掲載誌
『オースーパージャンプ』2003年MARCH号(読みきり)
『スーパージャンプ』2003年14号-2011年21・22合併
『グランドジャンプPREMIUM』2011年創刊号-2013年15号
『グランドジャンプ』2013年7号-
いずれも集英社。
連載および単行本
スーパージャンプ連載分を『王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜』として全32巻にて完結。また、本編の短編エピソードを再収録した傑作選集『王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜The Special Edition』が計4巻まで刊行。
グランドジャンプ系雑誌連載分である2ndシーズン『王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜』が2016年3月連載分までまとめられて全13巻で完結。
現在、2016年度以降の3rdシーズンとなるリニューアルシリーズ『王様の仕立て屋〜フィオリ・ディ・ジラソーレ〜』が2ndシーズンに引き続きグランドジャンプにて連載中。
登場人物
サルトリア・オリベ
織部悠
伝説的職人マリオ・サントリヨの唯一の弟子で超絶技能を持つスーツ職人。
年齢は連載開始時点で26歳。実家は自転車屋
ナポリの泥棒市に居を構え、高額の代金と引き替えに、数多の服飾関係の難題を解決する服飾界のブラックジャック。
高額の代金を請求しているのは師匠の借金、およそ一億を返すためであり、
それも特急と言われる超高速の仕事のみの話。
普通の仕事(待つ時間が数ヶ月単位)ならば値段はそれなりに安い。
後にナポリ随一の名士であるベリーニ伯爵にその腕前を認められ、腕があるのに裏社会に協力させられていて、
例え借金を全て返したとしてもそれが続いてしまう恐れがあることを危惧され(織部は裏社会にとって良い金づる)借金を肩代わりして貰う代わりに、ナポリの一等地に店を構えた。
マルコ・ジュリアーニ
靴職人の見習いであると同時に靴磨きをしながら職人としての目を磨いている。
トラブルメーカーではあるが、その一方で織部にとっては家族同様の存在。
悠の家では炊事を担当しており、時を経るごとに料理に対する技術や知識が深くなっている。
通称:小動物
セルジュ・リヴァル
織部悠の一番弟子の青年。
元々はフランスの大ブランド「リヴァル」の御曹司にして人気モデルとして活躍していたが、父の怒りを買い家の工房に放り込まれ、その修業の厳しさのあまりにフランスから家出、ナポリの織部の元に転がり込み、最終的にナポリ式の仕立て技術が矯正不可能なレベルまで到達していたことから晴れて、悠の弟子となった。
形の上は、服飾留学でイタリアに渡ったことになっている。
織部はマリオに孫弟子が出来たと報告している。
ジラソーレ社
元々はフィレンツェのバザーで服を売っていた女子大生の服飾サークルが若者向けカジュアル服ブランドに事業化したもので設立後わずか数年でイタリア国内外に支店を構えるほどに急成長を遂げた。
社長以下12人の創立メンバーは全員が20代の女性で、その連帯感は非常に強い。
創立メンバー
ユーリア・ペルッツィ
かつて織部と共にマリヨ・サントリヨの元で学んだことのある大ブランド総帥「ジャコモ・ペッツオーリ」の一人娘。「ペルッツィ」は母方の姓。
母の死の間際でも仕事を優先した父を憎んでおり、大学時代の友人と共に創設したジラソーレ社を率い、父のブランドであるペッツオーリ社に挑む。
織部とは対立を経て、今では掛け替えのない助っ人として重宝している。
マリエッタ・カルドゥッチ
社長第一秘書。ナポリ本店勤務。創立時は副社長だったが、ナポリ進出に伴って第一秘書となった。悠からは「秘書さん」と呼ばれている。
暴走したユーリアを止める際に、よくプロレス技を用いる。読書家で、純文学や経済学を初め各分野の知識に精通している。
コンスタンツェ・ゼルビーニ
社長第二秘書。ナポリ本店勤務。ジェノヴァの海運王・ゼルビーニ家の長女。お嬢様育ちで物腰が柔らかく、性格は弱気。黒髪で髪型はセミロング。
会社創立時に筆頭株主となって資金を出資し、設立後も幹部として自ら経営に関わるだけでなく、立場を生かした資金調達も行なっていた。過去形なのは兄のマッシモに介入され筆頭株主ではなくなったからである。
アンナ・ミノッティ
ナポリ本店総務課所属。時に店に出て接客を担当する。童顔、お下げ髪で背が低く、悠からは「お下げのお嬢ちゃん」と呼ばれている。創立メンバーの中では年齢が若い方にあたる。
現在はナポリ中のサルトに取材に回って、秘伝の技術を修得したり・記録などしている、意志が強く積極的な面もある
