概要
小銃全般においても稀有なブルパップ方式を採用している他、吊り下げ式のバイポッドを標準装備するために、銃身の上をブリッジが通っているという独特の形状をしている。
プルバップ方式を採用した結果、狙撃銃として十二分なバレル長を確保しつつ主に想定された市街地での運用を容易にし、部品だけでなく組み上げにまで高い精度を要求した結果、その命中精度はオートマチック方式にも関わらずボルトアクションライフル並みとされる。
1972年に起きたミュンヘンオリンピック立てこもり事件で、テロ部隊は犯行グループに対し狙撃を行ったが、使用したライフルが一般的なバトルライフルのH&K G3であり、狙撃にたえ得るものでなく、加え様々な要因も加えられ、人質の全員が死亡、警察側にまで被害が出るという惨事が引き起こされた。
この結果から、多人数の標的に素早く対処でき、かつ精密な狙撃を可能とするライフルが必要とされ、それを満たして開発されたのが本銃である。
性能は非常に高いが高精度部品を多用しているためコストが高く重量も7kgと重い上、正式採用には至らず、1982年から1988年の間に176丁と非常に少数しか生産されていない不憫な銃。
しかしWA2000を差し置いて採用されたPSG-1も8kgとWA2000より重く、コストも同じく高い。何故PSG-1が採用されたかは明らかではないが、PSG-1が開発当時の主力小銃であるG3の兄弟機である点から推し量ることが出来るだろう。
「重くて高い銃」というのは全く的外れな批判である
創作において登場する作品は比較的多く、有名な物では「ヒットマン」(エージェント47が使用)や「007 リビング・デイライツ」(ジェームズ・ボンドが使用)などに登場している。
基本データ
全長 | 905mm |
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銃身長 | 650mm |
重量 | 6950g |
口径 | 7.62mm |
装弾数 | 6発 |