概説
読者から小説の原案を募集し、ドラゴンマガジン編集部に届いたハガキの中から選ばれた優秀作を山本弘が小説化するという企画。雑誌連載は全6話、12回。
連載終了後、通常追加採用2作と特別功労賞1作が追加採用され、単行本に収録された。
なお、企画開始前に第0話として「野獣、故郷に帰る」という作品が雑誌掲載されているが、単行本には未収録であり、2014年現在未だ書籍化されていない。
この企画の採用作の一本はのちに「サーラの冒険」のラストに大きな影響を与えることになった。
本企画をもってリプレイ以外のソード・ワールド連載は一旦終了することとなる。
シリーズ名の由来
「シアター」は映画の劇場を意味しており、「様々な映画が上映される劇場のように、バラエティに富んだストーリーが楽しめる連載」になるよう願って名づけられた。
作品一覧
(作品名/原案/原題)
①帰ってきたドラゴン
帰ってきたドラゴン | 黒騎士 | 帰ってきた女必殺拳 |
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海魔の女王 | 泉森浩志 | そして、海へ還る日 |
狂える館の復讐~隅の冒険者の事件簿~ | 清水零壱 |
②熱血爆風!プリンセス
熱血爆風!プリンセス | 大竹雅樹 | 暴れん坊王女 |
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魅入られし者 | 市川 | |
時の果てまでこの歌を | 照屋剛 | 愛に時間を |
③鏡の国の戦争
鏡の国の戦争 | かみはらひろひと | ミラー・メイズ |
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魂の絆 | 矢麻乃空彦 | 俺は生きている |
狂える森 | 児玉晴雄 |
特記事項
1、2、5話と単行本第一巻の書き下ろしを除く過半数が過去の山本作品に登場した人物が主人公であり山本作品の前伝、後伝に位置づけられる内容になっている。
雑誌掲載時に井上純弌が担当した挿し絵のモンスターイラストの破壊力が尋常ではないのも特徴である。
第2、3話ではSAN値が減少する絵(怪物マローシュによるラーゴン誕生、ゾンビ誕生、特に前者はその直前のページにギャグ絵があるためノリノリでページをめくるとちびってしまう可能性がある)、第5話ではグロテスクな絵(ドレックノール盗賊ギルドの裏切り者への制裁)が存在した。
この企画において、「善良なファラリス信者」と「古代王国の魔獣創造施設」の流行にストップがかかった。