巡潜乙型とはかつての日本海軍が保有していた潜水艦の型式である。
最も早く建造された艦の番号を取って伊十五型潜水艦、単に乙型潜水艦と称されることもある。
ちなみに巡潜(型潜水艦)とは「大型で長大な航続力を持ち外洋での長期作戦行動に適した潜水艦」を指す日本独自の区分である。
概要
性能(要目)
偵察任務を目的として設計された、全長108.7m、全幅9.30mの大型潜水艦。
航続力は16ノットで1万4千海里(燃料搭載量774t)、最大潜航深度は100m、
また空からの偵察用に水偵1機を格納し、発進用のカタパルトも備えていた。
戦歴
改良型(乙型改1、乙型改2)も含め日本潜水艦中最大の29隻の同型艦が建造された。
太平洋戦争中、その長大な航続力を利用して東はアフリカから西はアメリカ沿岸海域に派遣され、日本海軍潜水艦全体の商船撃沈数の4割、総撃沈トン数も42%を占めるに至ったものの、1943年以降にほとんどが撃沈され、終戦時残存は1艦のみであった。
在籍艦
※ 当初日本海軍は伊15以降奇数番を巡潜乙型、偶数番を巡潜丙型として交互に艦番号を割り振っていたのだが、巡潜乙型のほうが圧倒的に建造量が多く空き番が多くなってしまい、1941年にこれを詰める形で伊26(元は伊27)以降の12艇が改番されている。
(なお、丙型は重雷装潜水艦である。)
※ 艦号は正確には「伊號第(漢数字)潜水艦」である。
- 乙型(1937~43年)
- 乙型改1(1941年)
- 伊40、伊41、伊42、伊43、伊44、伊45 (計6隻)
- 乙型改2(1942年)
- 伊54、伊56、伊58 (計3隻)