概要
(新艾利都 / New Eridu)
多くの地が謎の災害「ホロウ」に飲み込まれ文明が崩壊したこの世界において、ホロウの調査・対処技術やエーテルの資源利用などを確立した事で、逆に大きく繁栄を遂げた為「奇跡の都市」とも呼ばれている。
頭に「新」が付いているのは、零号ホロウに呑まれた旧「エリー都」を前身としているためで、創設者/初代市長はメイフラワー家という所らしい。
現在は人間、シリオン、知能機械人の三種がヒトとして共存し、日々の生活を営んでいる。
裏では数多の勢力がしのぎを削りあう混沌とした様相を呈しており、本世界ではここ以外の都市・国家は滅亡してしまった為、複数の公的組織による自治が行われ専用の防衛組織まである、事実上の都市国家としての側面も有している。
荒野の「郊外」エリアを含む外の世界はホロウに呑まれるまま荒廃しており、細々と人が生きるポストアポカリプスな世界観となっている模様。月も半分ホロウに呑まれている。
街の中心部では子供一人でも外出できる程度には治安が良いが、スラム街の様な貧困層も存在し、危険承知でホロウを利用し公的組織に手を出され辛くしている反社組織も多数存在するなど、全体としての治安は決して良くない。
技術
エーテルを資源利用した産業が発展しており、それを基盤とした現代的な社会が築かれている。
旧文明から持ち込まれた文化により、ブラウン管TVやレコードが現役というレトロな雰囲気を持ちつつも、電子世界の情報網「インターノット」やSNSが日常的に使われている等、様相は現実世界の先進国に近い。
自動車、地下鉄、コンテナ船など各種交通網も積極的に運用されている描写があり、運転免許をはじめとする法整備も整えられているようだが、自動車もまたやけにレトロな外観の車両が多かったりする。
空の移動手段は基本的に飛行船のみ。新エリー都以外は荒野しかなく都市内の移動が主で、輸送量にも優れており、飛行機の需要がないため。またホロウ災害以降飛行機の技術が衰退しているためと思われる。
それでも一応郊外の沿岸部の漁港から魚介類を輸送するために航空機を用いるほか、治安局航空隊が攻撃ヘリコプターを運用しているなどの例外もある。また星見雅のショートムービーでは、旧エリー都時代にあたる雅の幼少時に双発型の中型ジェット旅客機(しかも主翼端にウィングレットを備える割と先進的な機体)が飛んでいる様子もあったが、現在=作中では旅客機の姿は確認できない。
また劇中で「GPS信号」の存在が言及されることからGPS(衛星測位システム)も存在するらしく、人工衛星を打ち上げるか、旧文明の衛星を維持してるかして、何かしら宇宙開発にも手を付けている模様である。
運営
- TOPS
新エリー都の司政府。新エリー都全権利における実行権言を持ち、大型ホロウ発生及び災害時には代理人を通して指揮を取る。「TOPS財政ユニオン」として大手の民間企業(スリーゲート、ジョナサン財団、セイリングループ、高志など各社)が介入する事もある。
- H.A.N.D.(空洞事务无害化对策局)
新エリー都を管理する公的組織。ホロウ内部調査やエーテル資源の採掘を行うホロウ調査協会(HIA)、エーテリアス討伐やホロウ災害の対応を専門とする特別行動部(H.S.O.)などで構成されるほか、専属の武器製造所まで抱える。特別行動部には対ホロウ6課、同2課、同5課、同9課などが所属する。正規の局員以外がホロウに足を踏み入れるのは違法であり、下記治安局による摘発の対象となる。
