共感覚とは、外部から感覚刺激を受けた時に、本来もたらされるべき感覚とは異なる感覚要素も同時に刺激されることをさす。
たとえば
といった事例がある。
見てのように、本来の刺激に加えて視覚刺激が付随されてもたらされることが多い。
共感覚者自身は、そのことをだれにでも備わっているわけではないと認識していることが多いが、共感覚そのものを不快に感じていることはめったにない。むしろ記憶の一助やデザインセンスの発達に利用している事例が多い。
脳科学から見た共感覚
ある刺激を脳の一部で受理すると、その受理した部位が興奮する。たとえば、バイオリンの音を聞くと、聴覚を認識したり処理したりする脳の特定野が興奮して「バイオリンの音が聞こえた」と判断する。
共感覚の持ち主では、その受理した部位に隣接している脳の部位も同時に興奮する。このとき興奮する部位は、視覚に関係したものが多い。
すなわち共感覚者がバイオリンの音を聞くと、音はもちろん聞こえるわけだが、同時に視覚の処理や認識に携わる脳の感覚野が作動して、音に色が付いたり形が備わったりという感覚をもたらすのである。