「時に厳格に、時に柔軟に、
兵士の原理原則に則り最善を尽くせ。
指揮系統を遵守せよ。
我々は勝利する為にここに来たのだ」
「そうやって 仲間を騙し 自分を騙し
築き上げた屍の山の上に 私は立っている」
概要
身長 | 188cm |
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体重 | 92kg |
血液型 | AB型(あくまで作者の血液型のイメージでありファンブックには記載されていない。そもそも進撃の巨人はファンタジー漫画であるので血液型が4種だと限らないとも諫山氏は仰っている) |
年齢 | 30代後半 |
誕生日 | 10月14日 |
CV | 小野大輔 |
2017年版舞台 | 和泉宗兵 |
2023年版舞台 | 大野拓朗 |
公式人気投票 | 第1回:11位・第2回:2位・第3回:1位・第4回:2位 |
調査兵団13代団長。
王都のゴロツキとして名高かったリヴァイや、巨人化能力を危険視されていたエレン・イェーガーを入団させるなど、状況に応じた柔軟な思考を持つ。
その考えと行動には意味深な部分が多く、目的のためなら100人の仲間の命を捨てる覚悟をする非情で冷酷な一面もあるが、リヴァイをはじめ部下達からは「考えを理解できずとも付いていく」と深く信頼されている。
第57回壁外調査で女型の巨人捕獲作戦を実行するも、多くの犠牲を出した上に失敗に終わり、責任を問われる。その後機転を利かせ、挽回を図り思わぬ事実が発覚する。
5年前は、当時の団長のキース・シャーディスの指揮下で巨人と戦っていた。巨人侵攻前の壁外調査から帰還した時に当時のエレンと目が合うが、何の戦果も上げられずに帰還してきた自分達を羨望の眼差しで見ていたため、思わず目を背けてしまう。後に調査兵団に所属したエレンも、当時のエルヴィンと同じ経験をすることとなる。
訓練兵時代、ナイル・ドークと同期であり共に調査兵団を志す仲であった。また本誌の一問一答コーナーにおいて結婚はしていないことが判明した。その理由は調査兵団に所属している以上いつ死ぬかわからないから。しかしナイルの妻である女性、マリーに昔惚れていたという過去が明らかになった(ナイルには気づかれていた様子)。
基本的に感情を出すことはほとんどない。しかしリヴァイ、ハンジ、ナイル等の付き合いが長い人物の前では一人称が「私」から「俺」に変わり、口調も表情も多少柔らかくなる。
人類の前進のためなら仲間の命どころか自分の命さえ捨てることも厭わない人物である。しかし13巻において、巨人の正体がわかりかかったことに歓喜の表情を浮かべ、いささか変人じみた性格も明らかになった。リヴァイに「気持ち悪い奴め」と評されるが本人曰く「子供の頃からよくそう言われたよ」とのこと。ナイルにも「ガキの頃言ってた妄想を今でも信じてるせいか?」と言われるなど、彼の行動原理は子供の頃の影響によるものだということが窺える。
そして調査兵団に所属している本当の理由は他にあるようだ。
過去
エルヴィンの父は、エルヴィンの育った地域の教員をしており、エルヴィンもその中の生徒のひとりであった。
ある日人類が壁内に逃げ込んだ歴史の授業をしていた時、エルヴィンは人類が逃げ込んだ際に外の世界の文献等が全く残されていない事を疑問に抱き質問したが、エルヴィンの父は教室ではまともに質問に答えず、自宅に帰ってからその質問に答えた。
「王政の配布する歴史書には矛盾が多過ぎる上に、仮に文献が残ってなくとも壁に入ってきた世代が次世代に歴史を語り継ぐことができた筈であり、完全に口を噤んで次世代に外の世界の情報を残さないなど本来は不可能である。だから壁の中に逃げ込んだ当時の人類は、王が統治しやすいように記憶を改竄されたのではないか」と。
