共和制
きょうわせい
人民が統治の決定権を持つ制度。
概要
古代ローマの"Res Publica"が語源でラテン語で「公共のこと」を意味する。
日本語ではこの政治体制を共和政、これをとる国を共和国、この政治思想を共和主義と呼ぶが英語では"republic"の一語で表される。
この政体は、『間接民主制』『議会民主制』『代議制』とほぼ同義語とされ、選挙などのある一定の方法によって民意の代表者を選出し、自らの権力をその代表者に託して行使することで、間接的に意思を政治に反映させる政治制度のことを指す。
よく誤解されるが、共和制は君主制の対義語ではない。
フランス革命後にフランス軍を率いた将軍ナポレオンは、ルソーが説いた民主主義(これが現代における民主主義の発露とされる)の思想に若い頃から傾倒していたが、後に皇帝となっている。
このことに関してナポレオンは
「私は、つねに主権は国民にあると考えていた。事実、帝政は一種の共和制なのだ」
「私は古代ギリシアの共同体国家(ポリス)が行ったことを、この国で実現したかったのだ」
と語っている。
事実、日本には皇室があり、イギリスには王室があるが、日本もイギリスも制度としては議会民主制(代議制)を採用しているため、「共和制国家」と言っても矛盾しないのである。
ここでナポレオンが言っているのは古代ギリシアの「共和政」のことで、『民主制』『貴族制』『君主制』という3つの国家形態を包括した(全部ひっくるめた)概念である。
つまり共和主義は『民主制』でも『貴族制』でも『君主制』でもどれでもよいわけであり、君主を倒して革命を起こせば共和主義・民主主義というわけでは断じてないのである。