ツァトゥグァ
つぁとぅぐぁ
概要
クトゥルフ神話に登場する強大な神の一柱。
人類以前に地上で繁栄していたヘビ人間や有史以前の亜人間たちに崇拝されていたとされる。古代の大陸ハイパーボリアや地下世界クン・ヤンに住む人間にも崇拝されていた。四大元素の中では、ナイアルラトホテップと同じく「地」に結びついた旧支配者の一柱と分類されている。
他の旧支配者に分類される存在より、比較的危険度が少ない存在として描かれることが多い。スミスの『魔道士エイボン』では自らを信仰するエイボンが迫害から逃れるのを手助けしている。同じくスミスの手になる『七つの呪い』では、生け贄に捧げられた人間を「空腹ではない」という理由で、食さずにアトラク=ナクアの元へと送っている。
だがこれは人類への感情が良好であるからといったことではなく、この神がただひたすらに怠惰であるからだろう。
地球誕生直後に、サイクラノーシュ(土星)から地球に飛来した。スミスが執筆した古代の大陸であるハイパーボリアを舞台とする作品では、大陸西部にあるヴーアミタドレス山の地下洞窟に棲むと描写されていた。現代においては、地下世界ンカイに棲むとされる。
このンカイはツァトゥグァが地球に到着した場所である。つまりは地球の誕生から今の今まで彼は一歩も動いていないのだ。
ツァトゥグァの家系は原初のアザトースまでさかのぼることができる。アザトースの直系の子孫であると言える。
豊富な魔術の知識もあり、崇拝する人間に召喚術など様々な魔術を授けている。贄や信仰を捧げた相手には相応の恩恵を与えている。読者に「比較的に話が通じる相手」と認識されているのはこういった理由によるだろう。
ナコト写本やネクロノミコンにて存在が言及されているようである。
容姿
巨大な腹部とヒキガエルに似た頭部を持ち、口からは舌を突き出し、半ばまぶたが閉じられた眠たげな目をしている。体色は黒く、体表は短く柔らかな毛で覆われ、コウモリとナマケモノの両者の姿を連想させるとされる。
自由に体の形を変えることができるとも言われている。
能力
対象の血管に硫酸を流すことができる。対象は体中に穴が開き、大やけどを負い大変な苦痛を受ける。
関係性
親族
・アザトース
・クグサクスクルス
ツァトゥグァの祖父、あるいは祖母。両性具有。
・ギズグス
クグサクスクルスの息子。ツァトゥグァの父親。詳細は不明だが「宇宙ホームレス」などの別名があり、この神性も相当に怠惰な性格である。
・フジウルクォイグムンズハー
ツァトゥグァの父方の叔父。ギズグスの兄弟。親であるクグサクスクルスの同族食いの習慣を好まず、幼少時にヤークシュ(海王星)に渡り、その後サイクラノーシュに移った。
・イクナグンニスススズ
ツァトゥグァの母方の祖父。暗黒星ゾスからやってきて、分裂生殖によりズスティルゼムグニを産んだ。
・ズスティルゼムグニ
ツァトゥグァの母。ギズグスの妻。
・シャタク
妻。
眷属
いずれも人間に反目する種族。
・無形の落とし子
黒いタールのようなスライム状の種族。ツァトゥグアに奉仕するが、単なる奉仕種族なのかツァトゥグァの落とし子なのかは不明。名前がないため「無形の落とし子」と呼ばれる。
・ツァトゥグァの末裔
像のような怪物達。末裔と呼ばれるが、本当に子供なのかはわからない。