「まぁ...初球は様子見で 目指すは完全試合(パーフェクトゲーム)だ」
プロフィール
概要
壁内人類と敵対する「戦士」達の中で戦士長と呼ばれる、跳ね上げ式の特徴的な眼鏡をかけた金髪の男性。ライナー、ベルトルト、アニの上官にあたる。
壁外から来た、「九つの巨人」の一つ「獣の巨人」の巨人化能力者。
戦闘時は獣の巨人に変身し、他の巨人よりも長い手を活かし、砕いた岩を野球の投球のように投擲する攻撃を得意とし、戦闘力は巨人化能力者の中でも非常に高い。
ライナーとベルトルトとはシガンシナ区で合流しており、今すぐにでもアニの救出に向かおうとしていた2人を力ずくで止め、仲間を救出することより「座標」の奪還が優先であるとし、ウォール・マリア奪還のためにいずれやって来るエレンたちを待ち構えていた。
「ウォール・マリア奪還最終作戦」では巨人化し、用意させていた多数の巨人たちと共にシガンシナ区郊外に出現。内門の外側を巨人たちに包囲させて調査兵団を孤立させ、さらには投石攻撃で追い詰める。
調査兵団の多くがその犠牲になる中、リヴァイ、調査兵団団長のエルヴィン・スミス、新兵達は「獣の巨人」を討つべく、捨て身の作戦を開始。
リヴァイを「獣の巨人」に近づけさせる為、馬に乗ったエルヴィンと新兵達は投石攻撃が降り注ぐ中、「獣の巨人」に特攻をかける。
ジークは壁内人類との戦闘では基本的におどけたような態度を取っており、この時も戦いをさながら野球試合のように茶化していた。
しかし、この特攻に対してはかつてない怒りを露わにしており、「レイス王に『世界の記憶』を奪われたのは悲劇」、「だから過ちを何度も繰り返す」とこぼしている。
だが持っていた岩石を握りつぶしたことで我に返り、「自分は父親とは違う」と自身を諫めていた。再び投石攻撃を再開し、特攻し続ける新兵達を、たった一人を残し全滅させる。
しかし、密かに接近していたリヴァイによって圧倒され巨人体から引きずり出された挙句、ブレードを口内に突っ込まれ、左目下から貫通させられ追い詰められた。
あと一歩のところで殺される寸前だったが、「獣の巨人」の力を奪うため生存者を探そうと、リヴァイが隙を見せた時、背後から駆け付けた車力の巨人に助けられて逃げ延びた。
逃走の際、用意していた大型巨人達に命令を送りリヴァイを襲わせている。
その後、壁内にて「超大型巨人」を討ち取ったエレンの前に姿を現す。
エレンは目の周りの巨人化の跡から、彼が「獣の巨人」かと推測するが、一方でジークはエレンを見て「全然父親に似ていない」と発言。予想外の言葉に驚くエレンに、ジークはさらに「自身はエレンの理解者である」こと、「同じ父親の被害者」で、「お前は父親(グリシャ)に洗脳されている」と語りかけた。
エレンもまた、彼からグリシャの面影を感じ取っている。
その後、追撃してきたリヴァイから逃げる際、エレンに対し「いつか救い出す」と発言した。
壁内に来た目的は、ライナーとベルトルトを回収する為であったが、既に討ち取られていたベルトルトの回収は断念し、ライナーを救出する。
その四年後、海の向こうの大国「マーレ」の軍隊に所属し、中東連合の戦争に参加。後述の巨人の力で、戦争終結に貢献した。
エルヴィンに匹敵する程の知略を張り巡らせ、目的のために非情な判断も躊躇わないが、その根底には「自分たちで全てを終わりにしたい」という悲壮にも似た思いがある様子。
正体
その正体は、グリシャと彼の前妻ダイナ・フリッツとの間に生まれた息子であり、グリシャの後妻カルラの息子であるエレンの異母兄にあたる。
容姿は髪の色は母ダイナと同じで、顔立ちは父グリシャに似ている。
先代獣の巨人継承者であるトム・クサヴァーの眼鏡をかけ、口元を覆う髭を生やしている。
壁外の大国「マーレ」にあるレベリオ収容区出身。
父グリシャは、妹をマーレ人に惨殺されたことで幼少期からマーレ国を強く憎んでおり、エルディアの復権を望む「エルディア復権派」のリーダー格であった。ある時、謎の人物「フクロウ」の手引きで、復権派に加わった大陸のフリッツ王家最後の末裔であるダイナと出会う。
彼女の話から、かつてパラディ島(本作の舞台)に逃げたフリッツ王家の持つ「始祖の巨人」が、エルディア復権の鍵になると確信したグリシャは、必ずそれを奪還することを決意。
翌年2人は結婚し、同年に息子のジークを授かる。
王家の血を引く生まれたばかりの我が子を腕に抱きながらグリシャは、「この子は必ずエルディアを勝利に導いてくれる」と彼に大きな期待を寄せ涙を浮かべた。
