概要・あらすじ
歌舞伎座の跡取り息子で歌舞伎の女形である藤井菊之助は、父・藤井菊右衛門に女形修行として女子校である黒髪学園に編入することを命じられた。しかし、編入早々エッチなトラブルを起こしては風紀委員長・時巻あおいに竹刀でお仕置きされるというオチで終わるというパターンが多い。後輩・河原五十鈴を交えたドタバタコメディの1話完結方式で物語が進む。
『ヤングチャンピオン烈』10月18日発売11号にて、『オヤマ!キクノスケさん』というタイトルで続編が連載された。
そのあらすじは、昔、女形の修行で名門女子校に編入してきた男・藤井菊之助がいた。彼は女子たちの悩みを解決し続けて信頼を得る存在となっていた。やがて、いとこである同級生で風紀委員長・時巻あおいと結婚した後、さらなる修行を重ねるため、世界を股にかけていた。前作の最終回で渡米した菊之助は、それ以降消息不明となったまま18年が経過した。
あるところに、宝塚歌劇団と比肩するほどの人気を誇る黒髪歌劇団という劇団一座の館があった。そこに男役として入団するという「長身の少女」は道に迷い、劇団の女優たちの着替えを偶然見て赤面。それと同時に覗き見していた男がいた。そう、彼があの藤井菊之助であった。菊之助は黒髪歌劇団の団員の世話をする生徒監を務めており、父親代わりという意味で女優たちからは「パパ」と呼ばれて慕われる存在でもあった。
菊之助は「長身の少女」が新人であることを察し、女優の1人・ホップをはじめとして迎え入れられる。団員宿舎に案内された「長身の少女」は、菊之助により男役を演じるための衝撃的でエッチなレッスンを施される。菊之助に「あったことがない父親に会ったらまず何をしたいか」を問われてその答えを見つけ、「合点(劇団用語で悟りの境地を開くこと。いわゆる賢者モード)」に至る。そのレッスンが成功した後「長身の少女」は、「自分の父親は歌舞伎役者で女形修行のために世界を回っている」と語り、また劇団での役名・ニックネームを父親の名前からもらうと宣言。その名は「キクノスケ」。
彼女は、その父・藤井菊之助も会ったことがない娘であることを示唆したのであった。
しかし、菊之助は自分が実父であることは明言しなかったが、これは、劇団員のホップの話によると、海外滞在中に事故で記憶喪失になったとのことであり、志半ばで現在の生徒鑑を務めている事実が判明した。なお、菊之助自身は娘が自分の名前を言った際には反応こそしていたが、自分の名前すらも忘れていたらしく、今でも「パパ」の呼称で通している。
登場キャラクター
藤井菊之助(ふじい きくのすけ)
主人公である、歌舞伎の女形。名門の歌舞伎・藤井一座の跡取り息子。父に命じられて女形修行名目で女子校・黒髪学園に編入するも、スケベな性格が災いしてあおいにお仕置きされることがしばしば。最終回では渡米する。
『キクノスケさん』では黒髪歌劇団の生徒鑑を務めており、女優たちからは生徒たちの父親役という意味で「パパ」と呼称されている。また、海外滞在中に事故で記憶喪失になっていたことも判明しており、パパの通称がついたのも自分の名前も忘れてしまった可能性が高い。
時巻あおい(ときまき あおい)
メインヒロインの1人。黒髪学園風紀委員長の3年生で、菊之助の制裁役。しかし、共に過ごすにつれて菊之助に対して素直になれないが、実は彼とはいとこであることが判明した。最終的には菊之助のことを認め、渡米する彼を見送った。
河原五十鈴(かわはら いすず)
ヒロインの1人で眼鏡っ娘。黒髪学園風紀委員の2年生だが、委員としての立場はイマイチ。あおいとは違い、菊之助に明確な行為を示している。実家は資産家。
『キクノスケさん』から登場。黒髪歌劇団の男役として入団した長身の少女。身長180㎝。その正体は菊之助とあおいとの間に生まれた娘(であることを劇中で示唆)。会ったことがない父との再会を望み、母・あおいの反対を押し切ってまで役者の世界に踏み入れる。その末に、気づかないまま父・菊之助と再会するが、男役としての洗礼(と称したエッチなレッスン)を受け、女優の一人・ホップ達から迎え入れられる。
生まれつき、自己暗示しやすい体質であるがゆえに、指導を受けていくたびに頭角をあらわにしていく。さすがは役者で芸事に優れた父の遺伝を強く引き継いでいるといったところか……。
『キクノスケさん』から登場する黒髪歌劇団の女優の1人。本作における説明キャラ(狂言回し)。
菊之助をパパと呼び慕っており、また、彼の経歴についても一部知っている。なお、黒髪歌劇団は過去の経歴については不問なのがルールであるが、キクノスケがパパ(実父)について知りたいと問われたため、やむを得ずに話した。
パパにより、キクノスケの短所を見つけてそこを伸ばすように彼女の指導をするが、そこがチョメチョメな展開になり自身が「娘役属性」に目覚めてしまう。