概要
別表記として「お迎え体験」と言われる事もある。
人間が死ぬ少し前の時期や直前に、通常では見る事のないはずの「何か」を見たり体験するとされる現象を指す。
亡くなる本人だけでなく、周囲の人物も含めて体験する場合もある。これらの現象が報告される場合、家族の他に看護士やホスピスのスタッフなどが第三者的立場から証言を行うケースが目立つ。
具体的には、既に亡くなった家族・親族・ペットや友人達の姿を見たり、この世の物とは思えない様な美しい光や風景や音楽を認識・体感したり、人影や動物の姿が亡くなる人物の周囲で目撃されたり、などである。起きている間の現象だけでなく、寝ている最中の夢として発現する場合もあり、非常にリアルで現実的に感じられる夢だともされる。
人間だけでなく、死ぬ直前の動物も体験すると思わしい報告例も存在する。また、視力を失った人物も「視る」という報告例もある。
亡くなった家族・親族・ペットや友人を見た場合、亡くなる本人の死への恐怖やストレスが大幅に緩和される事が確認されており、お迎え現象の効能について医学的・心理学的に注目する人々もいる。
臨死体験同様に古くから類似した報告が記録されており、仏教における「来迎」にも似ているとされる。
科学的な解説としては、ある種のせん妄や幻覚であったり、「死」への恐怖を和らげるための生物反応的な脳の働きではないか、とされている。
しかし、せん妄とは患者の状態に明確な違いが見られたり、目撃された存在が既に亡くなっている人物や動物に限定されており (自分の見知らぬ人々が目撃される場合もある)、注目すべき事例として、周囲の人物もその存在を目撃したり、目撃した存在が亡くなっていたことを後から把握する、というケースが複数ある。
- 例えば、目撃された人物が実は数日前に亡くなっていたが、その人物を見た患者や周囲の人物は目撃時にはそのことを知らず、後で亡くなっていたことを知った、という具合である。
また、亡くなる直前の本人が幼い場合は、既に亡くなっているペットが現れる確率が多いとされており、これは身近な人物がその段階ではまだ亡くなっていないことと亡くなった身近な存在がペットに限定される状況が目立つことが関係しているのではとも推測される。
これらの事例から、科学的な証拠こそないが、臨死体験の一部の報告同様にお迎え現象を魂や死後の世界が存在する証拠だと捉える人々も少なくない。
- 無神論者も臨死体験やお迎え現象を体験する場合があり、体験を経て無神論者が信仰心を持つ様になった事例もある。
余談
- スティーブ・ジョブズの最期の言葉が「Oh Wow, Oh Wow, Oh Wow.」だったのは有名な話であるが、その時に彼は誰もいない場所を見て何とも穏やかな笑顔を見せたとされている。この事から、ジョブズ氏にもお迎え現象が起こったのではないか、という意見もある。
外部リンク
関連タグ
煉獄杏寿郎:今際の際の描写は、お迎え現象を意識して描いていると思われる。
エルヴィン・スミス:死の数日前の描写として、殉職した仲間の姿を見たり、手鏡現象も描写された(参照)。
桓騎:最後の戦の際に、自分の死を事前に予測し、死の間際には偲央が現れるなど、やはりお迎え現象に類する描写がされていた。