顎の巨人
あぎとのきょじん
『進撃の巨人』に登場する巨人の一種。長い腕と特徴的な顎を持つ。
本編では、ユミルが巨人化した姿として初登場。
エレンやライナーの巨人体と違いかなり小柄だが、その分身軽で素早い動きが可能。また、片言ながら人語を話すこともできる。
ユミルとライナー、そしてベルトルトの会話から、元々はライナーたちの仲間の「マルセル」なる人物が有していた巨人であり、彼が無知性巨人だったユミルに捕食されたことが示唆されていた。
「マーレ」編にて、本来の名称が「顎(あぎと)の巨人」と判明。
その正体は「九つの巨人」のうち、マーレ国が有している7体の中の1体。九つの巨人の中では最も小柄である。
その小柄ゆえの素早さに加え殺傷力の高い爪と顎を持つ強襲型で、その爪と牙の攻撃力は他の巨人の全力の硬質化防御を容易く砕く戦鎚の巨人が全力で防御の為に作った硬質化物質であろうと砕いてしまう事ができる。
ただ小柄な体型である事と、攻撃自体は噛み付きと引っ掻きでしかない事から、強力な硬質化を操る巨人との接近戦以外では特性がそれほど強力なアドバンテージにならない事も多い。
また巨人化を維持したまま一時的にうなじから飛び出すことができる他、巨人化状態でも言葉を話すことができるがその顎の形状からか他の言葉を話す巨人に比べて片言気味である。
作中で最初に顎を継承した戦士候補生。当初は「マーレの戦士」の中でも「機転が利く」と評価された彼が継承していたが、パラディ島に上陸して間もなくライナーを庇ってユミル巨人体に捕食されてしまう。
作中では既に故人であるため直接他の巨人と戦闘するシーンはなかったが、24巻ではその長所を存分に生かしてマーレの対立国軍の砲撃を巧みにかわしながら砲台を破壊する様子が描かれた。
マルセルを捕食したことで人間に戻った少女。作中で最初に登場した顎。黒目と白目が逆転したような目を持ち、ユミルとはかけ離れた容姿(コニー曰くブス)をしているがマルセルたちの巨人体に見られた頭蓋骨が剥き出しになったような意匠は見られず、強靭な顎もあまり目立っていない。
軽い身のこなしであちこちへ飛び移って噛みつきや引っ掻きを行うなど野生的な戦闘スタイルをとっているが継承者であるユミルが元々は訓練を受けていない一般人であるためか顎を完全には使いこなせておらず、多数の巨人相手に苦戦を強いられていた。
人間に戻った後はこっそり壁内へ侵入し、事実を隠し兵士として過ごしていたがウトガルド城決戦にてヒストリアを守るために正体を晒す。直後エレンと共に捕らわれるが、最終的に自らの意志でライナーたちに同行し、マルセルの実弟であるポルコ・ガリアードに「顎」を返す道を選んだ。
先々代の継承者であるマルセルの実弟。ライオンのような出立ちで兄と同様の頭蓋骨のような意匠を持つ。
作中では車力の巨人と共に対中東連合軍戦に駆り出され、窮地に陥ったガビとファルコを救った。ミカサ曰く「ユミル以上」と称されるように素早い身のこなしと強靭な爪と牙で車力との連携でスラバ要塞戦、レベリオ収容区戦、パラディ島奇襲作戦を最前線で戦い抜いた。
(以下ネタバレ)
パラディ島奇襲戦にて車力の巨人の援護のもと、鎧の巨人(ライナー)と共に進撃の巨人を奇襲するも吹き飛ばされ本体にも大きな損傷を受けた事で巨人の再生能力が機能しなくなり、獣の叫びで巨人化したファルコに自らを喰わせ継承させた。
マーレの戦士候補生の1人。その姿は猛禽類を彷彿とさせる嘴で覆われ、首元から肩にかけての体毛、両手は鳥類の趾の様に変化しさながら鷹の様相をしている。その後、始祖の巨人を掌握したエレンを追いかけるために巨人化した際は体格が大きくなり、腕が延長され翼と尾羽が生え、巨大な鳥人間といえる姿に変貌していた。
これはジークの脊髄液で巨人化した為である事が後に判明しており、巨人継承者は他の巨人の一部を取り込む事でその巨人の能力が発現するケースがある
ファルコは獣の特性である継承者により体躯が変わる特性を発現した事によりこの様な外見になったと思われる。
この特性により飛行能力を獲得して以降はエレン追撃メンバーを背に乗せ、周囲の無垢の超大型巨人を無視してエレンを強襲する役目を受けた。