概要
サディズムは、加虐性欲(かぎゃくせいよく)ともいい、相手や動物に対して精神的に苦痛を与えたり、身体的に屈辱を与えたり虐待したりすることによって性的快感を味わう。またそのような行為を想像したりして性的興奮を得る性的嗜好の一つのタイプである。これらの人のことをサディストという。
また、サディズムの中でも動物を虐待して性的興奮を得るタイプはズーサディズムとも呼ばれる。
極端な場合、精神的な障害とも見なされ、この場合は性的倒錯(パラフィリア)となる。
サディストは理性によって自らの欲望をコントロールし、問題を引き起こさないように生活しているが、パーソナリティ障害やサイコパスなど共感性(良心)が低く、倫理感が欠落した人間によって犯罪が引き起こされることがある。社会を震撼させるサイコキラーやシリアルキラーの快楽殺人などは衆目を集めるが、その背景に性的サディズムが見られることがあるのも事実である。酒鬼薔薇聖斗の動物虐待や殺人、ドイツのヒトラーによるユダヤ人虐待などがそうである。
世間で使われる3種類のS
- その1 俗語としてのS 性格を表す言葉(日常会話)
- その2 いわゆるエロ系のS エロの好みの一種(SMプレイなどMの要望に答えるサービスのサド。ノーマルのサド役やソフトサド、マゾッホの小説に出てくるマゾが喜ぶことに喜ぶ奉仕型サディストなら満足できる。)
- その3 異常性癖(マルキドサド本人やマルキドサドの小説に出てくる真性サディスト。性的サディズムで学校で変態的な虐めをする者、動物虐待をする者、犯罪者に多い。もちろん、理性を保っている優しい人もたくさんいる。エロも含まれるが上記のSMプレイとは異なり、相手がマゾやノーマル、サドであろうが、殴る、蹴る、踏みつけるなどエロの含まないただの加虐行為自体に興奮し、相手が本気で嫌がる姿にますます興奮する。つまり、相手が性的興奮していない場合でも、悲痛の表情や無様な様子を見るだけで自分は性的興奮をする変態。一方的な加虐によって相手の人間性を否定することに喜ぶ本当のS。)
誤解されがちなこと
サディズムやサディストというのは基本的に他人を虐待して喜ぶ性質一般を指す言葉ではなく、「他人を虐待することによって性的興奮を覚える性的嗜好」のみを指す。その1のように相手を叩きのめすことで爽快感や満足感を覚えるだけで性的興奮がない場合は単に暴力的な傾向を持つ人を指す言葉で、正確にいうとサディズムやサディストではない。また、その2のようにSMプレイでMのために何をしようかと考えている(Mを満足させるために動いてるサービス精神のサド)やエロを目的に見ている場合は、サド伯爵の本家の意味でのサディストではなく、詳しくいうなら性的サディズムには分類されない。本来の用法から逸脱している傾向が多いのが現状である。逆にいえばエロの絡まないサド的な行為(殴る、蹴る、出血などの暴力行為)や精神的、肉体的に相手が本気で泣き叫んでいることに性的興奮を覚えるならサディスト確定である(その3)。 つまり、本来のサディストはリョナラーに近く、サディストの中にリョナラーという考えがあると考えればよい。少しの違いといえば、サディストは自分が相手を虐めている過程に、リョナラーは虐められた相手の結果に重点を置く。その結果、リョナラーは相手の快楽堕ちを絶対に認めないが、相手が精神的に本気で泣き叫んでれば(精神的に喜んでいたらSMプレイなので不満足)快楽堕ちしていても大満足する真性サディストもいる。これは自分が他人に影響を与えている事や支配をしていることにも喜びを見出せるので、興奮する事ができるからである(サービスのサディストのみの性質なら精神的にも喜んでいることしか認めない。また、快楽殺人者レベルのサディストになると快楽堕ちは認めなくなってしまう)。要するにリョナラーよりサディストは幅が広い。