「お前… 胸張って生きろよ」
曖昧さ回避
『進撃の巨人』にはこの名を持つ人物が二名登場する。
プロフィール
概要
黒髪で長身の少女で、そばかすと特徴的な鋭い目つきをしている。原作では男性的な外見だが、アニメでは女性らしい見た目になっている。
「トロスト区奪還戦」ではクリスタと同班であった。打算的で世間ずれしたきつい言動が多い。
個人としての戦闘技術はかなり高く、本来なら104期上位十名入りは確実と目されるほど(10位以内に入らなかったのは、クリスタを憲兵団に入ることのできる10位以内に入れるために、周囲を蹴落としながら調整していたため)。また他者が普段隠している心理の裏側やその背景を的確に嗅ぎ当てる等高い洞察力をもつ。
しかし同時に性格は狡猾で、「自分以外の主に従うことが考えにくい」「兵士に最も必要な部分を欠いている」とも評される。
戦闘能力に劣るアルミンを見下す一方で、サシャに恩を売って使い走りにしたり、クリスタの献身的な言動に偽善と欺瞞を指摘して付け入るなど自分にとっての利用価値のみを基準に他者を判別する姿が見られる。
しかし、初任務で5割が戦死するとされる調査兵団への入団を逡巡を見せずに決意するなど、単に保身と利己心のみが行動原理でもないことも窺える。また他者へのきつい言動も、彼女なりに遠回しに相手を気遣っているものが多い。
物語が進むにつれ、クリスタへの思いと彼女自身の秘密が明かされていき、原作22巻で出生の秘密と意外な過去が明らかになる。
正体
その正体は、エレンと同じく九つの巨人の継承者の一人。保有している巨人の名は「顎の巨人」。
エレンと違い巨人化能力を制御しており、巨人化している状態で片言ながら会話することができる骨格を持っている。巨人の姿はユミルの面影が全くなく(コニー曰く「ブス」)、体格は5m級と他の九つの巨人に比べてかなり小柄で、多数の巨人を相手するのは苦手。その実力は森林などの高低差のある地形で真価を発揮し、「超大型巨人」や「鎧の巨人」も地形によっては負けてしまうだろうと語っている。
壁内に存在しない海の魚である鰊を食べたことがある発言から、壁外出身であることが示唆されていた。
元は壁の外にあるマーレ国の道端にいた名前のない孤児であり、始祖ユミルを崇拝するエルディア人に拾われて、信仰対象である「ユミル」を演じてきた。後にマーレ政府に見つかりパラディ島に送られて無垢の巨人の注射を打たれた時も、彼女は最後まで「ユミル」を演じていた。
その後、約60年間無垢の巨人として壁外を彷徨っていた(設定上は17歳とされているが、間違いなく肉体年齢だけの話であり、実年齢は80歳近いと思われる)が、5年前に巨人化能力者であったライナーとベルトルトの友人マルセルを捕食したことで、彼が有していた「顎の巨人」の能力を得て人間に戻れるようになった。
その後、超大型巨人(ベルトルト)がシガンシナ区の壁を破壊したことで壁内に入ることができ、人間としての第二の人生を手に入れる。自分の運命に復讐するという意味を込めて、壁内でも本名の「ユミル」のままで生きていくと決意しており、孤児として教会の世話になる形で生活していた。
クリスタ(ヒストリア)のことは、彼女が壁の秘密を知る一族の重要人物であることと、自分に似た境遇から興味を抱き訓練兵団に入団し彼女に近付いたのだが、いつしか自分の命よりも大切な存在となった。
ユミルは壁外出身でありながら「戦士」に属さない九つの巨人の継承者であり、ライナーたちから見ればマーレ国が所持していた巨人の力を奪った存在であるため、立場上は決して相容れない関係だと語っている。また「戦士」としての訓練を受けていないため、巨人化能力についてはライナーたちほど詳しくはない様子。
しかしユミル自身は壁内人類の味方でもなく、ヒストリアを守ることを何よりも重要視する立場を貫いていた。
最後はライナー達に同行し、自らの意志でマルセルの弟ポルコに喰われ、死亡した。「顎の巨人」の能力はそのままポルコに継承されることとなる。
余談
- 本編で早くから登場するも長く名前が明かされず、単行本9巻収録の37話で初めて明かされた(9巻の登場人物紹介ページでは「名前不詳」)。
- そのためPixivでは、彼女のイラスト・小説のタグに「そばかす」と付けられているものがある。
関連イラスト
関連タグ
関連キャラクター
ライナー・ブラウン ベルトルト・フーバー マルセル・ガリアード
始祖ユミル(名前の由来)
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