CV:岸本望
概要
グリシャ・イェーガーの回想の中で登場。
マーレ国内の収容区で育ったエルディア人の一人だが、その正体はパラディ島に移住することを拒否した王族のただ一人の末裔。
一族は代々「巨人の情報」を隠し持ちながら、エルディアが革命を起こす時を待ち望んでいた。
グリシャがエルディア復権派に加入した後(詳しくはエルディアの項目を参照)、フクロウの導きで彼らの前に現れた。
エルディア人としてマーレから不当な扱いを受け、ただ一人の末裔として不安になっていたせいか、仲間を激励するグリシャを見て涙を流しながら抱きつく。
翌年2人は夫婦となり、王家の血を受け継ぐ待望の息子「ジーク」を出産。
ジークを政府が募集している「マーレの戦士」にしてスパイに仕立て上げるため、グリシャと共に熱心に教育するが、7歳になった息子により夫婦もろとも密告される。
その後、マーレ政府により拷問を受けパラディ島送りとなり、グリシャの目の前で巨人化の注射を打たれ……
「グリシャ…私は…」
「どんな姿になっても…あなたを探し出すから」
無知性巨人となった彼女は壁の外を彷徨い、超大型巨人によって壁が壊された日に壁内に侵入。
そして、瓦礫に埋もれ身動きが取れないカルラを見つけ、エレンの母を目の前で捕食した。
つまり、彼女は言葉通りどんな姿になってもグリシャの暮らす家を一直線に見つけた上、(事情を知らないとはいえ)グリシャの後妻にあたるカルラを捕食したのである。
後にこの事件は未来のエレンの力によるものであり彼女だけのせいではないと発覚したが、何にせよ彼女の願いは最悪な形で叶ってしまったのだ。
ダイナの一生は、自分に与えられた使命を夫と共に追い続けるという一見崇高なものであったが、その結果が
- 親の道具にされた子供が両親を売る
- ダイナ自身を含むエルディア復権派ほぼ全員がパラディ島で無知性巨人=無自覚な人殺しと成り果てる
- ↑の結果、ダイナ=前妻がそうとは知らずにカルラ=後妻を捕食して殺害
- 後妻の息子に凄まじい憎しみを植えつけ「死に急ぎ野郎」に変えてしまう(上述の通り未来の息子自身の力によるものなので自業自得ではあったが)
- そんな息子は巨人に憎しみを抱いた直後に父親の手で巨人に変えられてしまう(ダイナ自身がやったことではないがグリシャとダイナを発端とする一連の事件の結果ではある)
- ダイナ自身も、後妻の息子の巨人の力で無残に死ぬ
- ジーク=前妻の息子とエレン=後妻の息子が出会うも敵同士であり、兄弟愛も何も生まれない
- ジークとエレンの両方が大量殺人者と化す(エレンの方は当初は殺した相手が巨人か強盗だったのでギリギリセーフだったが、後にマーレで引き起こした惨劇を通じ一線を越える)
という地獄絵図だったことになる。
まさに『進撃の巨人』の世界観でもある「世界は残酷」という言葉を体現した存在である。
余談
- 「ダイナ」とはヘブライ語で「裁かれる」という意味である。
- 髪型と小柄な体躯のため、カルライーターの正体がダイナだと判明する以前はアルミンを疑う読者も少なくなかった。