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センシティブな作品

記事の性質上、重大なネタバレ注意!!!

概要

およそ1850年前、始祖ユミルと言う名の少女が光るムカデと接触し、巨人の肉体を生み出し操る力を手に入れる。これが現在の巨人化能力である。

ユミルの死後、その子孫たちに巨人化能力は継承されていき、いつしか巨人化能力は九つに分かれ、「九つの巨人」と称されるようになった。

一人が複数の巨人化能力を重複して持つことは可能だが、九つより分割することは出来ない。つまり、作中に大量に登場する無知性巨人──「無垢の巨人」と異なり、巨人化能力者は最大で9人しか存在し得ない。

「九つの巨人」は、ユミルの子孫であるエルディア人、別名「ユミルの民」しか継承することができない。

継承には2つ方法が存在し、1つは継承者の死後、その後生まれた「ユミルの民」の新生児にランダムで継承されるという方式。作中で実際にランダム継承が起きたことは無かったが、距離に関係なく世界中のエルディア人の新生児の誰かに継承されるとされる。そのため、継承者が殺害されたり不意の事故等で死亡しても、「ユミルの民」が産まれ続ける限り巨人化能力が消えることは無い。

もう1つは継承者を他のユミルの民に食わせるという方法。こちらは任意で次の継承者を選択可能だが、死後のランダム継承が起きる前に継承するために『能力者を食い殺す(能力者の死亡と体液接種をほぼ同時に行う)』ことが必要なため、必然的に次の継承者となるものは「無垢の巨人」、あるいは巨人化能力を持った者に限定される。

継承者は強大な力を手に入れる代償として、継承からの寿命が13年となる。これは始祖であるユミルが契約から13年で死んだことに起因するとされ、「ユミルの呪い」と呼ばれる。

無知性巨人との違いは「巨人化以前の知性を維持できること」及び「無知性巨人にはない固有の能力、特性を持つこと」。

この知性と能力ゆえに、基本的に九つの巨人の継承者たちは無知性巨人よりも強く、数で押されない限りは無知性巨人を圧倒することができる。

しかし巨人化には相当体力を使うらしく(後述の「車力」以外は)短時間しか巨人でいられず、連続しての巨人化も数回ほどしかできないため長期戦はジリ貧になりやすい。

能力者は巨人化する際、大小問わず自身の体に傷をつけて血を流すことで巨人化するが、熟練すると傷ついても即座に巨人化せず、任意のタイミングで巨人化が可能になる。これを利用して、傷を見せつけることで銃口を突き付けるように相手を拘束する方法もとれる。

また、能力者には巨人の治癒力も備わるため、四肢を切断されるなどしても新しく生えてくる。この治癒能力も任意で止めることが可能で、怪我をしても敢えてすぐに治さずにさも普通の人間のように振る舞うことができる。しかし、巨人化中や巨人化を解いた直後に本体が大怪我を負うと、巨人の力を怪我の治癒に集中させるため再度の巨人化ができなくなるという欠点もある。

能力者は他の九つの巨人の脊髄液を取り入れる事でその能力を一部再現できる(女型、獣、進撃の硬質化など)。また、エレンのように能力者を直接捕食することで一人に複数の巨人を宿して能力を使うことも可能なようである。

初めての巨人化の時はうまく制御できないらしく、巨人化しても当人の意識は無く、敵味方見境なく攻撃を行ってしまうなど暴走の危険性を孕んでいる。その為、経験のない状態での実戦投入はまず行われない。なお、暴走中の出来事は能力者の記憶には残らない。

また、継承前後の記憶も一時的に失われていることもある。しかし、過去の継承者の記憶を見ることが可能で、継承時の記憶がなくとも、無意識にその記憶から変身方法を知ることもできる。だが、何の目的も持たない状態で巨人化することはできない。本来の目的に対して迷いが生じたり、覚悟が足りていなかった場合はいくら身体に傷を付けようが重傷を負うのみとなってしまい、生きる意志を無くした場合は傷の治癒もされずに死ぬこともある。

物語開始当初は「九つの巨人」のうち6つ(始祖、進撃、顎を除く全て)が壁内人類と敵対する「マーレ」の手中にあり、マーレのエルディア人の中から選出された「マーレの戦士」たちが5つ、マーレを裏から操る名家の人間が1つを保有している。

始祖の巨人は王家の後継者が、進撃は反マーレ勢力が、そして顎はユミルが所有していた。

なお、巨人の始祖ユミルの「ユミル」は北欧神話の巨人に由来する名前であるが、北欧神話においては世界が全部で「九つ」存在することが語られている。

メタなことを言えば、知性巨人の数が九つなのは諫山創先生が北欧神話の世界の数に倣ったゆえなのかもしれない。

一覧

始祖の巨人

「九つの巨人」の中で最も強力な存在とされ、全ての巨人の祖でもあり、全てのユミルの民と、そこから変じた無垢の巨人を操ることができる能力を持つ。

この特性における支配とは、ユミルの民限定とはいえ、彼らや巨人を意のままに操ったり、また身体的な要素を操作し記憶すら書き換えてしまうほどの強力無比な能力であるが、この始祖の特性を発揮できるのは始祖ユミルの直系の子孫であるフリッツ家(現在はレイス家だけ)であるため、仮に始祖を奪ったとしてもあくまで王家の血筋の者でなければ特性は発動できない。