数年後、マーレ政府がエルディア人の民衆の前で「マーレの戦士」を急募することを宣言。対象は5歳から7歳の健康な男子女子で、しかも戦士になれるのはごく少数のみという。
戦士になった者が手にするのは「九つの巨人」の内の「七つの巨人」の継承、そしてその一族のマーレ国内での自由だった。唐突な事態に驚きを隠せないグリシャら「エルディア復権派」の元に、フクロウから一通の手紙が届く。
内容は以下のものだった。
マーレはこれまで、巨人の力によって国力を維持してきたが、やがて到来する近代軍事技術の時代に備えるため、莫大な化石燃料を埋蔵するパラディ島に目を付けた。
しかし、80年前にフリッツ王が残した「今後我々に干渉するなら壁に潜む数千の巨人を侵攻させる」という言葉に脅威を感じ迂闊に手が出せない状況にあった。そこで数人の部隊を壁内に侵入させ、島に隠れた王家から「始祖の巨人」を奪還することを目的にしたのである。
このままでは先を越されてしまうと焦燥に駆られたグリシャは、自身の息子であるジークをスパイとして送り込むため、妻のダイナと共に「エルディアの誇り」を抱かせつつ、また敵であるマーレに忠誠を誓うように彼に洗脳教育を施した。
しかしスパイの家族であることや両親からの強迫的な教育のためか、その後の戦士候補生としての公開訓練では実力を発揮できず倒れてしまう。
それを見たグリシャはジークに失望、息子を放置してダイナと今後の計画について激しい議論を行う両親を背に、ジークは恐怖と絶望の中一人孤独に震えることしかできなかった。
いずれ家族ともども巨人にされパラディ島送りとなる運命を悲観したジークは、唯一信頼する獣の巨人継承者、トム・クサヴァーに秘密を打ち明ける。
そんなジークを民族主義に染まった両親よりも遥かにまともに想うクサヴァーは、祖父母と共に助かるために、実の息子にろくに向き合いもせずむしろ危険に晒す両親を密告するよう強く勧める。
そしてジークは絶望の表情を浮かべながら、祖父母の安全と引き換えに7歳にしてマーレ政府に両親および「エルディア復権派」のことを密告し、「楽園」送りにした。
エルディア復権の希望の光と確信していた息子に裏切られた事に大きなショックを受けるグリシャであったが、後に「思想を押し付けられる苦痛がどれほどのものか、自分は知っていた筈なのに」と語っており、ジークにしてきた事を悔いていた。
そのため第二子のエレンに対しては自らの願いを一方的に押し付ける事はせず、エレンが自分の口で壁の外に行きたいと言った時に、秘密と巨人の力を託す事を決意した。
また偶然エレンと遭遇したグリシャの父親(エレンとジークの父方の祖父)もまた、子どもたちを想うがゆえに(その点グリシャよりはマシ)厳しいしつけをおこない、その結果二人共失ってしまったと深く絶望し自身を責め、精神を病んでいた。
密告後はその功績と無垢の巨人を操る能力を高く評価され、マーレ軍では「驚異の子」の異名とともに重要な戦力として扱われている。
「戦士候補生」として幼なかったライナー達と共に訓練を受けていたようで、彼らの中でも年長者だった(この時の容姿は眼鏡をかけておらず、当然ながら髭も生やしていないが若い頃の父親そっくりである)。ライナー達に巨人の力を継承する時が来たこと、あと数年でパラディ島に攻撃を仕掛けることを話した。その後「獣の巨人」を継承したが、「始祖奪還作戦」には参加せず敵国の監視の為に待機することをピーク共々命じられる。
だが、後に「始祖奪還作戦」は計画が狂うことになり、予定以上に期間が延びたことからパラディ島に派遣されたようである。しかしそれでも計画は成功を成しえず、挙句「超大型巨人」、「女型の巨人」と二体の巨人を失うことになり、ジークら「マーレの戦士」は祖国に帰還せざるを得なかった。
ジーク自身は現在でもグリシャを嫌悪しているが、一方でライナーたちの報告からエレンがグリシャの息子、そして自分の異母弟である事には気づいており、初めて対面したとき兄としての情を見せている。自分が受けた重圧の経験から、エレンもグリシャに洗脳されていると思っており、グリシャの呪縛からエレンを救い出したいと考えている。
リヴァイに関しては事前にライナーたちから要注意人物であることの報告を受けていたが、リヴァイの戦闘力には対応しきれず、ピークがいなければ確実に死んでいたほどの窮地に追い詰められた経験から、再会を拒むほどの天敵として認識している。逆にリヴァイはエルヴィンとの約束を守るため、必ずジークを殺すと誓っている。