その内容はエルヴィンの子供心からも突拍子のない話であったが、当時のエルヴィンは父親が教室ではなくあえて自宅で話した理由を察することができず、街の子供たちに父の仮説を話した。その時に憲兵団に声をかけられ詳細を尋ねられた後、父は遠く離れた街で事故死という形で憲兵団に殺されてしまった。
自分のせいで父親を死に追いやってしまったエルヴィンは、いつしか父の仮説を証明する為に生きるようになった。調査兵団に入ったのも父の仮説を証明する為であり、他の仲間たちが人類の為に心臓を捧げ戦っている中、エルヴィンは自分だけ自分の目的の為に調査兵団で戦い、「人類のため」と仲間や自分自身さえも騙してきたと皮肉に感じていた。
エレンが無知性巨人たちを一時的に操った事、更に巨人の正体は人間だと判明したことで、巨人=人を操れるのではないかという仮説が浮上しエルヴィンは真相に近づいたと笑みを浮かべる。
そしてエレンの父が残した地下室に世界の真相に繋がる手掛かりがあるのではないかと推測し、エルヴィンは片腕を失いながらもリヴァイの反対を押し切りウォール・マリア奪還作戦に同行した。
全ては父の仮説の正しさを確認する、それだけがエルヴィンの信念であった。
しかし戦いの中で散った兵士たちを思うと、エルヴィンは自分の夢よりも「団長」としての役割をまっとうせざるを得なかった…。
ウォール・マリア最終奪還作戦
獣の巨人の投石による攻撃を受け、調査兵団は全滅寸前の状況に追い込まれた。エルヴィンは獣の巨人の打倒と後事をリヴァイに託し、自ら新兵を率いて、獣の巨人を仕留めるための囮となって死ぬことを決意する。
獣の巨人の投石を前に、全く怯むことなく団長は叫ぶ。
「兵士よ怒れ 兵士よ叫べ 兵士よ!!戦え!!」
新兵とともに獣の巨人に対する特攻を行い、投石をわき腹に受けて落馬、瀕死の状態になったところを特攻から唯一生き残ったフロックに発見される。
フロックはエルヴィンを背負って壁を越え、巨人化の薬を所持するリヴァイのもとへ運ぶが、そこではアルミンも瀕死の重症を負って横たわっていた。生き残った調査兵団は注射をエルヴィンとアルミンのどちらに使うかで揉める。決定権を持つリヴァイは人類を生かすことができる可能性がより高いエルヴィンに巨人化薬を使うと主張し、一度はエルヴィンに投与することを決定した。
しかし巨人化薬を投与しようとした所、エルヴィンはそれを拒否するかのように腕を振り払う。
その時、エルヴィンは夢を見ながら少年時代に父親に質問した言葉を呟く。
壁の外に人類がいないってどうやって調べたんですか?
それを聞いたリヴァイの脳裏に浮かんだのは獣の巨人の打倒と後事を「夢を諦めて死んでくれ」と自身に託すよう告げた際に見せた、重荷から解放され生気の宿った彼の表情。
「巨人を滅ぼすための悪魔の様な人物」として生きるという重荷を背負い続ける生き地獄から彼を解放するため、リヴァイは急遽アルミンに巨人化薬を投与した。
「こいつは悪魔になるしかなかった、それを望んだのは俺達だ…」
「だがもう…休ませてやらねぇと。」
こうしてリヴァイの言葉通り、エルヴィンは地下室の真実を知ることなく静かに息を引き取る。
作戦の後日、リヴァイの手によって彼の白骨化のすすんだ遺体が持ち帰られ、特別に埋葬された。エルヴィンの死により、調査兵団団長はハンジに引き継がれることとなった。
その後、リヴァイ達は地下室の真実を突き止め、父の仮説通り壁の外にも人類がいる事が発覚することになる。
本人の予想に違わず、彼の死は、彼の悲願である夢が叶う一歩手前にあったのだった。
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お迎え現象:死の数日前の描写がこれに該当するのではないかという指摘がある。