しかし、王家が始祖を継承すると初代レイス王が施した「不戦の契り」に影響され、力の一部を封印される。

裏道として「巨人化能力を有する、もしくは巨人化した王家の者」と接触しながらならば、始祖の特性を王家でない人間が一時的に全ての能力を使用可能。

超大型巨人

「九つの巨人」のうち、マーレの手に堕ちた「七つの巨人」の一つ。

推定60mという、無知性巨人で最大サイズの15m級を軽々と凌駕する巨体が特徴的な巨人。

そのあまりの質量的大きさから、巨人化するだけで周囲を破壊してしまう。

特性として全身の肉を消費しながら熱風を吹き起こす能力を持つ。この特性により立体機動装置のような白兵戦をしかける装備にとって超大型巨人は天敵となっている。

通常の巨人ですら小さな爆発を起こす巨人化時の衝撃と熱風能力を併せることで、戦略級の爆弾のような爆風、衝撃を巻き起こす。

腕を振るうだけで大規模な破壊活動ができ、存在そのものが強力無比な反面、その巨体さ故機動力がかなり低いこと、非常に燃費が悪く、巨人化状態を長い時間維持するのが困難という弱点を持つ。

鎧の巨人

「九つの巨人」のうち、マーレの手に堕ちた「七つの巨人」の一つ。

全身を常に硬質化しながら、動き回ることができる。硬質化した皮膚は壁内人類の持つ火砲程度では全くダメージを与えられない頑丈さを持つ。弱点であるうなじなども覆われているため、超大型巨人と同じく斬撃による白兵戦を想定している壁内人類の立体機動装置にとっては天敵と言える。

だが、硬質化される表皮にも限界はあり、壁外人類の戦艦の主砲クラスや、壁内人類が後に開発した雷槍などの対物兵器には一時的とはいえ破壊を許すなど、対策自体は可能なレベルの防御力といえる。

女型の巨人

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「九つの巨人」のうち、マーレの手に堕ちた「七つの巨人」の一つ。巨人では珍しい女型の姿をしている。男性が継承するとどうなるか、できるのかは不明。

叫び声で無垢の巨人を呼び寄せる力を持つ。

また、他の巨人の能力を発現しやすい特徴を持つ。硬質化などはこれにより後天的に発現したものと思われる。

獣の巨人

「九つの巨人」のうち、マーレの手に堕ちた「七つの巨人」の一つ。

全身が体毛で覆われており、長い腕が特徴的な独特の肉体を持つ。

従来はマーレでは何の能力もなく評価が低かったが、驚異の子が継承した際に長い腕と肩力による投擲能力に着目したことにより、岩などの物理的な投石による面制圧射撃にて、壁外人類の現代兵器にも匹敵するほどの制圧能力を獲得した。

硬質化も可能だが、女型同様後天的な能力だろう(先天的に可能なら、クサヴァー継承時に「何の能力もない」とは言われなかったはずであるので)。

「獣」であれば猿に限らないようで、前任者のクサヴァーは羊の様な巨人になった他、過去には翼を持った巨人もいたようである。

顎の巨人

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「九つの巨人」のうち、マーレの手に堕ちた「七つの巨人」の一つだが、壁内襲撃前に所有者不明となる。

小柄な体格と、非常に硬い顎が特徴。ユミルが継承していた際は鋭い牙がある程度のものだったが、他の継承者では鎧の巨人のように顎(と爪)に特殊な硬質化が行われている。

その硬さは鎧の巨人の硬質化を薄氷のように砕く、エレンの一点硬質化で傷つけられなかった戦槌の巨人の結晶を上回る。

車力の巨人

「九つの巨人」のうち、マーレの手に堕ちた「七つの巨人」の一つ。

印象に残る馬のような面長と、四足歩行が基本の体躯が特徴的。

非常に機動力に優れ長距離移動も得意なようで、劇中では運搬を主任務としている。壁内人類側からは「四足歩行型の巨人」と呼称される。

車力自体はそれ以上の力を持たないが、マーレでは背中に重火器を搭載することで移動砲台の巨人戦車として運用していた。

特別な能力を持たない分、数か月間は巨人の状態でいる、巨人化を解いてすぐ巨人化を何度でも連続して行える(ピーク曰く何百回でも)など他の巨人にはない桁違いの持続力を持つ。

戦鎚の巨人

「九つの巨人」のうち、マーレの手に堕ちた「七つの巨人」の一つ。

マーレの一族、タイバー家が管理者として代々継承してきた。

硬質化能力に優れ、その適用範囲は肉体に留まらず周辺の地面から槍のように硬質化した物質を突き出したり、武器を作り出したりなど多様性がある。硬質化能力は鎧すら超えた超硬度と非常に強力。

更にうなじに本体が基本的に固定される他の巨人と異なり、本体である人間部分から紐のように巨人の肉体を伸ばした場所に巨人を作り出し、操ることができる。

巨人化せずともある程度硬質化を操れるようで、地下室に閉じ込められたエレンの脱獄にも使われた。

進撃の巨人

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「九つの巨人」のうち、始祖を除けば唯一マーレの手から逃れた巨人。

先々代の継承者であるクルーガーによれば「いつの時代も自由のために戦った巨人」であるらしく、継承者は次代に「自由を求める気質が強い者」を選ぶ傾向がある。

エルディア崩壊後、大陸に残ったレジスタンスの間で秘密裏に継承されてきたが、クルーガーが始祖の巨人奪取の為にグリシャに継承する。グリシャは役目を果たした後、奪った始祖共々力をエレンに託した。

特性は記憶の共有。全ての時代の進撃の巨人の継承者は、過去か未来かに関わらず、全ての継承者の記憶を覗き見、また見せることができる。

この能力により未来の継承者が過去の継承者に未来の事象を伝えることで、実質的な未来視となる。

ただし、見た未来は絶対のものであり過去改変や未来改変といった事はできない。ただ、一方的に未来の継承者の記憶を見せられるだけである。

劇中ではエレンが「ヨロイ」と書かれた薬瓶を取りこんで硬質化の力を得た。

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