- ホロウ調査協会(空洞调查协会 / Hollow Investigative Assosiation / HIA)
都市公認のホロウ調査組織。ホロウに迷い込んだり取り残された人々の救助、データの観測や回収といった業務から、ホロウ活性への対応やエーテリアスの討伐を含む戦闘任務までを幅広く手掛けている。エース級の調査員ともなればスター扱いされる一方、任務でも相応のリスクを負う事になる。
一般の調査員でもホロウレイダーを連行する権利を有しているが、ホロウという共通の危険を前に徹底して職務に忠実な者はそう多くはない様子。
- 新エリー都治安局(新艾利都治安局 / New Eridu Public Security)
新エリー都のもうひとつの公的組織。青色を基調とした制服がトレードマーク。都市の警察機構に該当し、事件調査や事故処理、犯罪者の取り締まりを行う。一般市民にとっては悪党から日常を守ってくれる希望であるが、非合法な依頼を請け負うホロウレイダーやプロキシにとっては頭痛のタネであり向けられる思いは様々。
都市秩序部捜査課に属する特務捜査班をはじめ、鑑識や交通管理部などの部署を抱える。協力者ファイルでのセスの記述より警察学校の存在も示唆されている。
- 新エリー都防衛軍(新艾利都防卫军 / New Eridu Defense Force)
新エリー都の軍事組織で、ホロウ内に設立された研究施設、及び施設内の調査局員やエーテル資源の「防衛」を担う。多数の兵士、軍事ロボットを従えており黒や迷彩で統一されたカラーリングがトレードマーク。
研究施設はホロウ調査に欠かせない存在だがエーテル資源の「貯蔵庫」の側面を持つため、ギャングや反乱軍にとっては格好の的であり、エーテリアスもエーテル資源に誘き寄せられ集まって来る。防衛軍はそれら「外敵」の掃討ないし迎撃を任務とする。旧都陥落事件により多くの脱走兵が生じた過去があり、犯罪組織への転向や軍事技術の悪用を防ぐため、反乱軍への潜入調査も行っている。
『オブシディアン大隊』を主軸に、11号の所属するオボルス小隊など各部隊が編成されている。
- インターノット(绳网 / Inter-Knot)
プロキシ事業の基盤とも言える、調査事務のための個人情報統合センター。各種依頼の掲示に加えて、情報屋の最新ニュースやエージェント達のプロキシ評など、無数のフォーラムやスレッドが乱立している情報の坩堝で、『ゼンゼロ』の世界観を大まかに把握できる。アカウントの売買も横行しており、さらにそれを利用する悪徳業者も紛れ込んでいる。
その他
- 主要企業
- マルセルグループ:ボンプの開発製造元として知られる企業。虚狩りの一人であるミス・サンブリンガーは当時の同社CEOで、ボンプの発明者でもあった。
- スリーゲート:TOPS財政ユニオンの一角。複数の系列企業からなるグループ企業。建設業を担うスリーゲート建設は建築業界のご長寿と評されており、白祇重工とは黒雁街跡地にて現場拠点を共有している。武器開発などを担うスリーゲート軍工も存在し、朱鳶の武器『サプレッサーK22』は同軍工のガンスミスが治安局技術部門と共同開発したモノ。
- ジョナサン財団:TOPS財政ユニオンの一角。エーテル関連のコアな事業を掌握しており、かつては都の建創にも携わった。当局にもホロウ浸食関連の医療サービスを提供しているほか、シリオン向けのトリートメントを販売したり、視力矯正に応用可能なインプラント型水晶体を開発している。関連性不明だが、インプラントと言えば……?
