概要
約1870年前に大地の悪魔と契約した始祖ユミルと初代フリッツ王を始祖とする、エルディア帝国の王族。始祖ユミルの直系の血筋。
2000年の歴史を持ち、長年大陸を支配していたが、約100年前にフリッツ145世(カール・フリッツ)が可能な限りのエルディア人を引き連れて、パラディ島に移住した事により、現在王家は二手に分かれている。
壁内
- フリッツ家
壁内人類の王家。「人類繁栄の象徴」とされているが、その正体は、真の王家を市民の目から欺く為に玉座に座った偽りの王家。そのため、フリッツ王も一見寡黙で思慮深い人物と思われていたが、エルヴィン・スミス処刑決定及び兵団によるクーデターが起きた際は玉座で居眠りをする傀儡の老王だった。
真の王家との関係性は不明だが、始祖ユミルの直系ではない。
- レイス家
壁内人類の真の王家。壁内移住から約100年間、偽のフリッツ王を玉座に座らせ、表向きはウォール・シーナの一貴族として、秘密裏に「始祖の巨人」と「世界の記憶」を継承していたが、845年にグリシャ・イェーガーの襲撃を受け、当主であるロッド・レイスと、妾の子であるヒストリア・レイス以外のレイス家の血は途絶える。
850年にロッドが壁内で無垢の巨人となった後、ヒストリアに討伐されると同時にレイス家の秘密が公になった為、ロッド討伐後、偽の王から玉座の地位が返上され、唯一の王位継承者であるヒストリアが玉座に就く。
壁外
- フリッツ家
大陸に残った王家。エルディア帝国崩壊後、マーレのレベリオ収容区で暮らしていたが、エルディアの復権を願い、王家の情報を教え継いでいた。
力
王家は「九つの巨人」の一つにして、全ての巨人の頂点に立つ「始祖の巨人」と「世界の記憶」を継承しており、「始祖の巨人」が持つ、エルディア人の支配・記憶改竄・身体構造操作などの力は、王家の人間しか発揮出来ない。しかし、約100年前にカール・フリッツが壁内移住後に「始祖の巨人」と「不戦の契り」を交わした事により、彼以降の王家の継承者達は真の力を発揮出来ない。
また、王家の人間が他の「九つの巨人」を継承した場合、その人物は継承した力の真価発揮に加え、自身の巨人体から得た脊髄液を含んだエルディア人を「叫び」だけで巨人化させ、その巨人に命令を下す事や、夜であっても月が出ていれば活動させる事が可能。
また、王家の人間が「九つの巨人」の宿主に触れると、その宿主にそれぞれの巨人の記憶が流れる事や、王家の人間以外のエルディア人が「始祖の巨人」を継承した場合、その宿主が王家の人間の巨人体に触れる事により、「始祖の巨人」の力を発揮出来る事がある。
武家
エルディアの長い歴史の中で、王を守る意図で設計され、その遺伝子を弄くり回した結果生まれた、「人間の姿のまま巨人の力を一部引き出せる」一族・アッカーマン家を武家としていた。
アッカーマン家はその生まれから「巨人科学副産物」と呼ばれ、壁外からは恐れられているが、約100年前にカール・フリッツの思想に逆らった事から迫害を受け、現在その生き残りは僅かとなっている。
系譜
- 初代フリッツ王(故人)
奴隷として連れていた始祖ユミルを妻とし、のちのフリッツ家のルーツとなった人物。
- 始祖ユミル(故人)
約1870年前に大地の悪魔と契約し、エルディア人の始祖となった女性。
- マリア・フリッツ(故人)
始祖ユミルの長女。三重の壁の一つ「ウォール・マリア」は彼女の名前から由来。
- ローゼ・フリッツ(故人)
始祖ユミルの次女。三重の壁の一つ「ウォール・ローゼ」は彼女の名前から由来。
- シーナ・フリッツ(故人)
始祖ユミルの三女。三重の壁の一つ「ウォール・シーナ」は彼女の名前から由来。
- カール・フリッツ(故人)
145代フリッツ王。「始祖の巨人」継承後、可能な限りのエルディア人を引き連れてパラディ島に移住。名を「レイス」に改名した後、偽の王を玉座に就かせた初代レイス王。
エルディアの歴史から、壁外人類の襲撃を受けたとしても、それを受け入れ、滅ぶ事こそが真の平和と考えており、以降、「始祖の巨人」を継承した王家の人間がその真の力を行使を阻止する為に「始祖の巨人」と「不戦の契り」を交わす。
- ロッド・レイス(850年没)
