この記事は原作単行本、テレビアニメのネタバレを含みます。
概要
cv:子安武人
壁内人類と敵対する「戦士」の中で戦士長と呼ばれる男性で、ライナー、ベルトルト、アニの上司にあたる。
壁外から来た巨人化能力者の一人。戦闘の時は獣の巨人に変身し、砕いた岩を野球の投球のように投石する攻撃をする。
原作35話から「獣の巨人」として登場していたが、同70話にて人間態としての姿を現す。
(因みに容姿事態は2014~2015年に開催された「進撃の巨人展」にて先行公開され、
「物語の鍵を握る謎の男」として紹介されていた。)
眼鏡をかけた大柄な体格の男性で、その顔立ちから主人公エレンの父であるグリシャ・イェーガーとなんらかの関係があるのではないかと推測されていた。
活躍(原作ネタバレ注意)
戦闘力は巨人化能力者の中でも非常に高い。ライナーとベルトルトとはシガンシナ区で合流しており、今すぐにでもアニの救出に向かおうとしていた2人を力付くで止め、仲間を救出することより
「座標」の奪還が優先であるとし、ウォール・マリア奪還のためにいずれやって来るエレンたちを待ち構えていた。
「ウォール・マリア奪還最終作戦」では巨人化し、用意させていた多数の巨人たちと共にシガンシナ区郊外に出現。内門の外側を巨人たちに包囲させて調査兵団を孤立させ、さらには投石攻撃で追い詰め、シガンシナ区外にいた調査兵団を全滅させるも、密かに接近していたリヴァイによって圧倒される。ついには巨人体から引きずり出され、追い詰められるが部下と思われる四足歩行の巨人に助けられて逃げ延びた。その後、壁内にて「超大型巨人」を討ち取ったエレンの前に姿を現す。
エレンは目の周りの巨人化の跡から、彼が「獣の巨人」かと推測するが、一方でジークはエレンを
見て「全然父親に似ていない」と発言する。
予想外の言葉に驚くエレンに、ジークはさらに「自身はエレンの理解者である」こと、「同じ父親の被害者」で、「エレンは父親(グリシャ)に洗脳されている」と語りかけた。
エレンもまた、彼からグリシャの面影を感じ取っている。
その後、猛追してきたリヴァイから逃げる際、エレンに対し「いつか救い出す」と発言した。
壁内に来た目的は、ライナーとベルトルトを回収する為であったが、
既に討ち取られていたベルトルトの回収は断念し、ライナーを救出する。
その後の動向は83話以降分からなかったが、92話でライナーと共に再登場を果たす。
エルヴィンに匹敵する程の知略を張り巡らせ、目的のために非情な判断も躊躇わないが、その根底には「自分たちで全てを終わりにしたい」という悲壮にも似た思いがある様子。
正体
グリシャとの関係は、86話にて判明。
その正体は、グリシャと彼の前妻にあたるダイナ・フリッツとの間に生まれた息子。
つまり、グリシャの後妻カルラの息子であるエレンからみて異母兄にあたる。
容姿は髪の色は母ダイナと同じで、顔立ちは父グリシャに似ている。
(テレビアニメ第二期最終回でも僅かながら登場しており、確認される限り髪の色は金髪。
原作単行本23巻の表紙では銀髪らしい色。)
壁外の大国「マーレ」出身。
父グリシャは、幼少期からマーレ国を強く憎んでおり、エルディアの復権を望む「エルディア人復権派」のリーダーであった。ある時、謎の人物「フクロウ」の手引きで、復権派に合流した女性
ダイナ・フリッツと出会う。彼女は大陸に残ったフリッツ王家最後の末裔だった。
ダイナの話から、かつてパラディ島に逃げたフリッツ王家の持つ「始祖の巨人」が、
エルディア復権の鍵になるとしたグリシャは、必ずそれを奪還することを決意。
その後、2人は翌年結婚し、同年に息子のジークを授かった。
ところが数年後、マーレ政府がエルディア人の子供から「マーレの戦士」を急募し始める。
マーレはこれまで、巨人の力によって国力を維持してきたが、やがて到来する近代軍事技術の時代
に備えるため、莫大な化石燃料を埋蔵するパラディ島に目を付けた。
しかし、80年前にフリッツ王が残した「今後我々に干渉するなら壁に潜む数千の巨人を侵攻させる」という言葉に脅威を感じ迂闊に手が出せない状況にあった。そこで数人の部隊を壁内に侵入させ、島に隠れた王家から「始祖の巨人」を奪還することを目的にしたのである。
このままでは先を越されてしまうと焦燥に駆られたグリシャは、自身の息子であるジークを
スパイとして送り込むため、妻のダイナと共に「エルディアの誇り」を抱かせつつ、また敵であるマーレに忠誠を誓うように彼に洗脳教育を施した。
その結果、自身と向き合いもせず、また実の息子をも危険に晒す行為を拒絶して、7歳にして
マーレ政府に両親および「エルディア人復権派」のことを密告し、「楽園」送りにした。
グリシャは息子に裏切られた事にショックを受けるが、後に「思想を押し付けらる苦痛がどれほどのものか、自分は知っていた筈なのに」と語っており、ジークにしてきた事を悔いていた。そのため第二子のエレンに対しては自らの願いを一方的に押し付ける事はせず、エレンが自分の口で壁の外に行きたいと言った時に、秘密と巨人の力を託す事を決意した。
ジーク自身は現在でも父グリシャを嫌悪しているが、一方でライナーたちの話からエレンがグリシャの息子、即ち自分の異母弟である事に気付いており、同じ父から洗脳されているとして
弟のエレンには殺意を向けていない。
始祖ユミルの血を引くフリッツ王家の子孫であるため、自分の脊髄液を注入させたエルディア人を任意で無知性巨人にして操る能力を持ち、その巨人たちは月の光なら夜間での行動も可能である。
この能力と幼い頃に両親を売った事から、エルディア人でありながらマーレ軍部上層部からも一定の信頼を得ているものの、自分が王家の子孫であることを未だに隠しているなど腹の中では色々と抱えている様子。
年齢は明言されていないものの、密告を行ったのが7歳の時で、それを「22年前」と言っていることからシガンシナ区決戦時点で25歳、それから4年経った23巻以降では29歳だと思われる。また、23巻の時点で「任期」(=余命)が1年足らずとされており、「ユミル」の呪いが13年であることを考えると17歳前後で巨人化能力を引き継いだ模様。