ソフィア・ドルチーノ
ナポリ本店総務課所属。長身でスタイルの良いショートヘアの美人。フィレンツェ出身でシスターだった経歴を持ち、クリスマスにはかつてシスターをしていた教会で手伝いをしている。悠からは「ノッポの姉ちゃん」と呼ばれている。
会社の創成期、パリに拠点を構築するため、エレナ、サンドラとともにパリでスーパーモデルとして名を馳せていた。本人はモデルをやったあとは非常に落ち込む。
モニカ・マルピーギ
ナポリ本店総務課所属。ボーイッシュな外見で、胸は小さい(Bカップ)。我慢強い性格とクラリッサに評されている。スラム街で育ち、更正施設で裁縫を習った。
サンドラ・デストーニ
フィレンツェ支店長兼ジラソーレ社チーフデザイナー。初登場時は副社長だった。
スタイルが良く、エレナ、ソフィアとともにパリで売れっ子モデルとして活動していたこともある。
ベアトリーチェ・パスコリ
フィレンツェ支店長補佐。経理担当で、状況に応じて企画・広報・営業など様々な活動を行うが、工房で仕立てを行うことはない。髪型がショートボブであることから、悠からは「オカッパ」と呼ばれている。ヴェネツィア出身。経済学部卒。
エレナ・フォルミキーニ
パリ支店長。ショートヘアで長身、やや中性的な外見をしている。
ソフィア、サンドラとともにパリでスーパーモデルとして活躍したこともある。大学を首席で卒業し、各種スポーツ、社交、家事(玄人級)などもそつなくこなし、更に裏表なく男性に一途に尽くす優しい性格という、非の打ち所のない完璧超人。唯一の欠点は貧しい農村の生まれであるため、交際する上流階級の男性はその完璧さに対する劣等感を出自に対する優越感で埋めようとしてしまい、交際はいずれも長続きしない。
悠に、職人としてだけでなく男性としても惹かれていった。その後、自身との交際をかけたシモーネ、チャールズとの勝負を制した悠に、公私に亘るパートナーとしての正式な交際を申し込んだが、悠は目標を持って支店長業務に励むエレナの意志を尊重し、またあくまで自分は一介の職人に過ぎないという立場を曲げなかったため、交際は成立しなかった。
クラリッサ・レオーネ
ロンドン支店長。ロンドン支店ではカジュアル服を主に扱っているが、技術の研鑽も兼ねてサヴィル・ロウのテーラーの下職を手伝っている。仕立て屋の家に生まれ、サークル時代には裁断を担当するなど、会社創設時点で既に高い仕立ての技術を持っていた。
ジュリア・ヴィスコンティ
ロンドン支店所属の海外営業担当。ポニーテールと八重歯が特徴で、常に異様なほどテンションが高く、神経が図太く物怖じしない性格で、周囲を常に振り回し続けている。現地人でも酸欠で倒れるほどの高地でも平然としているなど、超人的な体力も持っている。
フェデリカ・テッサリーニ
ニューヨーク支店長。髪型はストレートで瞳が大きく、勝気でさばけた性格をしている。非常にグラマラスなスタイルの持ち主。
幼少期をアメリカ合衆国で過ごしていたためアメリカの流行・経済などに詳しく、性格もアメリカ人に近い。ベアトリーチェとは同じ経済学部、同じゼミ出身の同期だが、ベアトリーチェが論理やデータを重視するのに対し、フェデリカは勘や感覚を重視した経営を行うため、ベアトリーチェが苦手としている唯一の人間でもある。
開発第二課
各支店に問題が発生した時に助っ人として派遣されるようになった。遊撃隊的な役割を担っているチーム。その気になれば彼女たちだけで店を起こせる。
ヴィレッダ・インパラート
マルコの妹弟子の靴職人見習い。元々は修復師だったが、言い寄ってきた靴マニアの同僚に感化され、ぺピーノ親方に弟子入りし靴職人に転向した。
美術品やアンティーク、その背景にある歴史に詳しく、悠から「物知り姉ちゃん」と呼ばれている。 好奇心と行動力が旺盛で悪ノリしやすい性格をしており、マルコとともに余計な事件を引き起こしてしまうことが多い。しかし頭の回転が早く思慮深い策士的な一面もあり、その手腕についてはベアトリーチェも高く評価している。開発第二課においては、ラウラとイザベッラを引っ張る司令塔としての役割を担っている。
イザベッラ・ベリーニ
ナポリの実力者・ベリーニ伯爵の令嬢。家出した時に酒場でヴィレッダと知り合い、ジラソーレお家騒動の時に父の後見のもとジラソーレ社の大株主となり、開発第二課に入社した。
通称「お嬢」。
服飾に関しては見識はあるものの飛び抜けた技能はなく、開発第二課ではヴィレッダやラウラの補佐に回ることが多い。しかし伯爵令嬢であるが故の豊富な人脈を持っており、しばしばそれを活かした立ち回りを見せる。相手の気持ちを汲んだ思いやりのある発言も多い。
大学の馬術サークルの同窓会でカルロと知り合って以来、カルロと交際している。おっとりした気品のある性格だが時に大胆な行動を起こすこともあり、特にカルロが絡むと思い込みが激しくなりしばしば暴走する。父親譲りの健啖家。