レイス家の当主。ウーリの実兄、フリーダやヒストリアの実父。「始祖の巨人」とその継承者を「神」と称し、「神」を呼び戻し、祈りを捧げる事を自身の役割としている。
845年にグリシャ・イェーガーの襲撃を受け、正妻と五人の子供達と「始祖の巨人」を奪われ、さらにその数日後に愛人・アルマを喪う。しかし5年後に「始祖の巨人」がエレン・イェーガーの元にあると判明すると、娘のヒストリアに「始祖の巨人」を継承させようとするも、ヒストリアの拒絶により失敗。自身が巨人となるも、壁内から討伐対象とされ、ヒストリアに討伐され、死亡。
- ウーリ・レイス(故人)
「始祖の巨人」の継承者。ロッドの実弟、フリーダの叔父。本来兄がする筈だった「始祖の巨人」の継承を買って出た。
当初は初代王の思想に抗う姿勢を見せていたが、初代王の思想に支配され自死の道を選ぶ。継承から13年後、「始祖の巨人」を継承させる為、姪であるフリーダに食われ、死亡。
- フリーダ・レイス(享年18歳)
「始祖の巨人」の継承者。ロッドの長女、ウーリの姪、ヒストリアの異母姉。叔父であるウーリを食らった事により、当時15歳で「始祖の巨人」と「世界の記憶」を継承する。当初は初代王の思想に抗う姿勢を見せていたが、継承後は初代王の思想に支配され、自死の道を選ぶ。
845年にグリシャの襲撃を受け、巨人となって彼と交戦するも敗北。直後、彼に食われた事により、死亡。
- ウルクリン・レイス(享年17歳)
ロッドの長男、フリーダの長弟。
845年にグリシャの襲撃を受け、姉と母と弟妹達を殺害された後、巨人化したグリシャに握り潰され、死亡。
- ディルク・レイス(享年14歳)
ロッドの次男、フリーダの次弟。
845年にグリシャの襲撃を受け、姉が殺害された後、長妹と共に巨人化したグリシャに叩き潰され、死亡。
- エーベル・レイス(享年12歳)
ロッドの次女、フリーダの長妹。
845年にグリシャの襲撃を受け、姉が殺害された後、次兄と共に巨人化したグリシャに叩き潰され、死亡。
- フロリアン・レイス(享年10歳)
ロッドの三女、フリーダの次妹。
845年にグリシャの襲撃を受け、長姉と次兄と次姉が殺害された後、母親諸共巨人化したグリシャに踏み潰され、死亡。
ロッドの妾の子、フリーダの異母妹。
ウォール・シーナ北部の小さな牧場で、そこの領主であるロッドと彼の妾・アルマとの間に生まれるが、その出生からか周囲から疎まれていた。845年に中央憲兵により実母を目の前で殺害され、自身も殺されそうになるが、父であるロッドの提案で見逃され、「クリスタ・レンズ」と名乗るようになる。847年に訓練兵に入団し、850年に10位で卒業、調査兵団に入団。そこで自身の生家の秘密を知り、再会した父に「始祖の巨人」継承を迫られたが、自らの意思で拒否。その結果、父が巨人となり、討伐対象となった際には決着をつけるために出陣。民衆の前で討伐した後、その働きから民衆の歓声の中、真の王として玉座に就く。
- ダイナ・フリッツ(故人)
エルディア復権派と接触した当時は、壁外に残った王家最後の末裔。
エルディア復権派と接触し、代々語り継がれた「始祖の巨人」の情報を提供。その後、グリシャと恋愛の末に結婚し、翌年には一人息子のジークを出産する。しかし、ジークの密告により「楽園送り」となり、グリシャの目の前で無垢の巨人へと変えられる。それからは壁外を彷徨っていたが、ウォール・マリアが陥落した事で壁内に侵入し、カルラを食らう。その5年後、再びエレンと対峙した際、巨人化出来ない事から足掻きとしてエレンが殴ろうとした拳がその手に接触した事で、「始祖の巨人」の力が発揮。その結果、他の無垢の巨人に食われ、死亡。
「獣の巨人」の継承者。ダイナを母に持つ、現在では壁外に残った王家最後の末裔。
7歳の時、自身と祖父母の身の安全を引き換えに、両親を含めたエルディア復権派をマーレに密告。その後は実の親を売り、マーレへの忠誠心を見せつけた事などから「マーレの戦士」として「九つの巨人」の一つ「獣の巨人」を継承する。自身の両親を告発する忠誠心と「獣の巨人」の力で無垢の巨人を従える能力により「驚異の子」と呼ばれているが、自身が王家の人間である事は伏せている。