ジャック・スパロウ
じゃっくすぱろう
概要
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの主人公で、海賊船ブラック・パール号の船長である。
皮肉屋で現金、人を食ったような態度で他人と接する掴みどころのない男。
そのくせおしゃべりでお調子者の上に我がままなため、傍から見れば大口を叩いて人をおちょくる嫌な奴にしか見えない。
なにより重要なこと、特に自身の個人的なことに関してはとことん秘密にする主義で、このクセが元で劇中でも様々な混乱と災難に見舞われている。
その一方、海賊でありながら残虐な行いを嫌い、非道になり切れず情に脆い部分もあり、『流血とは縁の無い海賊』という異名があるほど。
小物臭さとは裏腹にときに友人や縁者のために力を振るい、剣術等の腕っぷしはウィル・ターナー達よりは劣るも、巧みな話術による交渉で相手を丸め込み、大胆な奇策と天性の勘の鋭さで、自分よりも強い相手を出し抜いて撃ち負かしてしまうという策士な一面がある。
色々と性格や素行に問題があり、いまいちつかみどころの分からない人物だが、根は小心者のロマンティストで、海賊という今の身分を愛しており、自由を何より尊ぶ。
世界各国の海を渡り歩き、その人脈の広さはおそらく一国の領主といえど比べ物にならないレベルで、遠くの東洋の海賊や海の果ての魔女、さらには黄泉の国の人間とすら交友を持つ。
また悪運にも凶運も付きまとわれており、常にトラブルを呼びながらもしぶとく生き抜いている。
各章の動き
- 『呪われた海賊たち』 (25歳 → 35歳)
本編開始より10年前、雇っていたバルボッサの裏切りにより大事なパール号を奪われ、自決用のピストル一丁と共に無人島へ置き去りにされるという屈辱を味わう。
流れ着いた大きな港町「ポートロイヤル」で、総督の娘・エリザベスがバルボッサに連れ去られる事態に出くわし、彼女を助けたい青年・ウィルに共闘を持ちかけられ共に共通の敵を倒す航海へと旅立つ。
- 『デットマンズ・チェスト』 (38歳)
13年前、デイヴィ・ジョーンズと交わした契約の催促が迫り始め、彼が隠した心臓を見つけ出してチャラにさせようと考えだす。しかし、道中迷い込んだ島で原住民に首長として祭り上げられる形で囚われてしまい、3年前(前作)の共闘の件をダシに「東インド貿易会社」に占領された故郷を開放すべく、ジャックを探していたウィルの手助けで脱出に成功。
そのままジョーンズの心臓が眠る島に到着したまでは良かったが、それを皮切りに誰もが自分の事情を優先した、サイテーの裏切り合戦へと身を投じるハメになる。
- 『ワールド・エンド』 (38歳)
裏切りの末ジョーンズ率いるクラーケンに敗れ、パール号共々この世とあの世の狭間に閉じ込められた結果、酷い妄想癖を患ってしまう。
力を得て助長したペケットに対抗すべく"9人の海賊長"を欲したバルボッサ達に連れ戻されるが、恨みを忘れてはおらず、ウィルとエリザベスをそれぞれの陣営に放逐してしまう。
合流後の海賊の拠点では、持ち前の悪知恵によって海賊長たちの意見を早々に纏める事に成功し、軽い交渉後の最終決戦では敵戦を内部からひっかき回す事になる。
- 『生命の泉』 (54歳)
再びパール号を持ち逃げされてから16年。英国の首都ロンドンに流れ着いていたが、軍に逃走劇むなしく捕まり、公賊となっていたバルボッサと共に「生命の泉」の奪取を命じられる。
凶悪な人魚が住まう島で、かつての恋人だったアンジェリカや、パール号を奪っていた最悪の海賊・黒ひげとの陰惨な泉争奪戦へと赴いていくのだった。
- 『最後の海賊』 (59歳、25歳)
パール号を復活させる方法が分からないまま早5年。運に見放されたジャックは悪行も失敗続きでギプス達にも見限られ、懸賞金も1ドルにまで暴落。コンパスとの盟約も忘れて酒のカタに売り飛ばした結果、キレたコンパスに自信を恨む旧敵を解き放たれてしまうという、海賊王とは思えない落ちぶれっぷりを見せていた。
ウィルの息子・ヘンリーにダッチマン号の呪いを解く「ポセイドンの槍」の捜索を頼まれるも、実質的に活躍したのはバルボッサで、彼自身はほぼ何もしてなかったりする。
そんな本作では彼の全盛期と言える、強かでカリスマに溢れていた若い事の姿も描かれている。