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概要

体はだが、頭だけが人間妖獣

頭が良く、人間の言葉を理解する。

予言と予知の能力に秀で、特に災害がある年には「くだん」が生まれると信じられた(予言を行った後に短命の内に命を終えるとも)。

近世から発生したもので、中国の白澤(ハクタク)が原型であるともされる。

  • 西日本でしか知られていない妖獣だったため、内田百閒が1920年に『件』というssを書いた際には「内田がでっち上げた珍獣」と誤解された。「恐くて不思議な話が好き―白石加代子の百物語」によると、鴨下信一は「内田のでっち上げ」説を採り、ミノタウロスと関連つけている。
  • 水木しげるの『妖怪事典』には、幼少時に父親から聞いた話として、「件」が掲載されている。
  • 小泉八雲は『日本瞥見記』に元同僚から聞いた話として、見世物師が美保関に来た時、遠雷とともに烈風が吹き、一座が不浄な「件」の剥製を持ってきたため美保神社の神の怒りに触れたとして神主に立ち退きを命ぜられたことを記載している(1892年8月31日)。
  • 白川静によれば「件」の字は、もと「人偏に半」だった可能性が考えられ、近世以前の文献に全然出てこないなど「件(クダリの音便)が この妖獣から生まれた説」は俗説であるとしている。
  • 南方熊楠全集の第3巻(P470)には、紀州で「件」が飼われていて、それはもふもふしておらずもないが「顔がまるで牛」で(牛面人身タイプ)、白痴レベルの知能なのに正しく予言をするので、「そこから『拠って件の如し』という語が生まれた」という話が収録されている。柳田國男には「拠って件の如し」の言い回しが巷間に広まったのがいつなのかは分からないと答えた。また、「インドでは誓約の際牛を連れてくる」という習俗も紹介している。
  • 別府温泉・八幡地獄の「怪物館」では牛面人身タイプの「くだん」の剥製が展示されていたが、1963年に閉館となり処分された。
  • 小松左京の短編小説『くだんのはは』にも牛面人身の「件」が登場し、石ノ森章太郎が漫画化しているが、これは第二次大戦の敗戦間際、神戸市周辺に広まった都市伝説に取材したものである。
  • とり・みきは『くだんのアレ』で、『日本俗信辞典・動植物編』の男性の牛姦によって「件」が生まれたという説を取り上げている。また、「娘が野良仕事をして昼寝をしている際、山からけだものが降りてきて、女に『わるさ』をする。後月満ちて生まれた異形の子供には、男親によってヘビクダン、ウサギクダン、クダンなどがある」という広島県北部の伝承も取り上げている。

関連タグ

くだん クダン ケモノ 九段 牛娘

キモ春香(形状がそっくり)

うづパカ(体がアルパカで頭が人間)

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