第二次世界大戦中にドルニエ社が開発し、ドイツ空軍に採用された双発爆撃機。
Do215から発展した機体のため外形は似ているが、一回り大きく重くなっている。爆弾の搭載量はM型で4tあり、ハインケルHe177が開発されるまではドイツ空軍最大の爆撃機だった。
ドイツ軍爆撃機の常でDo217にも急降下爆撃能力が求められ、後期型にはダイブブレーキが装備されたが、機体強度上無理があった。
1944年5月までに1,905機が生産された。
試作機のエンジンはDo215と同じダイムラー・ベンツDB601B(液冷倒立V型12気筒、1,085馬力)だが、最初量産されたE型ではBMW 801A(空冷2重星型14気筒、1,539馬力)となり、1944年のM型からはダイムラー・ベンツDB603A(液冷倒立V型12気筒、1,726馬力)となった。
Do217Mの最高速度は560km/hを記録した。
K-2型から、誘導爆弾フリッツXを搭載できるようになった。
1943年9月9日、連合軍に引き渡されるためマルタ島へ向かうイタリア戦艦「ローマ」を、K-2型がフリッツXで撃沈したとされるが、Do17、もしくはHe111という説もある。
レマーゲンにあるルーデンドルフ橋破壊にも駆り出されたが、成功しなかった。
夜間戦闘機型としては、E型改造のJ型や、M型改造のN型があった。
1943年1月から生産されたN型は、リヒテンシュタイン・レーダーを搭載し、地上レーダーによる誘導管制も相俟って戦果を挙げられるようになった。シュレーゲ・ムジーク(斜銃)を搭載した機体もある。
Ju88夜間戦闘機型などの生産が軌道に乗ると、一線を退いた。