Painterは、Corel社が開発・販売しているペイントツール。
2010年12月現在、最新バージョンは11。
概要
Painterは現存する様々なイラストソフトの源流ともいえる、パイオニア的存在で、Gペンや油彩、水彩など実在する画材の書き味をナチュラルにコンピュータ上で再現することに重点を置いており、その快適さ、表現力においては他のソフトの追随を許していない。ブラシの設定項目が他ソフトに比べ圧倒的に多く、実在しないブラシを作り出すことも可能。筆の数は873種類。
日本のCGイラストでは常にPhotoshopの二番手ポジションだったが、最近はSAIにその地位すら追いやられ気味。
元々FractalDesign社が開発し、その後MetaCreation社への売却を経て現在はカナダのCorel社が開発、販売を行っている。
開発エンジニアが変わった影響もあり、バージョン7での出来は散々なものであったが、バージョンアップを重ねる度に完成度が向上。
バージョンⅨ.5以降は安定したペイントツールとなった。
ソフトの解説書がPhotoshopやSAIに比べて少ないのは、作家によって塗り方が結構変わるから、「Painterの使い方の本」っていうよりも「その作家の使い方」になっちゃう。Photoshopなどの色の塗り方ってもう一定の塗り方があるんですよね。だから本が出やすい。(PhotoshopやSAIのテクニックは結構流用できるし、@wikiなどもあるので情報は増えつつある)
それでもすごいソフトなんだよ!!
廉価版
機能を限定した廉価版として現在は以下のバージョンが存在する。
・Painter Essentials4
・Painter Sketch Pad
【Painter Essentials4】95種類の筆を搭載しており、ブラシとしては(SAIやPhotoshopっぽい筆)の「ペン」、デジタル水彩、ティントの標準ブラシ、色伸ばし(指先ツールに相当)などがある。また、自動ペインティング機能が強化され、写真やイラストを元に自動的にPainterが描いていく機能が向上しているため、背景の作成やイラスト調を変える際に便利だったりする。ただし、レイヤーモードの変更の不可、図形が描けないなどがある。2010年現在Wacom Bamboo Fun、ComicとIntuos4 Special Editionに同梱されているがソフトの存在を知らないために使ってないユーザーも多い様子で、とてももったいない。
【Painter Sketch Pad】ブラシの数は11種類と少ないが、レイヤーモードが11種類から選択でき、またPainter11で搭載された「ドライメディアツール」が搭載されており、「タブレットのペンの角度を認識して斜めに描くことが出来る鉛筆」「スピードをつけて描くと細くなるインクペン」「ペンをタブレットから離さない限りべた塗りになり、離して重ねると色が重なっていくマーカーペン」など、高度な表現が可能になっている。Essentialsに搭載されている自動ペインティング機能は搭載されていない。どちらかというとスピードペインティング向きのソフトである。2009年現在Wacom Intuos4 Special Editionに同梱されているものと、ダウンロード販売でしか入手することは出来ない。価格帯はEssentials4よりも高めに設定されている。
主な機能
ブラシカテゴリ
バージョン11
名前 | バリアント本数 |
アクリル | 34 |
エアブラシ | 31 |
アーティスト | 6 |
アーティストオイル | 30 |
ArtPen | 10 |
ブレンド | 35 |
カリグラフィ | 13 |
チョーク | 20 |
木炭 | 24 |
クローン | 47 |
色鉛筆 | 19 |
コンテ | 11 |
クレヨン | 10 |
デジタル水彩 | 30 |
歪み | 19 |
消しゴム | 30 |
フェルトペン | 17 |
特殊効果 | 14 |
グワッシュ | 25 |
イメージホース | 20 |
インパスト | 44 |
リキッドインク | 57 |
マーカー | 10 |
油彩 | 46 |
オイルパステル | 19 |
パレットナイフ | 16 |
パステル | 31 |
パターンペン | 8 |
鉛筆 | 24 |
ペン | 30 |
フォト | 10 |
リアルブリスルブラシ | 16 |
スマートストローク | 16 |
スポンジ | 13 |
墨絵 | 23 |
ティント | 16 |
水彩 | 52 |
Essentials 4
名前 | バリアント本数 |
厚塗りペイント | 14 |
薄塗りペイント | 15 |
水彩 | 14 |
鉛筆&ペン | 8 |
ドライメディア | 11 |
ブレンド | 12 |
効果 | 10 |
フォト | 15 |
自動ペインティング
写真やイラストをもとに自動的に絵を書く機能。色の流れを認識し、より人間が書いたようなイラストにしてくれるため、結果が毎回微妙に違う。オイルペイントや水彩、鉛筆画など手法も様々選べる。
使用ファイル形式
専用ファイル形式
入力専用ファイル形式
入出力可能ファイル形式
Painter11
RIF TIF PSD BMP PCX TGA GIF JPEG EPS MOV AVI FRM
Essentials4
購入のポイント
値段の安いアカデミック版が出ているため、学生のうちに買うと良いかも。(アカデミック版はアップグレード版は購入できず特別優待版になる)
また、ある程度はPaintShopProなど、同社が発売しているフォトレタッチソフトなどで機能補完が可能です。