ツーリングカーベースとしたドイツで行われるレース。DTMとも。
(Deutsche Tourenwagen Mastersの略称である)
概要
元は同名、DTMでDeutsche Tourenwagen Meistarshaftとして、グループA規定で始まったのが最初である。
ドイツ国内メーカーで生産されるツーリングカー(セダン車)をベースに改造を施し、スプリント形式としてシーズンを渡っていくレースカテゴリである。
歴史
概要冒頭のDTMが元である。旧ドイツツーリングカー選手権と称して、現在の元区別される。当初はグループA規定であったが、FIAによる度々のテコ入れが功を奏し、ドイツにおいて絶大な人気を誇るレースとなった。メルセデス・ベンツ 190E エボリューションや、アルファロメオ 155 V6 TIはこの時代の猛者である
しかしFIAのテコ入れが入りすぎたせいもあり、コストが高騰により1996年、一旦幕を下ろす事となる
第2期(現在のDTM)
2000年に各メーカーの協定によりDTMは現在の名称に変更し、復活することになる。
現在エントリーしているのはメルセデス・ベンツ、アウディの二社のみであるが、2012年よりBMWも参戦決定しているため、今後一層の盛り上がりを見せるだろう。
マシンメイク
エンジンは専用設計のV8エンジンをフロントに搭載し、リア駆動させるFRレイアウトである。
性能的にはSUPER GTのGT500クラスが近いが、あくまでもエンジン性能である
ABS、トラクションコントロールなどの電子制御デバイスは一切禁止されており、ギヤボックスは事前に用意された2種類からの選択となる。
また、派手なエアロデバイスを持つのも特徴である。リアからの眺めは圧巻の一言である。
参戦車両
・メルセデス・ベンツ
AMG Mercedess C-Klasse(C-クラス)
・アウディ
A4
・BMW(2012年参戦)
M3
こぼれ話
ちなみにDTM、クラッシュがとても多いことでも有名である。
スプリントレース、電子デバイス無しなどの様々な理由が考えられる。
接触でカナードが取れるなど朝飯前であり、ウイングが吹っ飛ぶ、脱輪する、バンパーがパージする等々、ユノディエールでスピンして宙を舞ったCLKも苦笑いの芸達者なドライビングを見ることもできる。
一つ面白い話として、2010年シリーズ最終戦の上海サーキットで起こった事例を上げる。
規定周回の75%以上のラップを重ねてチェッカーまで残り7分、レースも最終盤である。コーナー進入で争っていた2台のうち1台が制御を失い、道連れと言わんばかりにもう1台も一緒にスピン。大事には至らなかったもののコースを完全に防いでしまいそのままレッドフラッグ→レース終了となった。なんとも間の抜けたケースである。市街地コースも使うDTMならではの珍アクシデントだろう。
余談だがDTMにはトップカテゴリとしては珍しく、女性レーサーが2名参戦している。
また、「ペヤング先生」の愛称で親しまれる、デビッド・クルサードが活躍しているのもこのDTMである。
ピット作業の速さにも定評がある。3.0秒で全てが完了してしまう彼らの息ぴったりの作業もDTMの醍醐味だが、焦りすぎて失敗してしまうのもよくある話だ。