ラウラ・フォンターナ
元々はペッツオーリ社の運営する服飾学校で天才と呼ばれていた少女。14歳にして自分の「究極の型紙」を完成させた自他ともに認める仕立ての天才で、ペッツオーリ社の服飾学校の秘蔵っ子。織部に勝負を挑むも敗北をし、ナポリまで追いかけてきて、度々敗北を重ねる中で知り合った友人達と共に、ジラソーレ社の一員となり、その技術を磨いている。いじられることもある。金髪で胸が大きく(Fカップ)スタイルも良い。
通称:ツインテール
ナポリの愉快な方々
カルロ・スパランツァーニ
没落し市井に暮らす貴族(男爵)のボンボンだったが、悠の仕立てたスーツ(と喝入れ)によりベリーニ伯爵の目に留まり、11か国語を話せる才能を買われお付きの通訳の仕事と婚約者(イザベッラ)をゲット。悠の仕立てにより大きく人生が変わった人物のひとり。その後もたびたび悠に仕事を持ち込み、「殿下」の愛称で呼ばれる。
ニコラ・ロンギ
カルロの執事。悠たちからは「三太夫さん」と呼ばれる。孫ほどの歳の差があるカルロに孫以上の愛情を注ぎ忠誠を誓う。「控えおろう庶民!!」で始まる彼の登場する回は「様式美」とまで言われる。
プレゼンティ
通称ドン・メローネ・ロッソ(スイカおじさん)。古き良きマルゲリータ(ナポリピッツァ)職人。修業時代の悠がよく通っており、のちにユーリアも密かな常連に。悠に入れ墨が見えないシャツを作ってもらいTVのグルメ番組に臨むが、食通気取りの出演者の態度にキレてしまい自ら入れ墨を晒してしまう。が、逆にそれが受けて遠のいていた客足が回復。悠やユーリアの愚痴にも的確な助言を送る人生の達人。
マッシモ・ゼルビーニ
コンスタンツェの兄で、家業の海運業を一手に引き受ける。M&Aや株の売買など経済活動はかなりえげつないが、悠のことは純粋に職人として認めている。今でもたまにお仕事をもってくる。
ロドリーゴ・サンチェス
悠も一目置くパンツ(ズボン)職人。ところが実はアイドル志願のアラフォー。芸能界にお近づきになるため借金に借金を重ねており逃亡の日々を過ごす。「ハリウッド編」で晴れて念願かない主演で映画デビューするも、アメリカ銃社会に批判的な言葉を投げたせいで失脚する。が、いまだにカムバックを狙う懲りないオッサン。幼い頃より仕込まれた服飾職人としての腕は壮絶によろしいため、いつも悠に惜しまれる。
ジャンニ・ビアッジオ
偉大なる我らがカサルヌオボのご隠居。(カサルヌオボはナポリ郊外にある町)
悠の師匠であるマリオ・サントリヨの同門にして、彼の兄弟子であり、誰の言葉も聞かず誰もが畏れていた生前のマリオ親方に、ただ唯一、対等な立場から率直に意見を言えた(マリオもまたその意見に素直に耳を借していた)人物。悠も「叔父貴」と頭を下げる。
服飾職人としては隠居状態にあり、息子は服飾の道に行かずパスタ屋となった。そのため一線を退いているが高齢にして、なんと『電撃萠王』を愛読し、培った服飾技術で健全エロス極まりない趣のある衣装を創り上げる日々を過ごしている。(そしてジラソーレ社幹部陣が、いつも、その衣装の犠牲になる)
ベリーニ伯爵
作中におけるナポリ1の実力者。「ナポリの文化を守ることこそ我が使命」と誓い、海外の要人ももてなし時に対立することも辞さない。悠の仕立てに「師匠の域を出ていない」と苦言を呈したが、悠の「仕返し」により見直し、裏社会からの借金の肩代わりとともに悠のスポンサーとなった。健啖家であり、また娘(イザベッラ)のこととなるとギロチンを持ち出すほどの親バカ。
ヨーロッパの愉快な人々
アラン・リヴァル
セルジュのパパン。ジラソーレ社と協力関係にあるパリの一流ブランド「リヴァル」の総帥。期待の新人は容赦なく針糸持てないレベルにまで叩き潰す大人げない人。自社工房の弟子に対しては精神崩壊まで追い詰める容赦ないMr.スパルタンX。そのせいで本来跡継ぎにしたい息子2人に家出されている。本作における武装おしおきの大家。
マダム・ロスタン
シチリアの針子からパリの一流ブランド「ロスタン」を興した、フランス服飾会の重鎮。さすがのアラン・リヴァルも彼女には頭が全く上がらない。
フレデリック・ウォーレン
英国の仕立て街、サヴィル・ロウの保護に努めるジョンブル貴族。悠の腕に敬意を抱き一目、置いている。
パウエル親方
サヴィル・ロウ仕立て界の重鎮の一人で、優れたウェストコート(ベスト)職人。職人気質で頑固者だが、同じく職人気質である悠の事は気に言っている。悠に本格的英国式ウェストコートの製作を手ほどきした。(悠はあくまでも客分であるため師と弟子というわけではない)
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