- セイリングループ:TOPS財政ユニオンの一角。食品・日用品メーカーで、耐侵食応急栄養パックなどの変わり種も展開している。
- 高志:TOPS財政ユニオンの一角。金融業を担っており、金融界の雄と評される。
- その他企業
- Random Play:六分街に展開している小じんまりとしたレンタルビデオ屋。主人公兄妹が経営する活動拠点でもある。しかしてその正体は……
- 邪兎屋:何でも屋。当該記事を参照。
- 白祇重工:新興の建設業兼、重工業系企業。当該記事を参照。
- ヴィクトリア家政:家事代行派遣会社。当該記事を参照。
- 猪突猛進:郊外で活動する「カリュドーンの子」が運営する運送会社。当該記事を参照。
- ヴィジョン・コーポレーション:建設業などを担う大企業。規模が大きくカネもコネも持っているが、TOPSには入っておらず、TOPS入りを目指して影響力拡大を狙っている。ゲーム開始画面のテレビ画面でもたまにCMが流れている。ストーリーの中核となる陰謀の一端に加担したことで、同社CEOのチャールズ・パールマンを巡る攻防が何度も繰り広げられる。
- 天馬エクスプレス:運送会社。競合他社にスピードで勝ちたいあまり、あろうことかホロウ内にも配送トラックを突っ走らせており、配送員がホロウ内で遭難する事故も起こしている。主人公にも配達員の救助が依頼されたり、ホロウ内での運搬の手伝いを依頼されるクエストがある。
- スプラッシュ社:清涼飲料『スプラッシュコーラ』などを製造している企業。TOPSのセイリングループに対し、コーラのレシピを盗むための産業スパイを送り込まれたとして特許侵害で提訴している。
- マスコミ
- テレビエリー:テレビ局。ストーリー中でも同局の生中継の様子がテレビに映される形でたびたび登場している。やけに口汚い眼鏡姿のアナウンサーが印象的。
- シティ速報:街中のニューススタンドにて販売されている新聞。
- NEBCニュース
- OBC:シャチがマスコットのテレビ局。
- その他
地理
- 六分街
主人公兄妹が住んでいるヤヌス区の一画。
小さな下町だが比較的治安が安定しており、住み易い街年間ランキングの上位常連。
兄妹が経営するレンタルビデオ屋「Random_Play」をはじめ、麺屋「滝湯谷・錦鯉」、ホビーショップ「BOX GALAXY」、雑貨屋「141」、ゲームセンター「GOD FINGER」、ポンプカスタムショップ「TURBO」、喫茶店「COFF CAFE」、ニューススタンド「HOWL'S」、CDショップ「吟遊ニードル」が点在しており、プレイヤーは各店で販売されているアイテムを購入、強化していく。
- 黒雁街跡地
旧都に近い位置にある工業区。
新体制になった白祇重工の主な拠点で、多くの作業員や取引企業が忙しなく働いている。
- ルミナスクエア
ルミナ区の中心に位置する商業地帯。
新エリー都の中でも有数に繁栄しており、治安局ルミナ分署、HIAキャリアセンターなどが点在している。
また港湾部でもあるため、貨物船やフェリー等が往来している。
- バレエツインズ
ホロウに飲まれ、運営社諸共滅んだ商業施設タワー。
建物自体は心霊スポットとして、跡地とホロウがよく見える廃駅前広場はデートスポットとして人気らしい。
- スコット前哨基地
旧都を飲み込んだ零号ホロウの眼前に設営されし軍事施設。
H.A.N.D.や防衛軍などの公的機関が、日々警戒と資源採取を行っている。
- ブレイズウッド
新エリー都南部の郊外の荒野にある小さな町で、カリュドーンの子の拠点の一つ。
様々な理由で都市生活を望まない人々が暮らしている。
- H.A.N.D.本部
生活感のない軍事エリアに聳える大きなビルで、関係者以外は立ち入り禁止。
対ホロウ6課等の執務室もここにある。
- ポート・エルビス
大海原や大橋が見える小さな埠頭。
「エルビス」は希望という意味で、大災害の折に重要な物資輸送を担い、住民避難の拠点ともなった事で、その重要性を強めたという。
旧都全滅後は廃れかけたが、周辺の水深が適していた為ドックの再建や海上風力発電施設の建設が行われ、さらに海を眺めるのに適した遊歩道の存在もあり、現在も近隣住民の憩いの場として親しまれている。
- リバーブ・アリーナ
どこかの地下トンネルを改造して作られたイベントホール。
若者間によるアート活動が盛ん。
- ミネルヴァ地区
旧エリー都北部に位置した街で、かつてプロキシ兄妹が住み、7番通りにへーリオス研究所が在った。
現在は零号ホロウの震源地として、奥深く飲まれ滅んでいる。
- その他
他にも街の区画として、五分街、十四分街、十七分街、二十二分街、三十四分街、五十一分街、スロノス区、ファヌス区、ウルカヌス区などが存在する。これらは現状言及だけで、実際に行く事は出来ない。