概要
特撮バラエティ番組『ウルトラゾーン』第6回のドラマパート。記念すべきドラマパート第1話である。
凶悪宇宙人と名高いザラブ星人が地球の未亡人の女性との交流を経て、人を愛することの意味を知っていくという内容になっている。
ストーリー
とある民家で、一人の女性が宇宙人の肖像画を描いていた。
その宇宙人ことザラブ星人は女性・池谷ミツ子に、地球には写真という高度な文明の機器があるのに何故使わないのかと尋ねるが、ミツ子は「絵だって人が生み出した文明の一つ」「この絵とこの絵を描いている時間は私とあなたにしか作れないわ。なんかわくわくするでしょ?」と返した。
数日前、(おそらく)地球を侵略するためにやってきたザラブ星人は事故によって円盤が墜落し、肩を怪我してしまった。どうにか治療をしようと彷徨っていたところ、たまたま近くにいた未亡人の画家であるミツ子と知り合ったのだった。
最初は姿を見られた口封じに殺そうとしたが、怪我が原因で腕を動かせずミツ子に治療をしてもらった。
その日から星人を今は亡き夫に似ているというミツ子とザラブ星人の奇妙な共同生活が始まった。最初は慣れない地球の文化に悪戦苦闘するザラブ星人だったが、ミツ子と共に暮らす中で様々な事を学んでいき、いつしか好意を抱くようにまでなった。
そんなある日、ミツ子と郊外に出かけたザラブ星人は彼女に喜んでもらおうと遺影で見た彼女の夫の姿に変身するが、逆に拒絶されてしまった。
拒絶された理由が解らず傷心するザラブ星人だったが、仲直りにと以前一緒に作った花の冠を作って帰宅する。
しかし、そこでミツ子が倒れているのを発見した。
病院に運ばれるミツ子。実はミツ子は余命いくばくも残されていなかったのだった。
その命が尽きようとしているミツ子に、心の意味を諭され最期を看取ったザラブ星人。そして彼は姿を消したのだった。
その後、主を失ったミツ子の家にはザラブ星人との思い出の品と共にザラブ星人の肖像画が、亡き夫の遺影のところには「THE LOVE 我が夫」と書かれた肖像画が置かれていた。そしてそこに描かれていた夫もまたザラブ星人だった。
スタッフ・キャスト
スタッフ
監督:田口清隆
脚本:松野拓行
キャスト
池谷ミツ子:丘みつ子
ザラブ星人の声 / ミツ子の夫:関智一
スーツアクター:岩田英慶 外島孝一