概要
名前の漢字表記は岩沢雅美。
「死後の世界」での大人気のバンド『GirlsDeadMonster』(通称ガルデモ)のボーカル担当。生粋のミュージシャン。最初に拾ったアコースティックギターを、いつも大切に持っている。
貧乏で、両親が非常に不仲な家庭に生まれる。子供の頃から豊かな歌唱力と天性のギター演奏技術を持ち、歌うことが大好きだった。だがアルバイトでの過労と、両親のモメ事のとばっちりで受けた怪我が原因となり、夢半ばで死去してしまう。
第1話や第2話でも登場しているがここでは殆ど目立たず、ほぼモブに近い扱いだった。
第3話にて急に目立ち始め、音無に生前のことを語ったりなどをして見事に死亡フラグ(すでに死んでるのでこの言い方は微妙だが)を立ててしまい、夢を叶え”心残り”を解消したため”死後の世界”から消滅してしまい、物語から早期退場してしまった(OP・EDからも消失)。
実は無類のうどん好きらしく、生前はバイト代の半分は全国各地のうどんの食べ歩きに費やすほどだったという。
Heaven's door
『Angel Beats!-Heaven's door-』(公式前日談コミカライズ)では、死後の世界にきた後にガルデモを結成するきっかけが語られている。
死後の世界にきて間もない頃にひさ子と出会い、彼女にギターと歌の上手さを褒められてバントを組むことになる。
当初は2人で演奏して満足していたが、ゆりと出会ったことによって戦線がスポンサーになった上に戦線の陽動としての一歩を踏み出す。(この時点ではまだ正式な戦線の一員ではない)
ゲーム「Angel Beats! -1st beat-」にて
※ここから先はゲーム「Angel Beats! -1st beat-」のネタバレが含まれるので注意
2015年6月26日、テレビアニメ放送から約5年ぶりにゲーム媒体にて「Angel Beats! -1st beat-」が発売された。
そこで記念すべきゲーム版第一作でのメインヒロインに大抜擢された。
アニメでは早期に退場してしまったが、今作では彼女の以外な一面や可愛らしい部分が垣間見れる内容となっている。
音楽を愛する岩沢に惹かれた音無が彼女を落とすまでの微笑ましい青春ストーリー
…だったら良かったのだが…
岩沢シナリオでは、序盤はアニメに沿った流れで進む。
しかしアニメ第3話に該当する天使エリア侵入作戦決行中、嫌な予感を察知した音無の妨害により岩沢の最後の演奏が中断され消滅を免れた事で、アニメとはまったく違う展開が繰り広げられる事になる。
日々のSSSの活動の中で岩沢ないしガルデモのメンバーと親睦を深めて行った音無はいつしか岩沢に心惹かれて行き、(関根と入江のお節介があったとは言え)告白に成功し晴れて恋人同士となる。
しかし、音無と岩沢の間に「愛」が芽生えた事でアニメ後半と同じく影の侵攻が始まってしまい、さらに高松がNPC化した事でゆりから仲間をこれ以上犠牲にしない為にも岩沢と別れる事を命じられてしまう。
岩沢とくっつける為に音無を焚きつけた関根と入江、そしてその行為を止められなかった責任としてひさ子も協力し、後悔も残らないように徹底して絶望するようにとの事で一芝居うち、最悪の形で破局を迎えた。
影の侵攻は収まったが、罪悪感に耐えられなくなった音無は精神的に病んでしまい、自分でも何をしでかすかわからなくなった音無は野田に頼み森の奥に拘束された。
永遠の苦しみが続くかと思われたが、森に雷が落ち意図せず解放された音無はそのまま死亡してしまうが、次に目が覚めた時、とある小屋の中で岩沢と再会を果たす。
岩沢は音無と別れたあと森の奥に小屋を建て、心の傷が癒えるまでひっそりと暮らそうとしていた。
自分が音無と別れた事で影の侵攻が収まり、影の発生の原因が自分達のせいだと察し、学園には戻らないつもりでいたが、やはり音無への愛は変わらなかった。
再会を果たした音無と岩沢はそのまま本能の赴くままに交わり、翌日に約生後7ヶ月の胎児を授かる事になる。
ゆりに報告し最初は驚愕されたが、祝福され、SSSのメンバーと協力しおなかの子が生まれるまで影の脅威と立ち向かう事を決心する。
本来は天使エリア侵入作戦の時に消えるはずだった彼女が消えなかったのは、音無と恋人になった事で「幸せな家庭を築けなかった事」が心残りとなっていたためであり、おなかの子供が生まれるまでは岩沢の心残りの成就と自身の記憶の復活を目的に日々を過ごす事になる。
おなかの子の名前は音無が「初めて音を奏でる」という意味で「初音」と名付けた。
奇しくもそれは生前の音無の妹と同じ名前だった。
川にピクニックに行ったり、ガルデモのメンバーと共に結婚式を行ったり、高松に報告したりなどして穏やかで幸せな日々をおくっていたが、おなかの子はなかなか生まれず、徐々に戦線のメンバーは疲弊して行き、音無はゆりに呼び出され、ついに「岩沢を成仏させる」提案を受ける事になる。
「この世界では生ある物は生まれない」という言葉の通り、岩沢のおなかの胎児は「生後7ヶ月を保ったまま永遠に生まれない子供」だったのである。
その事実を無理やり受け止め、花壇にいる岩沢に会いに行き最期の会話を行う。
岩沢はおなかの子供は永遠に生まれない事実に気づいていた。
おなかの子に歌を聴かせながら音無に「この子は自分達家族に囲まれて幸せだったか」と問き、音無はそれを肯定。
それを聞いた岩沢は「最高に…幸せだ」と言い残し、満足して消滅した。
岩沢が消えた後音無はひさ子から、結婚式の時に貰った紙の指輪が実は手紙だったと聞かされる。
数日経って心の整理をつけ、学校の屋上で音無はその手紙を広げ読み始めた。
手紙にはもうこの手紙を書いている時点で十分幸せであり、いつ消えてもおかしくない事。
自分と音無が愛し合っていた事に嘘偽りはないという事。
おなかの子は神様が用意してくれた依り代だった事。
自分が消えたら後に残される物はかつて指輪だったこと手紙だけという事。
この世界での時間は恐ろしいほど長く、今後も新しい出会いもたくさんあるだろうから自分という存在を引きずってほしくないという事。
だからこの手紙を読んだら手紙をやぶり捨てて自分を忘れてほしいという事等が書き連ねられていた。
手紙を読み終わった後、書かれていた通り悲しみに打ちひしがれながら手紙を引きちぎった音無。
翌日彼は以前結婚報告した高橋の元に行き、彼女が消えてしまった事を報告する。
高橋は授業は二の次と。そして一緒に飲み食いして騒ごうと彼を食堂に誘った。
音無は泣き顔を見られたくないと高橋の肩に顔を埋めながら歩き出した……
最後に。
たくさんの幸せをありがとう。
音無雅美