始祖ユミルの血を引くフリッツ王家の子孫であるため、自分の脊髄液を注入させたエルディア人を任意で無知性巨人にして操る能力を持ち、その巨人たちは夜間でも月の光があれば行動が可能である。
この能力と幼い頃に両親を売った事から、エルディア人でありながらマーレ軍元帥であるカルヴィからも忠義を疑ったことはないと言われるほどの信頼を得ているものの、自分が王家の子孫であることを未だに隠しているなど腹の中では色々と抱えている様子。
軍部会議では「始祖奪還作戦」再開をカルヴィに進言した。
口調は軽いが常に冷静な態度を崩すことはなく、何を考えているのか窺い知ることは容易ではない。
時折意味深な発言をしたり、裏で何かしらの行動をしていることは示唆されるが、その思想や真の目的はマーレ編に入ってもしばらく謎とされていた。
年齢は明言されていないものの、密告を行ったのが7歳の時で、それを「22年前」と言っていることからシガンシナ区決戦時点で25歳、それから4年経った23巻以降では29歳だと思われる。また、四年後では「任期」(=余命)が1年足らずとされており、「ユミル」の呪いが13年であることを考えると17歳前後で巨人化能力を引き継いだ模様。
巨人化能力
全身が毛で覆われた、猿のような見た目をした17m級の巨人。
それまでは他の巨人と比べて少し大きいくらいにしか認識されていなかったが、ジークの投球能力により強力な遠距離攻撃を持つ恐ろしい巨人兵器と化した。
また、王家の血を引くジークは、自分の脊髄液を取り込んだエルディア人を叫ぶだけで無垢の巨人へと変え、これらを操ることができる。このジークの脊髄液で誕生した無垢の巨人は夜であっても行動可能。
ゲーム作品のジーク
アニメ本格登場はシーズン3後半であるため。現時点主なゲームは獣の巨人として敵専用のボスキャラクターを務め、コーエーテクモ版『進撃の巨人』(PS3)などのシーズン1ゲームで先行登場しても決して喋らない。続編である『進撃の巨人2』のシーズン2ストーリーモードでも使用不可、巨人状態の台詞はエコーを掛けるのみでピッチ変化がない。
『進撃の巨人2 Final Battle』ではついにプレイアブルキャラクターとして登場する。戦士編エピソードの鎧戦と最終話では常時巨人化だったが、アナザーと壁外奪還モードでは立体機動装置を普通に使いこなして戦う。
ジーク賞賛台詞対象は部下3人、アルミンとリヴァイ。エレンとの特殊台詞は救援と救援感謝のみ。
一方、多くの壁内側キャラクターはジーク「有能だが怪しい兵士」として賞賛し、しかもシーズン2前半の被害者まで賞賛台詞が用意される。
アプリゲームのモンスターストライクでは、2020年10月上旬に行われた期間限定のコラボイベントにて、コラボでは恒例となった中難易度クエスト、超究極のボスとして登場する。属性は木。このクエストは特定のクエストをクリアすることで一定確率で出現し、消費スタミナ0で挑戦出来る。
周回を前提とする超究極の為、普通にクリアするだけならさほど理不尽な難易度にはなってない。更に、特殊アビリティーの立体起動装置(飛行+巨人キラー)を有するキャラクター四体でクリアというミッションはまあまあ難易度が高く、適正ガチャキャラクターのリヴァイがいない場合は苦戦を強いられる。一応、立体起動装置アビリティーを有していてギミック適正のキャラクターはリヴァイのほかにヒストリアがおり入手も簡単だが、その分リヴァイと比べて圧倒的に性能が低く、ヒストリアだけでミッションを達成するのはまさに至難の業。
余談
彼がかけている特徴的なレンズの上に複雑な構造のある眼鏡だが、アンティークのレンズ跳ね上げ式眼鏡がモデルとなっており、現代の眼鏡では、構造としては跳ね上げ式サングラスが最も近い。
なお、アニメにおいてはよく見るとジークのかけている眼鏡には跳ね上げ式眼鏡特有の2枚重なったレンズが見られず、跳ね上げ構造も簡略化されて描かれているが、これはおそらく作画コストの削減のため意図して簡略化しているのであろう。
また、過去には眼鏡メーカーとのコラボでジークの眼鏡風眼鏡が発売されたが、眼鏡の上の構造は完全に飾りで跳ね上げる事はできず、上記の「作画コストの削減のため簡略化された眼鏡」に近いデザインとなっている再現している。
関連タグ
ライナー・ブラウン...同じ「マーレの戦士」にして部下。偶然か誕生日が同じ。
エレン・イェーガー…異母弟。
グリシャ・イェーガー…父親。上述のマーレへの憎悪の詳細は当記事参照。
ダイナ・フリッツ…母親。
リヴァイ…ジークが戦士長であることに対し、リヴァイは兵士長であり役職が対照的である。
イェレナ…心酔者。