだな?

とうとう3年ぶりに二人に再会の時が訪れる。

エレベーターの中で狡噛とデズモンドが死闘を繰り広げ、デズモンドのナイフがまさに狡噛の喉元に刺さらんという瞬間、宜野座が乱入しデズモンドを蹴り飛ばし、ついに狡噛と宜野座の共闘が実現する。

宜野座の持っていたドミネーターは早々に吹っ飛ばされ、2対1の激しい肉弾戦に入る。

互い違いに息の合った応酬を繰り広げ、宜野座が巴投げからデズモンドを抑え「投降しろ」と言うと、デズモンドが口内を動かし、自爆の気配を察した狡噛が焦りの表情で瞬時にデズモンドの首を折り絶命させる。

二人激しく息を切らしながら、狡噛はニヤリと宜野座を見上げるが、宜野座の表情は変わらない。


場面が切り替わり、エレベーターは1階に着き、外は明るくなっている。

正座する狡噛に宜野座が拳銃を向けている。狡噛は抵抗せず寂し気な表情で、宜野座を見て俯く。宜野座の向ける銃口に対して狡噛が無抵抗の姿勢を示すのは、これで1期を含め2度目である。

宜野座は狡噛に近づき、「…狡噛」「…お前には、借りがある」と言いながら拳銃を手渡す。

その拳銃は、幼い頃に父と共有した思い出の中にあったものであり、その父が狡噛に託したものでもある。

「ギノ…」と言いかけた狡噛に、宜野座は「今すぐ消えろ。…そして、二度と俺たちの前に姿を現すな。常守監視官に、これ以上余計な重荷を背負わせるんじゃない」と淡々と言い渡す。

…お前は、それでいいのか?」と聞く狡噛に、微かに笑みを浮かべて目を逸らし、「俺は、妥協を覚えた」と答える宜野座。

そして狡噛を右手で小気味よくぶん殴る。

この演出は2カメであった。2カメであった。(大事なことなので2回言いました)

(ちなみに、共闘中にも宜野座のデズモンドへのパンチが一発狡噛に当たっている)

「これで、良しとしておく」と去る宜野座と、清々しくも見える表情で天を仰ぐ狡噛。


決定的な変化として言えるのは、これまでは絶対的に狡噛が上手・先手で、彼の言動に振り回される宜野座という図が常であった彼らの関係性がフラットになった、もしくは逆転したことである。ある意味で宜野座の方が大人になり、狡噛の方が身の振り方を決め兼ねモラトリアムのような状態にある。

宜野座の怒りは、無二の友人である狡噛の身をずっと心配していたにも関わらず、当の狡噛が何も言わず出て行ったことを思えば当然であるが、男の友情としては一発殴ったことで清算されたと考えるのが妥当で、このわだかまりを解消したゼロ地点から狡宜がまた始まる、というのが大筋の見方である。


続編が待たれる。


なお、ノーカットのシナリオでは宜野座のシャワーシーンがあったり、「狡噛を失って以降、無茶ばかりしている宜野座は体にいくつか傷が増えている」という破壊力抜群の地の文があったりする。他にも、宜野座から狡噛への思いやりが本編よりわかりやすくなっている文章もあるため、狡宜クラスタは必読である。


また、キャストインタビューにおいて、野島氏は狡噛と宜野座の再会を「彦星と織姫」に例え、その時の宜野座の気持ちは「やっと会えた!大好き!でもばかやろー!」というものであり、その拳には「よかったな」という気持ちが込められていたであろうことを語った。


スピンオフ

  • 『別離』

PSYCHO-PASS LEGENDシリーズにおける、宜野座を主人公としたスピンオフ小説。

狡噛と二人で監視官として一係を率いていた頃の事件にまつわる話(2107~2108年頃)である。



夜遅くに狡噛が宜野座に電話をかけ、日東学院の同窓会に参加するか否かについて話し出すシーンがある。

その中で宜野座は学生時代を振り返り、誰もが宜野座を「潜在犯の父を持つ可哀想な奴」と見なす中、狡噛だけが宜野座を「宜野座伸元」というひとりの人間として捉えてくれたことを思い出していた。学部が違い、家も互いに逆方向ではあったが、暇を見つけては会い、二人で時間を過ごしたという。

三係から一係へと異動してきた狡噛を見て、潜在犯である執行官を信頼し仲間として扱う彼の態度に疑問を抱き、狡噛はまるで変わってしまったと思っていた宜野座。しかし、目の前の相手をありのままに受け入れ、理解し、境界線をあっさりと踏み越えてしまうという狡噛の気質は、学生時代から何も変わってなどいないのだということに気付く。自分が勝手に「監視官に相応しい狡噛慎也」というイメージを作り上げ、現実との乖離にイラついてしまっていただけなのだ、と。


そして、宜野座が同窓会に行かないことを知った狡噛は「お前が行かないなら俺もいいかな」と言い出すが、宜野座に出席を勧められてすぐに「じゃあ、そうするか」と思い直すなど、少し優柔不断な面を見せた。

このやり取りで、狡噛もまた学生時代を思い出し、宜野座の熱意にあてられて自分も公安局を目指したことを明かしている。


最後に狡噛は、本題である宜野座の監視官としての在り方について、「親友(ダチ)だと思うからこそ言わせてほしい」と切り出す。優れた猟犬は正しく扱うべきであるということ。監視官という職と真剣に向き合っている宜野座が指揮官となりメンバーを動かせば、どんな事件でも解決できるだろうということ。

それを受けて宜野座が「当たり前だ。おれたちは監視官だぞ。その務めを果たさなければならない」と返し、通話は終わる。


狡噛と宜野座はそれぞれ、自分たちについて

狡噛は狡噛で、宜野座(おれ)は宜野座(おれ)だ。どちらも、決して成り代わることができない。どれだけ生き難くても、その交換できない事実こそが、何より互いが唯一無二の価値を掴んだということなのだから」(宜野座)

適材適所だな。それ(交渉事)はギノに任せておくよ。俺は現場で犯人を追うのが性に合っているらしい」(狡噛)

と考えている。二人は、互いを補い合うことのできる最高の相棒と言えよう。



時は過ぎ、2113年4月。

執行官となった宜野座が、先述の事件を機に(短い間ではあったが)飼っていた犬・ロンの墓を常守と共に訪れると、そこには白いイヌサフランの花束が置かれていた。「ゆいいつの親友であり、誰よりも背中を預けられる男」であった宜野座の相棒、狡噛が置いていったものだ。


イヌサフランは宜野座の誕生花であり、その花言葉には「悔いなき青春」「私の最良の日々は過ぎ去った」とある。作者である吉上亮氏は、これについて「宜野座はこの花の花言葉を知っているが、狡噛はその勘の良さから選んだのではないか。宜野座の誕生花であったことは自分にとっても偶然」といった趣旨のコメントをしている。(大森望のSF喫茶 #10)


狡噛はいったい、どのような思いを抱えて花を供えに来たのだろうか。


関連イラスト

愛してる愛してる愛してる ※追記あり

サイコパスいろいろ詰め

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PSYCHO-PASS 腐向け

狡噛慎也 宜野座伸元

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