概要
黒博物館シリーズ第二弾。
ロンドンのドルリー・レーン王立劇場に出るといわれた幽霊「灰色の服の男」と、歴史上の偉人を絡めたダークファンタジー作品である。
『黒博物館スプリンガルド』同様にロンドン警視庁の犯罪資料館「黒博物館」の学芸員と幽霊「灰色の服の男」との回想という形で物語が展開される。
ストーリー
ロンドン警視庁の「黒博物館」に展示された「かち合い弾」と呼ばれる謎の銃弾。
ある日、銃弾同士が正面からぶつかり合って潰れている不思議なその弾を見せて欲しいという老人が訪れた。
学芸員が老人を「かち合い弾」まで案内すると、彼はこの弾の由来を話すという。
すると突然彼の身体から一体の幽霊が現れた。彼は自分を「灰色の服の男」だというのだ。
生前決闘代理人だったという彼が言うには、人々は知らず知らず互いに「生霊」を飛ばし合い相手の心を折ろうと争っているのだと。
劇場は観客が劇に熱中している間「生霊」を飛ばさない静かな場所だから好きなのだという。
そんな彼の元に一人の若い女性が訪れて、自分を取り殺して欲しいと依頼してきたのだ。
彼女の名前は「フロレンス・ナイチンゲール」。
後に近代看護教育の基礎を作り上げた偉大な看護師である。
運命の出会いを果たした二人。
「灰色の服の男」と「ランプの淑女」の不思議な冒険が始まる。